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ヒューマンバリューは、1992年からASTD国際会議へ視察ツアーを実施しています。本ホームページには、1998年からの参加報告レポートを掲載しています。
W206 アムトラック社のRight and Ready(正しく、準備OK)顧客サービス トレーニングのビジネス インパクト
グレン・スティックラー、アムトラック社 人事開発 マネージャー
ロニー・D・ストーン、パフォーマンス・リソースィズ・オーガナイゼーション社副社長兼主任コンサルティング担当者
ポール・ベロー、アムトラック社 人事開発 マネージャー
概要
鉄道の公社であるアムトラックにおいて顧客サービスのトレーニングを行った。その際の評価の仕方とその結果を紹介したセッション。
内容
アムトラックとは
アムトラック社は、鉄道の公社で、1970年に設立された。
現在516の駅の駅があり、44の州で300の電車を毎日走らせている。
インフラを除いてオペレーティングの費用については2003年までに自給自足をやらなくてはならない。そこで、顧客の囲い込みをしようとした。
現在の赤字を3年間で収益を出せるまでもっていこうとしている。
ビジネス上の戦略
チームアプローチをとった、すべての事業体がグループ化する
- 顧客満足を高める
- 従業員の欠勤率を下げる
- 顧客のリテンションを高める
- 収益を上げる
ソリューション
ビジネス上の戦略を実現するためのソリューションとしてトレーニングを実施した。トレーニングは従業員がやっていること、サービスリカバリーテクニック
16000人の従業員に5カ月に渡って行われ、直接経費400万ドル、間接経費790万ドルが費やされた。
教育はプライスウオーターハウスと組んで行った。
実施されたプログラムは以下の通り
- Presenteeism Program 欠勤率の反対にあたる指標。この指標を上げていこうと考えた。具体的には欠勤をしないと商品(フォード車)がもらえるというもの
- New high speed trains
- New ACELA service
- Service Ready Train program
- Uncondition; service guarantee
トレーニングの評価
アムトラック社では、トレーニングに対して投資に見合った成果があがったどうかみるために「The ROI Process」を開発し、効果の測定を行おうとした。
そのモデルはカークパトリックの4つのレベルに加えて、5つめにROIレベルを設定したもの。
レベル1:反応
トレーニングに対する反応、満足度
レベル2:ラーニング
トレーニングで学んだ知識やスキルを習得したかどうか。ロールプレイによってトレーナーがスキルの習得度合いを観察する。
レベル3:仕事への適応
実際の仕事に役に立っているのか、他の従業員が使っているのをみたことがあるのか聞く
レベル4:ビジネスのインパクト
- Gest rideship
- Customer satisfaction
- Customer complaints
- Employee satisfaction
- Absenteeism
- Revenue
レベル5:ROI
投資に見合った成果が上がったのか
評価の方法
1つ1つを孤立化させてどのくらいの成果があがったのかの金額を出していく
顧客満足度指数に改善が見られた。
パラダイムシフト
評価の前提として、今回の変化には次のようなパラダイムシフトがあった。従業員、乗客をすべてゲストとして扱う。そして、全員がビジネス全体にどういった影響を与えているのかをみた。全員がクルーだと考えた。
トレーニングの結果
レベル1と2の結果
6カ月後にどれだけ知識を理解していたかを測った。結果としては、48%の人があまり理解していなかったと答えた。これは訓練が終わってしまうと下がってしまうことが原因と考えられた。
(790万ドルの投資がムダになってしまうかもしれない危機的な状況)
レベル3の結果
61%が自分で学んだコンセプトを使ってる。作成したサービスブックを使っているのは22%。ここでも790万ドルの投資が役に立っていなかった
※サービスのトレーニングでは、サービスをリカバリーするのは循環だと考えた。循環とは、謝って、苦情をよく聞く、お客さまに満足してもらうことである。こういった考え方をトレーニングに組み込んだ。しかし、フォローアップサーベイの結果、身につけた知識はあまり適用されていないということがわかる。また、サービスのトレーニングではEQの面も取り入れた:スマイルの仕方、一人一人の感情を見ていった
レベル4の結果
- カスタマーサティスファクション指標(顧客を対象に18の質問の調査を行った)
- 従業員満足の指標
- オフィスカスタマーレスポンス
- ライドシップデータ
- revenue report
収益を2%上げると言われたが、今年は達成できていない。ライドシップも達成できていない。その結果運賃が上がってしまった。
今のところトレーニングと収益はつながりが見えなかった。
トレーニングをすることによって従業員のモチベーションを高めるというねらいがあった。しかし、調査の結果では、40%以下の従業員しかモチベーションを得ていないことがわかった。(仕事への満足度はそんなに落ちていない)
欠勤率を下げていこうと考えた。そのための施策がプレゼンティーズこれは、休まないと商品がもらえる(フォード)というものだった。しかし、欠勤せずに毎日出勤するのはよいが、一度休んでしまうとコンテストには関係ないと考えて休んでしまう人が出てきた(この施策の欠点)
欠勤率は全体では下がらなかった
こういった結果がデータを孤立化させることによって明らかになった。
ここで考えること
実施の時期
レベル3の結果で悪いときにはレベル4では結果はでないはず。また、今回は6カ月後に調査を行ったが、それが影響が出てくる時期かどうか?
また、レベル4は出ていないのでROIの結果も見ることは難しい。
無形のものがわかる
調査の結果、目に見える数字は上がっていないが、無形の結果が分かったのは収穫と言える。無形のメリットがあった。
EQ
これまでEQが必要だとはわからなかった。エモーションの部分、エンパワーメント等に焦点を当てた方がよかったのではないかということがわかった
トレーニングの方向性、仕方がわかった
また、今後トレーニングをどういった方向で行うのがよいのか、トレーニングの仕方、評価の仕方がわかった。そのためのインフラができたと言える。
また、トレーニングプログラムがどのくらいインパクトを与えているかがわかるようになった。そして、データが何か、訓練が何か、等見方が変わってきた
改善の方向性
どこを改善すればよいのかが明らかになった。モデルがあるので継続的に実施していけば成果が出るだろうと考えられる。かなり手の掛かるモデルだが現在の弱点は明らかになったので今後効果は上がってくる。
所感
トレーニングの評価について、コンサルティング団体と組んでかなり綿密に行ったようだ。そのためのデータをかなり集め、今後も継続的に進めることができるようなインフラは揃えたという感じがしたが、実施したトレーニングにはほとんど効果が上がっておらず、それに対しての危機感はあまり感じられなかった。セッションでは、無形のメリットが得られたことが強調されており、普通の民間会社との大きなギャップを感じた。
セッションでは、グラフ等を通じて分析データの一部が紹介されたが、データの収集や分析など正確に測定することに対してかなりの負荷をかけたことがうかがえ、実効性とのギャップが大きいように感じられた。


