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ヒューマンバリューは、1992年からASTD国際会議へ視察ツアーを実施しています。本ホームページには、1998年からの参加報告レポートを掲載しています。
S201 フェデックス社グラウンド部門のコンピテンシーベースのキャリアー開発:様々な展望の万華鏡
ダニエル・ニコールス、エイリーン・ペイヤー
主要トラック:キャリア
フェデックス社グラウンド部門は、統合化されたコンピタンシーベースのキャリアディベロプメントシステム(CDS)を開発中である。それはまるで様々な内部ユーザーのためにいくつかの込み入った絵を提供するように調整されたカレイドスコープのようである。新たに設けられた役職や高度でユニークなスキルが要求される役職を遂行するためのコンピタンシーとスキルを意味する「適格性」をもつ内部候補者を見つけるために、役員たちはCDSを使用する。マネジャー達は彼等社員の強さを増強し、オンライン・ツールを利用して彼等のスキルを築く支援をするためにCDSの長所を利用することができる。「360度」「モチベーション的フィット」「重要思考と状況判断」といった一連のカスタム化されたイントラネット・オンライン査定を終了した後で、全社員が自分の能力を発見することになる。また、査定に続いて適切なトレーニング/開発の機会を提供するために、CDSはフェデックス社グラウンド部門のリーダーシップ学校とアライメントがとられている。
- 完全に統合化された「コンピテンシー ベースのキャリアー継承開発システム」及び高度に効果的な「重役リーダーシップ プログラム」の主要コンポーネントを学ぶ。
- オンライン・ツールによって社員に彼等のコンピテンシーを査定させ、彼等のキャリアを築かせるパワーを理解する。
- 自分自身の強さを査定するための単純だが強力な開発ツールを実践使用する。
概要(参加者の人数など)
250名ほど収容できる会場の約半分強、150名ほどの聴衆が参加していた。途中からの入場者も相当数いた。退場者はほとんどいなかった。
途中、「自社ではコンピテンシーをどのように活用しているかを隣と話し合う」という提示が聴衆に向けられたが、その様子を見る限りでは、ほとんどの聴衆の組織でコンピテンシーは何らかの形で使われている印象だった。ただし、後述するが、その大半は個人の開発とパフォーマンスにフォーカスしていた。
また途中、例えば「マルチレイターは誰が誰を選ぶのか?」といったCDS(キャリア・ディベロプメント・システム)の詳細についての質問が、立て続けに行われた。聴衆のニーズは、細かな運用方法やデザインを知りたがっている様子であり、すでにコンピテンシーを導入している、または導入が決まっているが、より効果的にするための詳細について知りたがっているような印象だった。
内容
フェデックス・グラウンド社について
- フェデックスコーポレーションのグラウンド配送を受け持つグループ企業。
- 170万以上のパッケージを1日に運ぶ。
- 北米で3万5千人を超える社員と請負業者、600を超える施設を抱える
- 22億ドルの年間収入 = ペンシルバニアのピッツバーグに本社
人的資源開発の観点から
- スティーブ・ハンディという新しいCLOが就任した
- コーポレート・ユニバーシティという構造のもとで運営している イノベーション・カリキュラムを構築する
ユニバーシティはカレッジとサービスの2つから構成されている。
カレッジではリーダーシップトレーニングをマネジメントチームに提供している。
キャリアディベロプメントサービス
- コンピテンシー開発
- パフォーマンススタンダード開発
- キャリアパスプランニング
- コンピテンシーアセスメント
- リワード、マトリクス、プロモーションゲイツ
- ELI
コンピテンシーによって達成されるもの
- スキルを特定し、コンピテンシーを開発するための共通言語をもたらす
- 人々をディベロプメントとパフォーマンスの議論にフォーカスさせる
- 効果性を増加させるために社員が用いるキーとなる行動をセットさせる = 求められる知識とスキルと態度を仕事に持ち込むことを社員の責任とする
会場内の人に、自社ではどのようにコンピテンシーを活用しているかを話し合うように促した。その発表内容の多くがフェデックスと同様か、報酬への反映などで、「多様性の理解」「チームパフォーマンス」といった側面は発表されなかった。
(私見):
フェデックス社では、コンピテンシーを個人の開発とパフォーマンスにフォーカスして活用している。それは多数の社員が同じような職務を遂行しているためと考えられる。しかし、多数の社員が異なる職務を遂行しているような多様性の高い組織では、コンピテンシーを活用するねらいとして、フェデックス社のそれらに加えて、多様性のマネジメントや、チームパフォーマンスを高めることを加える必要がある。ただし、そうした認識はまだ広まっていないような印象を会場からは受けた。コンピテンシーの活用は、個人のパフォーマンスと開発に絞られている印象を受けた。
エグゼクティブ・リーダーシップ・インスティチュート
ディレクターレベルを対象。
プレゼンテーションやアクションラーニングアセスメントなどもやっている。
手挙げ式で受講する。
DHP (Developing High Performers)
シニアマネジャークラスを対象。
提供されるツールや学習機会にしたがって受講していくと、ハイパフォーマーになるというものをめざしている。
- アセスメント
- マルチレイター・アセスメント(レイターは3人同僚、2人サポーター、1名のマネジャーを自分で決める)
- 状況判断シナリオ
- モチベーションフィットテスト
- クリティカルシンキングテスト(ケーススタディによってリーダーシップなどを見る)
- オンライン・フィードバック
- オンライン・ディベロプメント・プランニング
- マネジャーによるコーチ
- 資源と開発とのリンク
アセスメントのフィードバック
シンプルなグラフでコメントはない。
信頼を構築しないとコメントは出せない。
フィードバックを見て、何をやっていきたいのか、何をやめていく必要があるのかを考えてもらっている。
学習のためのPDIサクセスフル・マネジャーズ・ハンドブックが用意されている。
マルチレイターでは、フィードバックコメントをもらって、ダイアログに進化させていく。
7つのコアコンテンシー
- カスタマーフォーカス
- ビジネス&システムシンキング
- ストラテジックプランニング&インプリメンテーション
- リーダーシップ
- パーソナルマネジメント
- コミュニケーション
- インターパーソナル・エフェクティブネス
アクションラーニングイベント
21日間のプログラムでチームワークなどを体験的に学習する。中には、オリエンテーリングのようなものを取り入れている。
シンキング、ストラテジー、コミュニケーションスキル、チームワークなどをアクションラーニングする。
ビジネスプランを話し合って考えていくイベントもある。社名、ロゴまで考えていく。 毎日10分、自分が情熱を注げるものを考える時間を設けている。
One on one coachingのプログラムもあり、アクションラーニングでコーチングを身に付けていく。
ディベロプメントプラン
何をスタートさせるか? 何を止めるか? 何を継続していくか?を決める。
所見
非常によく構造化されたパッケージのキャリア開発プログラムと感じたが、それがパフォーマンスやリテンション、モチベーションにどれだけ貢献するのかが疑問であった。 現実のビジネスとかい離しているような感触も受けた。 キャリアアップを目指す指向性のある社員が、この会社で働きつづけることへの納得性を提供しているにとどまりそうな印象を受けた。


