ASTD国際会議

ヒューマンバリューは、1992年からASTD国際会議へ視察ツアーを実施しています。本ホームページには、1998年からの参加報告レポートを掲載しています。

M501イノベーションのダイヤモンド:イノベーションはどう生まれるか

ロト・ダルソ

主要トラック:イノベーション!ビジネス創造性を増幅する

ASTDによるセッション紹介文

「イノベーションのダイヤモンド」は、大きなデンマークの製薬会社における続行中のプラクティスに関する対話的リサーチを通して開発されたユニークなモデルです。このモデルは知識、無知、関係、コンセプトからなる4つのダイナミックな次元を包含しています。イノベーションはいかに生まれるか?いかにプロジェクト・チームは創生初期の混乱的プロセスに対処できるか?いかにプロジェクト・リーダーはイノベーション的結晶が出現する機会を提供できるか?イノベーションのダイヤモンドは我々がこれらのたいへん基礎的な疑問を理解する助けとなります。イノベーションのダイヤモンドは幾つかの競争的優位や実際的含蓄をもったイノベーションプロセス初期のための枠組です。それはプロジェクト・チームが自分たちの希望や、心配、そして期待を明確化する助けとなります。またこのモデルの次元は、「イノベーションの庭師」、「イノベーションの概念化係」、「イノベーションの道化師」、「イノベーションの挑戦者」の4つの役割で表現される必要なリーダーシップの種類の指標となります。


概要(参加者の人数など)

セッションには150人程度の聴衆が集まっていた。参加者同士でのワークが多かったこともあり、質問が活発に飛び交っていた。

内容

講師のロト・ダルソは、まずDiamond of Innovationのモデルを提示した。

Diamond of Innovationのモデル

イノベーションの創造に関するモデル、The Diamond of Innovationは、イノベーションに必要な要素を4つ挙げている。

  1. Ignorance:無知であること
  2. Knowledge:知識、情報などを持っていること
  3. Relations:人々との関係性
  4. Concept:コンセプト化する力

1と2、3と4がそれぞれ対応している。
まず、1と2では、Ignoranceの状態から、Burning questions(自分が心底知りたいと願っている質問)を尋ねることにより、Knowledgeの状態に移る。そして、また別の課題に対して、 Ignoranceになり、そこでBurning questionsを尋ねるというサイクルが回る。
次に3と4では、人々との関係性の中から、新しいアイデアが生まれてきて、それが概念化されていくというサイクルが回る。

PrejectとProjectの違い

イノベーションを生むためには、プロジェクトではなく、「プリジェクト」という考え方が必要となってくる。プリジェクトとは、プロジェクトに入る前の段階で行うものである。以下に、その違いを示す。

Preject

  • ゴールを探すためのもの
  • 拡散
  • 非線形
  • 混沌とした時間
  • プロセス・ドリブン
  • 長く、オープンな決断のスペース

Project

  • ゴールに向かうためのもの
  • 収束
  • 線形
  • 限られた時間
  • 結果ドリブン
  • 早い決断が求められる

Prejectに必要な役割

Prejectには、上述のDiamond of Innovationのモデル中の4つの要素に関わる役割がそれぞれ必要となってくる。

The innovation gardener(イノベーションの庭師)

これは、Relationに対応した役割であり、以下のような責任を負う

  • 参加者の幸せ
  • グループの気候
  • エネルギーレベル
  • ポジティブな関係性を構築する
  • 共有のグラウンドを構築する
  • 各々の強みを知る

The innovation jester(イノベーションの道化師)

これは、Ignoranceに対応した役割であり、以下のような責任を負う

  • 一見当たり前、あるいはくだらない質問を投げかける
  • ひねくれた質問を投げかける
  • 不可能な質問を投げかける
  • Burning questions(最も知りたい、熱い質問)を投げかける
  • 仮説を投げかける

The innovation conceptualizer(イノベーションの概念化)

これは、Conceptに対応した役割であり、以下のような責任を負う

  • コンセプトを明確化する
  • 描写、モデル化を行う
  • 言葉、メタファー、事例などで、記述する
  • 理解する
  • ビジョン(共有化されたイメージ)を作る

The innovation challenger(イノベーションの挑戦者)

これは、Knowledgeに対応した役割であり、以下のような責任を負う

  • グループの知識のスクリーニング
  • 事実の収集、及び生成
  • 事実の門番
  • 根底を疑うような「失礼な」質問を投げかける
  • 仮説に関する質問を投げかける

所見

イノベーションに必要な役割をまとめて、それをキャラクター化しているところは興味深かった。この切り口で、探求すればイノベーションに必要な資質なども、明らかになってくるのではないかと感じられた。

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