ASTD国際会議

ヒューマンバリューは、1992年からASTD国際会議へ視察ツアーを実施しています。本ホームページには、1998年からの参加報告レポートを掲載しています。

S205 ペストプラクティス共有システム:ユーザーに優しい知識共有

ローレンス・ソーロー、エドワード・マサニー

主要トラック:イノベーション

ASTDによるセッション紹介文

3-D Change, Inc.のプレジデント。Cap Gemini、Bell and Company、Harley-Davidson、Allied Signal Aerospaceなどのコンサルタントを行う。

概要(参加者の人数など)

初めから参加者は少なく、30人前後だったと思われる。スピーカーは、Alcan Packagingに対し、コンサルティングを行い、Best Practiceのシェアリングシステムを導入したコンサルティング会社の3-D Change, Inc.の社長Lawrene Solow氏。このプロジェクトの中心となったEd Mathany氏が講演を行った。社長のSolow氏は非常に気さくな人物で、早めに会場に来ていた人と会話をしていた。

内容

講師のローレンス・ソーロー、エドワード・マサニーがまずBPSSの導入背景と特徴を述べた。

Best Practice Sharing System(BPSS)導入

背景

Alkan Packaging社では、シックスシグマを導入したものの、多くのベスト・プラクティスが共有されていなかった。価値のあるものが失われていた。

  • お金がかかる
  • ベスト・プラクティスをシステムに入れるにも取り出すにも時間がかかる
  • なかなか良いタイミングで情報が入ってこないということから、効率的なベスト・プラクティス共有システムを導入することにした。

特徴

  • すべてのベスト・プラクティスを載せなくても良い。(シックスシグマ中心に載せる)
  • 小さな部分に分解してわかりやすい形で入れる。
  • Push、Pull、Interpersonalというように複数の共有の方法を入れている 基本的にはシックスシグマから出てくるベスト・プラクティスを入れる。

具体的なコツとその概要

“Push”アプローチ

E-メールによるニュースフラッシュとハードコピーで配布される。1〜4ヶ月に1回は出される。短く、使える、新しい、というようなものが書かれている。

“Pull”アプローチ

  • 特にシックスシグマで出てきているベスト・プラクティスを拾いあげ、載せている。
  • シックスシグマのエキスパートへのコンタクトリストを載せる
  • コミュニティ掲示板
  • 質問を話し合うディスカッショングループ
  • ベスト・プラクティスを利用した成功事例
  • ニュースレターを蓄積

“Interpersonal”アプローチ

  • Lunch & Learn’sという昼を食べながらの情報交換会がある。
  • トピックはあらかじめBPSSのウェブサイトに載せている
  • 1〜15時間ほどの会合

結果

システムの運用状況

そううまくはいかなかった。最初のうちは、予算が足りなくなったり、BPSSの必要性が薄れる、というようなことが起こったりもした。

本当にうまくいき始めたのは、このシステムを導入したということが、トップの耳に入ってからだ。Pest Practices Councilというグループが成立した。そして、彼らの活躍で、多くの地域へ広がり、シックスシグマ以外の分野へと広がった。

今では、個人の年間目標に取り入れられたりしている。イントラネットも活用されている。

事例から学べるポイント

  • お金をどぶに捨てた感じがするのは、テクノロジーに無駄遣いしたのではなく、投資した後に使いこなしていないから、結果的に無駄遣いになっている。テクノロジーの部分にはお金をかけてしまっても良い。むしろ、ユーザーに使いやすくするためには、そこにお金をかけたほうがよいのである。
  • ただ単にシステムを導入するのではなく、それをどう使い、コミュニケーションを図るのかという、コミュニケーション戦略が重要
  • RewardやRecognitionのシステムがさらに活発化させる。
  • リーダーシップからの強いサポートが必須

所見

よくレジュメがまとまっていた。E-learningは投資対効果が低いということになっているが、初めから、必要なシステムは何かという戦略をもって投資すれば、効果は期待以上になる可能性がある。また、導入した後の、制度や組織の受け皿の整備が、本当の効果発揮へとつながるということが、良く表されている事例だった。

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