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ヒューマンバリューは、1992年からASTD国際会議へ視察ツアーを実施しています。本ホームページには、1998年からの参加報告レポートを掲載しています。
SU212 職場を愛し、そこから立ち去るな:大事なメッセージ
ベバリー・ケイ(キャリア・システムズ・インターナショナル:創立者/CEO)、
シャレン・ジョーダン・エバンス(ジョーダン・エバンス・グループ:プレジデント)
主要トラック:あなたをガイドし、他の人々もガイドする
ASTDによるセッション紹介文
無数のアンケート調査が「社員は悪いマネージャーを去っていく」と語っています。彼らは本当にそうするのです。しかし、社員自身にも同様に責任があるのです。何かが欠けているという理由で多過ぎる人々が仕事を去っていきます。彼らは物理的あるいは心理的に去るのです。もし、別のオプションがあればどうでしょう。もし、社員が職場満足度を上下二方向の道路上に存在することを本当に理解したらどうでしょう。もし、彼らが本当に大事だと思うことを注意深く考慮し、仕事を本当に仕事可能にさせるためにマネージャーや他の人たちと協力する道を探すとしたらどうでしょう。我々はこれが可能だと信じます。このセッションは仕事満足度の50パーセントの責任を社員に移すための実際的モデルをHRプロたちに提供します。それは最新の高度に対話型のものです。
概要(参加者の人数など)
50人程の人が参加しており、最初から最後までほとんど人の出入りはなかった。
かなり集中した雰囲気であった。
講演者のベバリー・ケイとシャレン・ジョーダン・エバンスは、25年間ASTDで発表を続けていることもあり、非常にプレゼンテーションのテンポが良く、わかりやすくポイントを話していた。
また、昨年の発表では、従業員が会社を去るのは、マネジャーの責任であることを調査の結果から明らかにしており、マネジャーがどのようにエンゲージメントを高めるのかについて言及していた。
今年は、切り口を変えて、従業員側にこそ自分の幸せを作る責任があり、自分自身でエンゲージメントを高めやすいような環境作りをする必要があるということをポイントとしていた。そして、どのように従業員がエンゲージメントしやすい環境を自分で作るのかについて重点的に述べていた。
内容
エンゲージメントの問題に関する調査とその結果が表すもの
ギャロップ社のサーベイ55%の人が精神的にエンゲージメントしていない(身体だけは職場にいるが、心はそこにいない)という調査結果を出している。さらに全体の19%は強いディスエンゲージメントをしている。この状態は、行動にもディスエンゲージメントが現れるレベルである。
また、3500000人への調査の結果30%しか自分の所属する組織にロイヤリティーを感じていない。
講演者2人の調査でも、10人中8人は何か良い機会があれば社外流出したいと思っている。逆にいうと、5人に1人しか現在の状態に満足していないのである。
従業員の側に注目する必要性
これまで彼らが行ったインタビュー調査の中で、しばしば「マネジャーにも悪いところがあるが、従業員の側にも悪いところがある。」という意見を聞いていた。実際にその従業員側が不満に感じていることがあったとしても、マネジャーに言えばすんなり受け入れられた可能性も高い場合が多い。
また、今後は、経済の先行きが明るく、米国の景気が良くなる可能性がある。
一方で、全体としては、人材不足で人材獲得競争が行われ、日常の仕事の中でも、1人のマネジャーがより多くの従業員を抱え込む可能性がある。そうした場合には、マネジャーの側もいちいち全員に平等にゆっくりと相手している暇もなくなってくる。
そこで、去年とは異なり、今年は従業員の側の「仕事を好きになれる」力に言及した。
個人がエンゲージメントできる環境を作るには
いくつかフレームワークや考えがあるが、エンゲージメントするためには特にキーファクターとなっているのが、以下の5つの要素である。
- 面白く、チャレンジングな仕事
- 成長し、学習する機会
- 一緒に働く人がすばらしい
- 適切な報酬
- 良い上司
取るべき行動(ヒント)
以上の5つのうちそれぞれを実現しやすくするために取るべき行動のヒントも話に出ている。多くの従業員は、不満があってもその理由がはっきりしないケースが多い。HRとしては、そういった従業員の不満を整理しやすいようにするためにツールを提供する必要がある。
- 面白く、チャレンジングな仕事 面白く、モチベーションが高まった状態になるには何が必要なのか?自分の情熱を高められる状態を見つけていくことが重要。ものの考え方を変えれば、仕事にも新しい意味づけが加わり、面白いかもしれない。
- 成長し、学習する機会 常に、成長し、学習できる可能性を見る。 “Opportunity isnowhere” これを”Opportunity is nowhere(機会はどこにもない)”と読むか、”Opportunity is now here(機会は今ここにある)”と読むかによってその人のポジティブさが伺える。
- 一緒に働く人がすばらしい 自分でメンターにしたい人を探すとよい。メンターにする人は、仕事を好きになることができる人がよい。フィードバックを与えられ、与えることができる相手ならば、だれでもよい。
- 良い上司 報酬には3種類ある。外因的な目に見えるもの。外因的な目に見えないもの。内因的なもの。外因的な目に見えるものは給与のようなもの。外因的な目に見えないものは周囲からの称賛。内因的なものは、自分自身が「良い仕事をした」と思えること。
- 適切な報酬 月々の給与以外にも様々な手当をもらっている可能性がある。昇給を望む場合は、この他の給与も合わせて総合的に上がるように要求してみるとよい。
その他、いくつか重要なアクションは以下の通り。
- 要求し続ける
- 自分の仕事の価値を冷静に考えてみる
- 自分がより高い満足やエンゲージメントをするためには、何をすべきかを知る
- 自分自身が自分の人生の責任をもつ
- やりたいことは目の前にある可能性がある
- 待たない
所見
去年は、マネジャーが従業員をエンゲージさせることができなければならないというところに言及していたが、今年は、従業員側がどのように主体的に自分が仕事を好きになれる環境をつくることができるのかという発想の転換をしている。一方的にマネジャーがリテンションさせなければならないという論調が多い中で、従業員側の切り口で考えているのがかなり新鮮である。
ただし、今回の話でとどまってしまうと、個人的なキャリア開発の話にとどまってしまうので、今後は、一歩踏み込んで、これをサポートするために実際にHR やトレーニング&デベロップメント関連が何をすることができるのかを探求していくことが必要かもしれない。


