用語集

アリー=デ=ハウス

アリー=デ=ハウス氏が指摘する「今日の企業に最も影響を及ぼしている事柄」

HVDリポートVol.1 No.1より

ロイヤル=ダッチ=シェル社の企画部長をしていたアリー=デ=ハウス氏は著書『リビングカンパニー』(日経BP社)の中で、今日の企業に最も影響を及ぼしている事柄として

1.企業を取り巻く世界の急激な変化
2.決定的な生産要因の「資金」から「知識」への移行

の2つを取り上げています。

ハウス氏が言うように企業を取り巻く世界の急激な変化は、ビジネスサイクルの急速な短縮化と技術やノウハウの更新スピードの高まりという形で企業や働く人々に大きな影響を与えています。こうした変化は、私たちがこれまでに経験したことがなかったものといえます。今年活用している知識、ノウハウが一年先、半年先ひいては1ヶ月後には陳腐化してしまうのです。

ビジネスサイクルの短縮化によって、既に80年代には、現場の仕事について上司が部下に指導できる時代は終わりました。そして90年代を迎えて、マニュアルで知識を伝承することも難しくなったのです。現場のビジネスパースンは自ら現場で学習し、知識、ノウハウを身につけ行動していく必要があるのです。

また、こうしたビジネスサイクルの短縮化に伴う技術、知識の更新スピードの高まりとグローバリゼーションによる社会環境の変化が原因となって、ビジネスを行う上での重要な資源は、「モノ」や「カネ(金)」から「知識」へと移行しました。それは「知識の時代」あるいは「知識経済の時代」の幕開けといえるものです。金や資本をもっていることよりも、どういった知識、ノウハウをもっているか、そして、それを常に更新し環境変化に適応した最新のものとなっているかが、ビジネスを大きく左右する時代を迎えました。

また「知識の時代」への移行は、企業で働く人々の意識にも影響を与えているといえます。肩書きや所属に対するこだわりに代表されるような、かつて日本人がもっていた組織への帰属意識は希薄になり、人々は「自分はどんな能力や知識をもっているか」ということ、つまり、単に会社のためではなく、個人としての能力や知識をいかに高め、蓄えるかということに強い意識をもつようになったのです。 (1998/2/91)

アリー=デ=ハウス(Arie de Geus)
MITのP.センゲ教授は、デ=ハウス氏との出会いに刺激されて、組織学習の研究をライフワークとすることに到った。

ビジネスサイクル
世の中の中心となっている仕事の仕方が、がらっと変わってしまうのにかかる期間。


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