トレーニング・プログラムを評価する4つのレベル
ASTDのセッションの中でドナルド・カークパトリック(ウィスコンシン大学名誉教授)は、トレーニング・プログラムの4段階評価モデルを紹介し、効果的なトレーニング・プログラムの必要条件とプログラムを評価する理由、またそれぞれの段階に応じた見本、形式、手順を説明しました。
なぜプログラムの評価をするかという理由としては、次の5点を挙げています。
- プログラムを継続するのか、やめるのかを判定するため
- 目的に合っているかを判定するため
- どのように改善できるかを知るため
- プログラムの予算を正当化するため
- このプログラムが必要であることを証明するため
カークパトリックはプログラムの評価を次の4つのレベルで考えています。
- レベル1 反応(reaction)
- プログラムについて参加者はどのように感じたのかをみます。
- レベル2 学習(learning)
- 参加者は何を学習したのか、知識が増えたのか、スキルが改善されたのか、態度が変わったのかをみます。そのために、事前テストと事後テストを行い、プログラムの中で参加者がどの程度学習したかを測ります。
- レベル3 行動・態度(behavior)
- トレーニング後、職場に戻ってからの行動がどのように変わったかをみます。360度アンケートによって、周囲の人から参加者の行動がどのように変わったのかを測定したり、本人にインタビューすることによって把握します。
- レベル4 結果(results)
- 最終的にどのような成果(量、質、安全、セールス、コスト、利益、ROI)が出たかをみます。トレーニングが終わって職場に戻った当初はよくても、時間が経つと元に戻ってしまうこともあるので、ある程度期間をおいてから測定するようにします。
カークパトリックは、この中でもレベル3とレベル4の測定は特に難しく、こうすればうまく測定できるという結論が出ているわけではないと述べています。そして、おのおのの職場でその適用の仕方を考えていくことを今後の課題として挙げています。
以上のカークパトリックの考え方は、別段真新しい感じはしませんが、いざ実施するとなるとトレーニング部門にかなりの負荷がかかるでしょう。つまり、先述の4つのレベルからトレーニングプログラムを評価することは当たり前のことかもしれませんが、それを実施するのは非常に難しく、具体的な方法を決めて継続的に取り組まないと実際の効果は出ないと考えられます。
(1998/7/2)



