トレーニングの効果測定
今回のセッションの中では、「トレーニングのROI(投資収益率)をどのように計測するか」「トレーニングの効果をどのように測定するか」といったテーマが数多く見られました。
これには、米国のHRD担当者が置かれている2つの状況がその原因にあると思われます。1つはトレーニングによってパフォーマンスが向上していることを証明しないと、CEOがトレーニング予算を認めてくれなくなっているということです。もう1つは、トレーニングのアウトソーシングによって担当部門が縮小され、トレーニング担当者がどんどん解雇されるという状況に遭遇していることです。今後は、日本でも同様の傾向が高くなっていくと思われます。
トレーニングの効果測定の方法には、大きく分けて次の6つの測定方法があります。
- アフターアンケート
- 事前事後テスト
- ヒアリング
- コントロールグループとの比較
- 360度アンケートによる比較
- ROI分析
- 1.アフターアンケート
- アフターアンケート(受講アンケート)は、従来から行われている一般的な測定方法ですが、この評点でトレーニングを評価するだけでは済まなくなっているというのが一般的な論調です。
- 2.事前事後テスト
- 事前事後テストは、まずトレーニングの前に受講者の知識、技術のレベルをテストによって確認します。そして、受講後に再度テストを行い、どのくらい向上したかを確認する方法です。
- 3.ヒアリング
- ヒアリングは、受講者に対してトレーニングを受けてどのような気づきや態度の変容があったかを直接聞いていく方法です。
- 4.コントロールグループとの比較
- コントロールグループとの比較は、トレーニング終了後に受講者群と非受講者群(コントロールグループ)との業績などの差を計測し、比較するものです。
- 5.360度アンケート
- 360度アンケートは、事前に受講者の周りの人から本人の行動や知識、技術、態度についてのアンケートを収集しておき、トレーニング後、一定期間を経て再度アンケートを採り、その変化を測定するものです。
- 6.ROI分析
- ROI分析は、トレーニングに要した費用に対して、それがどのくらいの業績を生み出したかを測定します。それには比較するためのコントロールグループが必要です。
しかし、ROI分析で問題となるのは、費用(投資)にどこまでを含めるのかということです。
一般的には、トレーニング費用として講義料+テキスト代+交通費、その他、会場費、宿泊食事代程度を含めます。そして、人件費及びトレーニング参加中に稼げたはずの利益は含めないようです。
しかし厳密に言えば、人件費やトレーニングに参加したため仕事ができなかった期間の利益上の損失も含めて分析しなければならないでしょう。また、営業以外の分野では、業績を数字として測りづらいため、この方式はうまくいきません。そのため、今後の方向はトレーニングの内容面をどう評価するかという方向に移っていくと思われます。
(1998/7/2)



