SI(Social Capital and Identity Capital)モデル
これまでの人材開発や組織変革は、知識やスキルを付与し、組織の仕組みや文化を変えるための施策を講じることが中心となっていました。 しかし、本当に必要なのは、個人としての変革の力(アイデンティティ・キャピタル)を高めると同時に、組織としての変革を生み出す基盤(ソーシャル・キャピタル)を高めることです。
SIモデルとは
一方で、ソーシャル・キャピタルを高めるだけでは、本当の意味での人材の育成や組織の変革を実現することができません。変革のためには、組織のメンバーの一人ひとりが日々の取り組みの中で、今自分の存在意味を探求し、それを日々の思考や行動につなげて実践し、それを日々振り返り、進化し続ける力が必要不可欠です。こうした力を「アイデンティティ・キャピタル(Identity capital)」と呼びます。
ヒューマンバリューでは、ソーシャル・キャピタルとアイデンティティ・キャピタルを高めるシステムを表すモデルをSI(Social Capital and Identity Capital)モデルとしました。
基盤となる個人と組織の変革を高めることから、革新の新しい芽が吹き出て、成長が実現される
ソーシャル・キャピタルを高める
変化を生み出す基盤となるシステムつくるには、何が必要なのでしょうか。
まず、 組織の中にお互いを尊重、信頼し、協力し合う関係性を高めることが大切になります。
こうした関係性が高まると、人々の主体性や開放性が高まり、現状や既存の枠組みにとらわれない、
組織としての新しい思考や行動が生まれます。さらに、それを振り返り、新たな思考や行動につなげることができます。
こうしたサイクルを生み出す基盤をソーシャル・キャピタルといいます。
アイデンティティ・キャピタルを高める
変革のためには、ソーシャル・キャピタルとアイデンティティ・キャピタルの相互補完関係を実現することが必要になります。
アイデンティティ・キャピタルとは、組織のメンバーの一人ひとりが日々の取り組みの中で、今自分が生きている意味を探求し、それを日々の思考や行動につなげて実践し、それを日々振り返り、さらに自分の存在意味を探求し、進化し続ける力です。
組織変革を実現するには、こうした主体者としての一人ひとりの取り組みが不可欠です。同時に、個人のアイデンティティ・キャピタルを高める基盤としての組織のソーシャル・キャピタルを高めていくことが必要になります。
ビリーフ(信念・価値観)を確立する
アイデンティティ・キャピタルやソーシャル・キャピタルを「高める」とは、単に組織や個人の思考や行動の質を高めるということではありません。そこで大切になるのは、どういった取り組みをすればよいのかの検討ではなく、自分たちの取り組みの背景にあるBelief(信念・価値観)やRecognition(物事の認知・理解)を振り返ることです。
集団や個人が自分たちの行動を振り返り、本当にそれが望ましいのかという探求を通じて、新たなBeliefを生み出し、それが新しい行動につながっていきます。