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OST

主体性を解放するリアルOSTをいまこそ

OSTを「テーマ出しを自分達でやる話し合いですよね」と捉えている方がいますが、本当のOSTはそれだけの理解では十分ではありません。OSTのパワフルさが発揮され、組織や人々に変革が生まれるには、意味や認知のトランジションが必要なのです。

OSTの本質

OSTの本質は、 "本来、自分は主体的な存在なのだ"ということを一人ひとりが自覚し、その自覚から"自分が選択して生きるのだ"という力を呼び覚ますことができることです。
多くの人は、自分が意見を言わないなどの振る舞いを自分が選択していることを自覚していません。OSTの中では、すべてが一人ひとりの個人の主体的な選択によって行なわれますので、自然に、今の状況に対してどう選択して生きるかの責任と情熱について自己に問いかけるようになるのです。

最近多くの組織やコミュニティで活用されているワールド・カフェやAI、フューチャーサーチといった話し合いの方法も、「皆でオープンに話しができて良かったね」「気づきや発見があった」「同じ仲間だと思えた」など、それぞれの良さがあります。
しかし、参加したメンバーが自分を変えていくパワーはOSTを上回るものはありません。「自分が本当は何をしたいのか」、「いまここで起きていることを自分は受け止めたいのか」、「これから起きるアクションを引き受けたいのか」など、個人に内省的な気づきが起きて、そこから世界を見直すようになり、参加者の思考と行動のパターンが変化するという、圧倒的なパワーがOSTにはあるのです。

OSTの特徴

OSTの特徴であり最も重要なことは、最初のオープニングセレモニーの45分間です。
それに対して、AIなどのポジティブアプローチの手法を行う場合には、重要なのは事前のプロセスになります。例えば、コアチームがどのように場を作るか、場の構造のデザインや場のレイアウトとか細かいところが重要です。
しかし、リアルOSTは、人々を変革させるための重要な要素が、最初のオープニングセレモニーに全部集約されて入っています。

具体的に言えば、まずOSTを開催するために30分前からのシンプルな準備があります。主催するホスト的な人々が、椅子などを円形に並べて準備して、4つの原則を表すハチとかチョウのポスターをその場で描いて、サークルの中に散らばって座っています。そこからオープンニングセレモニーが始まります。
ファシリテーターがサークルの中を回りながら説明していく45分の間、参加者それぞれの人は、「自分はテーマを出すのか出さないのか」、「誰かが出したテーマに参加する自分で良いのか」など、自己と向き合う時間が続くのです。このセレモニーをやるかやらないかで、OSTは全く別物になってしまいます。ここがOSTの最大の特徴であり凄さです。

ファシリテーターのあり方

このとき、OSTのファシリテーションを行う人は、「沢山テーマが出たらよいな」とか、「テーマがでなかったらどうしよう」とかに囚われてはいけません。ファシリテーターがOSTを実施して、こんな結果がでることが望ましいのだというようなマインドセットをあらかじめ持っていると、自己組織化が起きなくなります。
「テーマがないなら出るな」くらいに思って、OSTの原則にある「起きることが起きる」ということを100パーセント信じ切っている状態が大事だと思います。そして、自分がここを仕切っているのだというエゴがなく、参加者と自分がフラットに溶け込んで自他の区別がないような状態のマインドセットを持つことが大切です。

OSTプロセスの価値

OSTの話し合いでは、話し合いに参加しないで休んでいる「チョウ」がいて、自由に話し合いをのぞいて歩く「ハチ」がいます。OSTでは、興味や関心のない人が話し合いに参加することがありません。関心のある人だけが自分で選択し、参加して話し合います。そうすると、すごい相互作用があります。こういった自己選択をし続けるのが1日続きます。
このOSTのもつ柔軟さが自己組織化を生み出し、さらに現実世界のリアリティを呼び起こすのです。「自分たちはこんなに真剣に関心を寄せ続けて話しあえるのだ」という経験が自信を生み出し、現実世界を変革させる力を集合的に獲得するのです。

OST収束のあり方

OSTの収束のあり方には、さまざまな方法があります。『バースデーケーキセッション』のように、会の終わりに参加者全員で話し合う方法もあります。また、発表ポスターの前に立って仲間がきたら質問したり想いを伝えたりする『ポスターセッション』を2回くらいやる方法もあります。
OSTを行ってもその後に組織で変化が起きていないのは、アクションプランを考えるところに無理矢理もっていくとか、チームのリーダーを決めて実行してくださいとか、OSTが終わったらグループ形成してフェイスブックでやりとりしましょうといったところへコントロールした場合です。これは自己組織化ではないからです。
参加者の方の中には、そこまで強くコミットして話し合いのグループに入ったわけではない人がいますから、コントロールを入れると、OSTの後は徐々に人数が減っていって、エネルギーを失っていくのです。
今までの研修やトレーニングでの収束方法をOSTに持ち込むと、参加者がやらされ感になってしまうので注意したいものです。
どんな終わり方であっても、収束に向けて最も大事なポイントは全体で共有することです。それは、自分が話し合ったテーマ以外のことにも関与し、自分も話をし、「集合的に皆で話し合ったのだ」という認知になれることです。自分が話をしたのは、自分が掲げ選択したテーマだけだったという認知では、OSTを行った意味がありません。

体験から理解する

こういったことは、それぞれの人の体験や思想・枠組み、コアビリーフといったものがあるために、なかなか理解しづらいものです。話し合いの実際の場面では、どうしても旧来の枠組みから離れられなくなりがちです。
それには、やはり実際に体験をしてみて、自分の腹に落としこむことが必要でしょう。
ヒューマンバリューのOSTプラクティショナー養成コースでは、体験的に理解し、実際のファシリテーションのスキルとスタンスを獲得していただくことができます。

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