市民参加の取り組み

事例4:小田原市の事例 1.取り組みの背景

  1. 取り組みの背景
  2. 取り組みの詳細
  3. 振り返り

弊社が取り組みをご一緒させていただく以前から、小田原市では、多くの市民意見を市政運営に反映するために、市民参画による計画策定を積極的に実践してきました。具体的には、平成10年にスタートした現行の総合計画「ビジョン21おだわら」の策定においては、「市民百人委員会」を立ち上げ、市民と職員が一緒に草案づくりを行いました。また、平成16~17年に行われた後期基本計画の改訂においても、人数制限を設けずに公募した市民が計画に対する提言をまとめるなど、さらなる市民参画が進みました。

そして、平成23年度からスタートする新総合計画の策定において、小田原市は、これまで以上の市民参画を進めようとしました。具体的には、「テーマ型プラットフォーム」と「地域プラットフォーム」の2つのプラットフォームを柱に市政への市民の関わりをさらに深めるよう努めました。そして、テーマ型では、無作為抽出によって選ばれた市民による討議を通して、サイレント・マジョリティのニーズをつかんでいく「おだわらTRYフォーラム」を、地域型では、自治会連合会の区域ごとに「地域別計画」を策定する取組がそれぞれの特徴として挙げられます。

市民参加を進める一方で、それに伴う課題意識も掲げられました。それは、実際に市民の声をもとに計画づくりを行っていく小田原市役所で働く一人ひとりの職員の計画策定に対する意志・モチベーションをいかに高めていくことができるかという点です。

現在小田原市に限らず、様々な自治体で市民参加の取り組みが行われていますが、共通する課題の一つとして、議論に参加している市民の意識が高まる一方で、その場に参加していない市の職員の意識と乖離してしまうということがよく聞かれます。小田原市でも、市民参画による計画策定をより高い次元で実現していくために、市の職員自身も自分たちがどういう姿を実現したいのかについて、これまで以上に真剣に考え、強い意志やこだわりをもって市民からの意見を受け止め、今まで以上に視野を広げて計画策定を行っていくことが重要との認識が高まっていました。

ヒューマンバリューの支援:シナリオプランニングの導入

計画策定への意識を高めていくためには、職員一人ひとりの視座を高め、お互いの想いを共有し、自分たちで未来を創り出していけるような話し合いの場とプロセスを計画策定の中に入れ込んでいくことがポイントとなります。そうした場とプロセスの構築を知識面・運用面からサポートするパートナーとして、私たちヒューマンバリューにお声かけをいただきました。

ご支援にあたっては、小田原市で計画策定全体の取りまとめを行っている企画政策課のメンバーとヒューマンバリュースタッフとの間で、何を実現したいのか、そのためにどんな場とプロセスを創り出していけばよいのかを時間をかけて話し合いました。議論を重ねる中で、実現したい姿へのアプローチとして、「シナリオプランニング」の手法を活用する可能性について検討しました。

シナリオプランニングとは、望ましい未来の状態を探究し、それを実現するプロセスをシナリオとして描くことで、どのようなことが起こりえるのか、またどのような選択肢や行動の仕方があるのかについて、総合的にイメージとして理解や共感を得る手法です。ロイヤル・ダッチ・シェル社や南アフリカの政府が活用し、成果を上げたことから注目されています。
(※シナリオプランニングについて、詳しくは「こちら」)

計画策定では、小田原市が取る政策の方向性がどのような社会を実現していくのかを具体的に提示していくことが重要となります。シナリオプランニングを活用すれば、市で働く職員みなの知識・知恵を活かしながら、小田原市が歩んでいく未来を具体的なストーリーとして描くことが可能となり、より多くの市民が共感し、自分ごととして考えられる計画を提示することができます。また、シナリオを描くプロセスの中で、職員同士が現状の課題や未来について多くの対話を行うことができ、より良い市を創っていくことへの意識やモチベーションを高めていくことが期待できます。

そうした背景から、小田原市では、参加型の計画策定のアプローチとしてシナリオプランニングを活用していくことにしました。

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