市民参加の取り組み

事例4:小田原市の事例 3.振り返り

  1. 取り組みの背景
  2. 取り組みの詳細
  3. 振り返り

対話を通じた組織学習の意義と今後に向けての可能性

今回の取り組みをあらためて振り返ってみると、シナリオを作成する数カ月の間に本当に多くの対話が庁内で行われ、そこから数々の学習が生まれていたように思います。シナリオプランニング効用の一つとして、「組織学習」の促進が挙げられています。小田原市の例においても、異なる部署の職員同士が、垣根を越えて自分たちの体験や想いを語り合い、市の未来をどうしていきたいのかといった話し合いを通して、これまでにはなかった新たな方向性を生み出していくという創発的な学習が庁内の至る所で起きていました。

今回の取り組みの企画・運営を務められた小田原市の職員の方は、次のような感想を話されていました。「項目だけの計画づくりでは、多くの職員が、テーマについて、リアリティーをもって対話することはなかったと思います。シナリオを通して、多くの職員が施策形成に関わり、自分ごととして、仕事を捉えていくきっかけになっているのではと実感しています。」こうしたコメントからも、自分たちの未来を自分たちの手で創り上げていくという意識が高まってきているように思います。

そして、重要なのは、シナリオが完成したらそこで対話を止めてしまうのではなく、対話を継続して行っていくことではないでしょうか。計画やプランも、従来のように一度作成したら、それを着実に実行していくという管理のための位置づけから、計画やプランをオープンにし、それらをプラットフォームとして、できるだけ多くの人がより良い未来を創るための対話を行い続けるためのものへと位置づけをシフトしていくことが必要と考えられます。

小田原市でも最近少しずつ対話の場づくりが進んでおり、先日は福祉に関わる人たちが、誇りに思うことや組織・地域の課題を話し合う「ウェルカフェ」というワールド・カフェを現場の職員が展開するなどの動きもあるそうです。小田原市において、今後もこうした話し合いからより良い未来が生み出されていくことを願っています。そして、私たちも小田原市で取り組ませていただいたことからの学びを活かしながら、今後もシナリオプランニングをはじめとした、未来を創発する様々な取り組みを支援していきたいと思います。

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