【オープン・ラボ2010】4日目レポート:「行政の市民・職員参加への場とプロセス」
【オープン・ラボ2010】4日目:セッション1
タイトル |
行政の総合計画策定へのホール・システム・アプローチの適用 |
内容
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近年行政において、ホール・システム・アプローチという上下のヒエラルキーや利害関係者の垣根を越えた話し合いを行うことが、新しい民主的な手法として重要になってきています。行政が市民や企業、NPOなどと共創的な関係を生み出し、市民と行政がベクトルを合わせて社会をより良くしていくためには、市民参加が不可欠です。また、行政内においても、縦割を打破して、課の垣根を越えた協働を推進することや、一人ひとりの職員が主体性をこれまで以上に高く発揮して参加意識を持つことが求められています。
このセッションでは、AI 、OST、フューチャーサーチなどのホール・システム・アプローチの手法を総合計画策定に取り入れ、職員・市民参加を実現した松戸市の事例を取り上げながら、ホール・システム・アプローチの行政への適用のあり方を探究します。 |
発表者 |
川口大輔 |
報告レポート |
■サマリー
松戸市の市民・職員参加による総合計画策定の事例(イマジンまつど)について、メンバーと共に協働推進を行った川口が紹介した。
■発表のポイント
取り組みの背景にあるホール・システム・アプローチについての簡単な説明。
取り組みの全体的な流れを紹介した後、一連の取り組みについて、写真を交えながら詳細を紹介した。
・ AI を活用した「あなたの想いを聴くインタビュー(職員編)」
・ OST を活用した「職員みんなの対話会 」
・ AI を活用した「あなたの想いを聴くインタビュー(市民編) 」
・フューチャーサーチを取り入れた「松戸市の未来を考える市民フォーラム 」
・ U プロセスを取り入れた「まつど未来づくり会議」
■ダイアログ
リレー式にインタビューが広がっていくためには、インタビューを生の声に近い形で全体に共有することで、参画意識や、読んでいる側も楽しさも高まってくるのではないかという意見があった。
また、「こういった取り組みを行政体が組織全体で推進していこう」という想いや、「推進担当者、トップの課題意識が大切だ」という話もされた。
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参加者の感想 |
■松戸、小田原の事例について、詳細な報告が聞けたのでよかったです。これまで、松戸や小田原が新しい取り組みをしているとは聞いていましたが、内容がよくわかりました。
■松戸市の事例の中で紹介されていた、推進者がとつとつと想いを語るというシーンにじーんとした。同時に、実際働く多くの人がそのような想いを感じていつつも、それを表出する場面がないだけのようにも感じられた。
■市の職員の想いを共有するところから始まるというところに感動した。市の取り組みというと、市民が主役で、市の職員はそれをサポートするというのが私のこれまでのイメージだった。しかし、市の職員も市民であって、より良くしたいと思っている一員なのだとあらためて感じた。 |
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【オープン・ラボ2010】4日目:セッション2
タイトル |
市民参加と市民協議のプラグマティズム |
内容
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東京大学名誉教授の篠原一先生は、 2004 年に出版されたご著書「市民の政治学」(岩波新書)の中で「討議デモクラシー」論を紹介されています。現在の政治社会の変容を歴史的文脈の中で解き明かし、これからの民主主義のあり方を説かれた内容は、私どもに深い学びを与えてくださいました。
篠原先生には、市民参加や市民討議の背景にある考え方についてお話いただく予定です。
民主党政権が誕生し、社会や政治システムに大きな転換が起きつつある今、篠原先生を囲んで、今後の市民参加、市民討議のあり方について、みなで学んでいきたいと思います。
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発表者 |
高間邦男 |
報告レポート |
■サマリー
東京大学名誉教授の篠原一氏にお越しいただき、市民参加や市民討議といった観点から最近の政治学の考えと行政における実用例をご講演いただき、その後ダイアログを行った。
■発表のポイント
最初に、20世紀末の政治学の潮流を俯瞰的に捉え、議会制デモクラシーから討議デモクラシーへの移行と討議デモクラシーの中の分化、そこからの Deliberative Democracy の具体化の流れが、提唱者や批判者の名前や参考文献を紹介しながら説明された。
実際に Deliberative Democracy がどのような形で実践されているかが紹介された。タウンミーティングや Participatory Budgeting 、計画細胞会議、 Deliberative Poll 、 America Speaks などの手法が紹介され、その詳細な仕組みや導入例、実際に行われた際のエピソードや背景、思想が説明された。
市民参加や市民討議の推進や融合といった、政治制度の民主的革新をどのように制度化して実際に運用していくかということが話され、制度化をめぐる諸問題として、相互補足性(いかにそれぞれの分野の良い部分を融合していくか:合わせ技)・進行役と自己内対話(ファシリテーターの能力と各市民の深い内省)といったことが非常に重要になってくるのではないかという見解が提示された。
■ダイアログ
発表後のダイアログでは、「企業経営でも行政体でも考えねばならないことは共時的にあるなという印象をもった」などの感想が話された。
これから日本で民主的革新を推進してくためには「シビルパッションをかき立てるテーマを探して関心のあるとこからやる」「スタイルに合ったものをそれぞれに合わせてやっていくことが大事」「小さいところから始めて、国ではなく地方自治体で始めるのが効果的ではないか」「関心のある人から始めれば広がっていく」といったようなことが話し合われた。
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参加者の感想 |
■篠原先生の著書『市民の政治学』を読んで、先生がどのような話をされるのか非常に楽しみでした。ユーモアを交えてのお話がよかったです。
■篠原名誉教授のご講義は、非常に感銘を受けました(その後、すぐにアマゾンで発注しました)。特に、討議主義への歴史的な流れをご説明いただいて、関連するいろいろな点が線につながり、整理できました。
■日本には討論の文化がなかったという篠原先生の話。
■篠原先生ご自身の魅力に圧倒された。
■「市民参加といっても若者の参加が少ないのでは」という質問に、篠原先生が「関心をもった人が集って始めれば良い。シニアで良いじゃないですか」と力強くおっしゃっていたのが印象的だった。全員参加しないという問題点ばかりを見ているのではなく、興味や関心をもった人たちの想いに着目してそれを育てていけたら、きっと全体に広がるのだと感じた。 |
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【オープン・ラボ2010】4日目:セッション3
タイトル |
行政におけるシナリオプランニングの可能性 |
内容
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問題の複雑性や将来の不確実性が高まる中、望ましい未来の状態を探究し、それを実現するプロセスをシナリオとして描くことで、どのようなことが起こりえるのか、またどのような選択肢や行動の仕方があるのかについて市民に提示していくことが、行政にとって重要になってきています。
そのための有効な手法として「シナリオプランニング」があり、海外の企業や行政において活用されています。ここでは、小田原市の総合計画策定においてシナリオプランニングを取り入れた事例を紹介し、行政におけるシナリオプランニングの可能性を検討したいと思います。
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発表者 |
川口大輔 |
報告レポート |
■サマリー
小田原市の総合計画策定において、シナリオプランニングを取り入れた事例について協働推進を行なった川口が紹介し、行政におけるシナリオプランニングの可能性を検討した。
■発表のポイント
シナリオプラニングについての歴史や特長、シナリオプランニングとは何かを説明した。
小田原市の平成23年度からスタートする新総合計画の策定において、計画策定に対する職員の意志・モチベーションの向上をはかる施策としてシナリオプランニングを導入した事例を紹介した。
シナリオプランニングの導入方法、シナリオ作成を導入するうえで大切にしたこと、職員の反応などを、写真を交えながら語った。
また、事務局の振り返りで得られた小さな変化や、その具体的事実などを共有した。
■ダイアログ
ダイアログでは、シナリオの検討プロセスについて探究がされた。はじめから完成度の高いシナリオをつくるというよりは、相互作用しながら学び取り、最終的に収れんされていくプロセスラーニングが大切なのではないかという意見があった。
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参加者の感想 |
■松戸、小田原の事例について、詳細な報告が聞けたのでよかったです。これまで、松戸や小田原が新しい取り組みをしているとは聞いていましたが、内容がよくわかりました。
■職員間を回ったシナリオノートのコメントが印象的だった。想いを共有するチャンスがあると、組織としての強さを増すと感じた。
■シナリオプランニング:はじめからうまくいくパターンをつくって渡してしまうと、プロセスラーニングが起こらない。
■市の職員の一人ひとりがこんなにも市の未来を想っているということに感動した(特にシナリオのノートから)。楽しい未来を見つめるだけでなく、災害などいつ来るかわからない脅威に対しても市民を守ろうとがんばってくれている人々の存在に勇気づけられた。 |
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【オープン・ラボ2010】4日目:ワールド・カフェによるダイアログセッション
タイトル |
ワールド・カフェによるダイアログセッション |
報告レポート |
■サマリー
「今日私たちが学んだこと、大事にしていきたいことは?」という問いをもとに、25日の情報共有とダイアログを統合し、想いを醸成する話し合いを「ワールド・カフェ」形式で実施。
■ ポイント
各テーブルで話し合いが行われる中で、「いったん話し合いで良いと決まっても時間が経つと自分のセクションを守るために戻ってしまう」「裃を脱いでと言うけれど、話し合いの後にまた着てしまう」といった体験談が話されていた。
また、「誰もが知っている状態を事前につくることで、話し合いへの参加の有無にかかわらず取り組みが推進できた」という事例が共有されたり、篠原先生が話されていた『自己内対話』をどう起こすのか」という探究が行われた。
全体共有では、前日までのオープン・ラボでのダイアログの内容があらためて語られたり「行政のことを少し知ると身近に感じた」「企業と行政は似ているんだ」など多くの感想が共有された。
■チェックアウト
社内からは、「4日目ですっきり」「行政と企業は共時性があると感じた」「来年もやると思います」「最後に自分に響くのは相手を受け入れたり、大切にしたりということ」「自分らしくいないと成長できないな」という言葉が出た。
また、お客様からは「方向性がつかめて元気が出ました」「今日1日で、より実践する道筋ができたかな」「普段の仕事で出ない言葉や話を皆さんと交わせて幸せ」「自分も公務員になったら頑張ろうって思っていたことを思い出した」という感想が語られた。
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