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どんな組織にも適合する最適解といった人事制度はありません。組織の特性や状況に合わせて進化し続けるものです。機械的で精緻な制度よりも、理念や哲学が明確で管理者が運用しやすい制度が組織の活力を高めます
評価者研修実施のポイント
1.評価プロセスの質を高める
評価のプロセスにおいては、評価を付ける側面や、社員との面談、評価結果をフィードバックするという局面に焦点が当たりがちな傾向があります。しかし個別のパーツの質を高めるための取り組みを行っても、結局、評価プロセス全体の質を高めるには至らないケースが多くみられます。それは、目標設定や日常での社員との関わり、評価段階付けといった個別のパーツは、それぞれ影響し合っており、個別課題解決の積み重ねでは、いつまでも全体最適に至らないからです。
評価者研修でも同じことがいえます。評価の仕方を学んだり、皆で一般的なケーススタディに取り組んで、評価の観点や甘辛について、周りの人との認識を合わせる学習を行い、正確に評価の仕方を学んでも、結局、現場における評価プロセスの実践とは結びつかないということが起こります。
評価者研修を行う際には、たとえば、その企業や組織が直面する課題にフォーカスするにしても、次にあるような評価プロセスの質を高めるといった視点が不可欠といえます。つまり、マネジメントのプロセス全体の中で評価を位置づけ、全体のプロセスとして整合性を取りながら実践することが重要になります。

2.目指しているマネジメントのあり方、働き方を具体化する
人事評価制度の背景には、必ず実現したいマネジメントのあり方、働き方がセットになっています。目標設定の方法や評価・振り返りの方法の背景にも、必ずその仕組みを通して実現したい仕事の仕方、マネジメントのあり方、社員育成のあり方等があります。評価者研修は、制度の内容や評価の方法について正しい理解を深めるだけではなく、その背景にある仕事の仕方、マネジメントの仕方とセットで伝える必要があります。
たとえば、結果だけを見て評価をしていたのでは、マネジメントプロセスを通じて、改善を行い、業績の向上につなげるといった仕事の仕方、マネジメントの仕方を実現することはできません。そのためには、たとえば、目標設定時にも先行指標を設定するなど、プロセスマネジメントを行う必要があるでしょうか、評価もそれを踏まえた取り組みが不可欠になり、評価者研修でもそれを具体的に実践するための考え方や方法を身につける必要があります。
3.具体的プロセスイメージを明確にする
現場の管理者は、評価プロセスと業績向上や部下の育成を図るためのマネジメントを分けて考えがちな傾向があります。この2つが分離されたままだと、目標設定や評価といった取り組みはどうしても、自分に後から付加された業務だと認識しがちです。
そうなると、正しく理解し、正しい手順で進めることに焦点が当たり、評価を行うこと自体が目的となってしまいます。評価者研修では、評価プロセスの取り組みを業績向上のための具体的プロセスの中に組み入れて、それを活用することが、自分のマネジメントの質を高めることにつながることの実感を得ることが大切になります。そして、評価プロセスについて、「正しく遂行すべきルール」という認識から、「業績向上や社員の育成のためのツール」への認知の転換が図っていきます。
たとえばどの会社にも、個人の目標を設定したり、社員の評価を行うための様式があります。用意されている様式の各パーツは、それぞれそのパーツに記入したり、そのパーツを活用することで、どういった思考や話し合いを促進し、どういった行動を促したいのかの思想、考え方が必ずあります。それが現場のマネジメントの中でリアルに結びつくことによって、評価が現場で活用できるツールになっていきます。


