近年、組織や社会の変革や改善を行うアプローチとして、「ホールシステム・アプローチ」が注目されている。これは、テーマに関係するステークホルダー(影響関係者)全員が一堂に会して話し合い、できるだけ多くの人々が意思決定や施策の検討に参画していくアプローチである。
従来のように、一部の限られたリーダーや識者、権威のある人だけで意思決定や施策の検討を行うことは、一見効率的である。しかし、それでは当事者の意識や主体性は高まるが、周囲のメンバーは、やらされ感に陥ってしまう。そうした背景から、現在では、関係者全員が垣根を越えてオープンな対話を行うことで、合意や施策へのコミットメントを引き出していくことが重要となってきている。
「フューチャーサーチ」は、このホールシステム・アプローチの話し合い手法の1つつである。大変効果の高い手法として、現在、世界各国のさまざまな分野(企業組織や行政、地域コミュニティの開発、紛争の解決など)で活用が進んでいる。