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AIプラクティショナー養成コース

本コースでは、個人や組織の強みと価値を最大限に活かすAIの哲学・理論、メソドロジー(方法論)を体験的に理解し、AIを活用したレディネスやフォローも含めた変革プロセス全体をデザインし、実践する力を育みます。

AIプラクティショナー養成コース概要

アプリシエイティブ・インクワイアリー(Appreciative Inquiry:以下、AI)プラクティショナー養成コースは、組織変革の手法であり、哲学であるAIを今後展開していきたいと思う方にお勧めしたい実践コースです。
本コースでは、AIの背景にある哲学・理論、そしてメソドロジー(方法論)を体験的に理解していただき、AIを活用したレディネスやフォローも含めた変革プロセス全体をご自身でデザインし、現場で実践できるようにするものです。
サーティフィケイト(修了認定)された受講者に提供されるスライド等のデータをご自身で活用し、ファシリテーションできるようになります。

また、2カ月後に開催されるリフクレションセッションでは、お互いの実践や学びを共有し合い、継続的な学習を生み出します。加えて、プラクティショナー同士のネットワークにご参加いただき、相互交流を行っていきます。

本コースの背景・目的

アプリシエイティブ・インクワイアリー(Appreciative Inquiry:以下、AI)は、1987年にディビット・クーパーライダー氏とダイアナ・ウィットニー氏らによって提唱されました。
ヒューマンバリューでは、2004年からAIを組織変革に適応し、これまでに100を超える組織、数万人の方々がAIの場を体験し、変化を生み出しています。

また、AIプラクティショナー養成コースも2008年から始まり、修了したプラクティショナーの方々も150名を超え、クライアントや自組織へAIを適応しています。

VUCA Worldという言葉が象徴するように、社会環境の不確実性と曖昧性・複雑性が当たり前として認識され、未来は予測するものではなく、私たちが想像し、共創造していくものであるというマインドセットが、社会的な文脈となりつつあります。
一方で、不確実性に直面し、課題や問題へのフォーカスが強まり、人と組織のもつ可能性が閉ざされがちな組織も増えています。
とりわけコロナ禍からリモートワークが増え、対面によるコミュニケーションが減少することによって、身体的で集合的な経験学習の機会が減っています。
ポジティブ・アプローチとホールシステム・アプローチであるAI(アプリシエイティブ・インクワイアリー)は、組織の構成員が集い、自分たちの中にある強みや可能性、実現したい未来像をあらためて結晶化する、まさに「共体験の場」であり、AIを適応したことで立ち上がる個人と組織の変化は、かつてないほどのものになっています。
たとえば、ある機械メーカーの部門全員によるAIセッションでは、個人と集団がメンバーの想像を超える変化を生み出し、あたかも過去などなかったかのような新たな「関係の質」「思考の質」「行動の質」を生成し続けています。
もちろん、それはAIセッションのみで生み出されたのではなく、部門の縮図となるメンバーで構成されたデザインチームとの協働によって生み出されたレディネスの形成やプロセスと場、さらにフォローがあってのことでした。

さらに、私たちがサポートさせていただいているクライアントの取り組みでは、超長期の「未来像」を描き、そこから「現実的達成状態」を描き、アクションを生成していくプロセスへと、AIアプローチを進化させています。
このアプローチが人々の内包されていた「主体性」「創造性」「情熱」を解放し、想像を超えるアクションを生成し、変革が継続的に生み出されています。

超長期の未来像から生み出される人々のコミットメント、創造的アクションの可能性を、ぜひ体験していただき、変革プロセスをファシリテーションする変革プラクティショナーとしての実践知を広げていただければと願っています。

プログラムイメージ

1日目

◆オープニング・セッション
 ・AIの背景/理論の概要
 ・ポジティブ心理学、社会構成主義
 ・AIの構造
◆AIセッションの実施(ファシリテーション)
 ・オープニング
 ・AIインタビュー
 ・インタビューの共有
 ・ポジティブコアを明らかにする(オブジェの作成)
 

2日目

◆AIセッションの実施(ファシリテーション)(続き)
 ・長期ビジョンの創造とシェアドビジョン
 ・「現実的達成状態」の創造
 ・アクションの生成方法
 ・クロージングセッション

◆AIの背景/理論の体験的概念化
 ・ポジティブ心理学、社会構成主義の本質的意味
 ・AIの構造
 ・AIの適用と効果・事例

◆AIの準備・プランニング
 ・企画提案の生み出し方

3日目

◆AIの準備・プランニング(続き)
 ・事務局ミーティングの実施方法
 ・事デザインチームの作り方
 ・デザインチームの活動・レディネスの形成方法
 ・アファーマティブ・トピック(テーマ)の選定法
 ・インビテーションカード(招待状)のもたらすもの
 ・インタビューシートの作成法
 ・インタビューシートの事例紹介
◆AIの場づくり
 ・会場選定・レイアウト
 ・必要資材
◆参加者のオープネスを高めるフォローのあり方
 ・初期フォローのポイント
 ・継続と進化を生み出すフォロープロセス
◆クロージング・セッション

AIプラクティショナー養成コース過去参加者の内訳

AIプラクティショナー養成コースにこれまで参加くださった方たち(2008年〜2025年:175人)の内訳です。 企業内プラクティショナーやコンサルタント、学校関係の方など、多様な方たちが学び合い、実践に向けた探究を行っています。

受講者の声

セッションの約1週間後に実施したフォローアンケートより一部引用(2025年)

1週間ほど経ったいま、共に取り組んだAIプラクティショナー養成コースを思い返してみてください。一言で言うとしたら、それは自分自身にとってどんな体験だったと言えるでしょうか? そう感じたきっかけや要因には、どんなことがありましたでしょうか。

「1つの意味や目指したいものを(左脳だけを使いすぎずに)チームで生成する」初めての体験でした。“頭”だけに頼りすぎず、自分の“心”の赴くままに“手”を動かすことで、最終的には納得する形になるのだ!という体験は、ロジカルであることが最も重視された前職とはかなり違う環境でした。

「各人の強みを結集した共通の達成したいゴールイメージの共有」である。そう感じたきっかけや要因は、オブジェ作成と寸劇において、みなが少なくともその瞬間は共通のゴールに向かうことだけを考え、全身を使ってそれを表現することに相互作用や一体感を感じました。

自分自身が組織変革ファシリテーターとして、対話者として、大切にしていきたい原点に立ち返れる時間でした。元々「可能性や価値を大切にし、さらに拓いていきたい」というポジティブアプローチを大切にしたいという気持ちがありながら、ブレてしまう時はありましたが、このコースでの体験やみなさんとの対話の中で、自分の想いを再確認できる時間でした。

AIプラクティショナー養成コースに参加する前と後では、何か変化はありましたでしょうか? それは自分自身の内側の変化かもしれません。また、誰かの言葉を聴いたときの自分の感じ方の違いかもしれません。もしかしたら、自分の想いや大事にしていることに違いが生まれたかもしれませんし、具体的な自分自身の言動や人々とのかかわり合いかもしれません。ささいな変化でも結構ですので、教えていただけますでしょうか。

今の会社で提供している様々なソリューションの根底にある考え方が、心から理解できるようになりました。(以前は、本で読んだ知識からなんとなく頭で理解していただけ)

言葉の使い方に対する感覚でしょうか。社会構成主義の「言葉が世界を創る」をAIプラクティショナー自身がきちんと体現できていることはとても大切だと感じました。

「場や人・組織が本来持つ力や可能性を信じて立ち続ける」「コントロールしようとしない」というスタンスや姿勢は、大きく変わりました。ネガティブな意見にも引っ張られることなく「それをそのまま場に出してみてください」と言える自分がいました。

組織をよりシステムとして(有機的存在として)見れるようになった。どんな会話の中にも「今必要なことが生成されている」と感じられるようになった。自分達の内側から作り上げたアクションには強さがあると確信が持てるようになった。

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