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ワールド・カフェ・プラクティショナー養成コース

本コースでは、オープンな対話からナレッジを創発する「ワールドカフェ」を効果的に行うための原理を、準備や場づくり、問いのあり方、ファシリテーターの姿勢など多様な観点で学び、自身の実践につなげます。

ワールド・カフェからピープルセンタードの世界観を探る

ディスラプティブ(破壊的)と呼ばれる変革の時代において、新たな価値を生み出していく上では、企業が設けた一律の枠組みに人を当てはめていくような「カンパニーセンタード」の世界観での企業経営が限界を迎えようとしています。

働く一人ひとりの能力や個性、人間性を中心に置き、それを解放していく「ピープルセンタード」へと、企業経営のあり方をパラダイムシフトしていくことの重要性が、マネジメントの理論や最先端の実践、そして脳科学の知見などからも明らかになってきています。

今、私たち人と組織に携わるものが向き合っている、最も本質的な命題のひとつが、「ピープルセンタードへの変革をいかに実現するのか」ということにあるのではないでしょうか。

しかし、その問いに答えていくことは、簡単なことではありません。単に仕組みや制度を入れ替えただけでは私たちの行動は変わりませんし、人々の意識を啓発するような研修を行えば済むものでもありません。

ピープルセンタードによる経営や人・組織づくりを本質的に実現していくためには、私たち一人ひとりの根幹にある世界の捉え方や日々の習慣、そしてそれに影響を及ぼす関係性=ソーシャル・キャピタルを育んでいくといった、より本質的な働きかけやカルチャーレベルでの変革が必要となってくるのです。

ワールド・カフェから学べる真髄

そうした深いレベルでの変革を実現する上で、大切になることは多数あると思いますが、その一端を、組織開発の方法論である「ワールド・カフェ」からも学ぶことができると私たちは考えています。

ワールド・カフェは、1995年にアニータ・ブラウンやデイビッド・アイザックらによって生み出されました。20年以上が経過した今、組織開発やコミュニティの創造から、ワークショップや日々のミーティングにいたるところまで、あらゆる場面で活用が進んでいます。

そのように汎用的に活用されている姿は喜ばしい一方で、ワールド・カフェが単なるアイスブレイクの道具や発散的な話し合いの技法のように扱われている状況などを見ると、ワールド・カフェが持つ本来の可能性を活かしきれていないのでは、と感じる場面もあります。

アニータ・ブラウンは、ワールド・カフェでの会話を「価値創造の中核プロセス」と称していますが、そこに埋め込まれた哲学や原理を丁寧に眺めていくと、私たちがピープルセンタードの世界観を体現し、新たな価値を生み出していく上で大切にすべき叡智が実に多くのエッセンスとして埋め込まれていることに気づくのです。

たとえば、ワールド・カフェを通して生み出すホスピタリティにあふれたスペースは、人が交換可能な機能へと還元される機械的な世界から、多様な一人ひとりが唯一無二の存在として認識されるインクルーシブな世界への転換がいかに可能であるかを教えてくれます。

あるいは、会話の中の短いチェックインのようなプラクティスを通して、私たちは一人ひとりがもつWhole Selfを毎日の仕事に持ち込むことができます。

私たちの核に触れる本質的な問いによって、一人ひとりの好奇心や探究心が呼び起こされ、そこからまた新たな問いが立ち上がり、固定化された世界が壊れ、ダイナミックな経験や主体性が呼び起こされます。

ラウンドを繰り返すごとに、テーブルの相互作用が変わる他花受粉のプロセスにおいては、公的な空間において、複数性が擁護される対話の場がどんなものなのかを私たちに体感させてくれます。同時に、そうした多様な個の集まりが、刻一刻と変化、互いに展開し合うことで織りなされる中で、新たな知恵が創発されていくようなタペストリーのような世界観に触れることが可能となります。

そして、会話が終わり、ハーベストに臨む静寂な内省の時間は、私たちに小休止を与え、この小休止が私たちの未来につながるインサイトを育む温床となり得るのです。

こうした1つひとつの哲学を学んでいくことは、ワールド・カフェの細かなテクニック以上に、そこから止揚して、私たちがピープルセンタードな世界観を体現していくためのレバレッジを知覚する力、またそうした環境、場、プロセスをデザインする力を養うことにつながるといえます。

今年のコース開催への想い

ワールド・カフェ・プラクティショナー養成コースでは、ワールド・カフェの基本となる考え方や実践方法について学びながら、原理に基づいた対話のデザインを行えるようにしていきます。そこに加えて、今年は特にピープルセンタードという言葉にこだわりながら、ピープルセンタードに基づいた経営や人・組織づくりのあり方とはどのようなものかを少し広い視点から探求できる場にしていきたいと思います。

ワールド・カフェ・プラクティショナー養成コースとは

近年、企業やNPO、行政体などでは、メンバーが全員参加で話し合う重要性が認識され、多人数でのミーティングが開かれるケースが増えています。その場で全員が話し、問題を共有し、新しい知識やビジョン・解決策を生み出していくための様々なファシリテーション技法や話し合いのプロセスが生み出されてきています。

弊社でもAIやOST、フューチャーサーチなどの考え方や方法を国内で先駆けて紹介して参りました。こういった手法を実践するには、ファシリテーターに原理の理解と運用のための高いスキルが要求されます。また、話し合いにかける時間も1日から3日程度は必要となります。

しかし、企業や行政体などでは、数時間でこういった全員参加のオープンな話し合いを行いたいというニーズがあります。また、特別なスキルがなくても、自分たちで効果的な話し合いを行いたいという希望もあるでしょう。そういった要請にぴったりな方法がワールド・カフェです。

ワールド・カフェは、人々がオープンに会話を行い、自由にネットワークを築くことのできる「カフェ」のような空間からナレッジを創発する話し合いの方法です。米国をはじめ、ヨーロッパやアジアに普及し、ビジネスをはじめとして様々な分野で活用されています。最近では、日本においても関心が高まってきました。

ワールド・カフェは、とてもシンプルで誰でも実践できる話し合いの方法ですが、単なる作業や手順として運営すると、うまくいきません。ワールド・カフェは、人々がお互いに尊重し合い、オープンに話をし、お互いに話を聴く空間を創ることが、背景の原理としてあるからです。

そうした原理は、ちょっとした場づくりや提示の仕方、質問のあり方、ファシリテーターの心の姿勢に表れます。それらが参加メンバーに影響を与え、話し合いの相互作用や効果を左右するのです。

最近、ヒューマンバリューにワールド・カフェの進め方を教えて欲しいというご要望を多数お寄せいただいています。そこでこのたび、ヒューマンバリューでは「ワールド・カフェ・プラクティショナー養成コース」を開催することにいたしました。

このコースでは、ワールド・カフェを実際に体験していただきながら、ワールド・カフェの原理とプロセスのあり方を探究していきます。また、具体的に提示の仕方の違いや場づくりの違いが、どのように参加者の姿勢や相互作用に影響を与えていくかも検討していきます。

こんな方におすすめのコースです

○全員が参加したオープンな話し合いの場を実現したい

○ワールド・カフェの進め方を理解し、自分でファシリテーターを行ってみたい

○ワールド・カフェを実践してみたが、思っていたほどの効果が得られず難しさを感じている

○試行錯誤でやってみたが、本当にこれがワールド・カフェの対話なのか疑問がある

プログラムイメージ

◆ワールド・カフェの可能性
 ・どんな状態が生み出されるのか?
 ・参加した人の変化・生の声
 ・ワールド・カフェの適用と効果・事例

◆ワールド・カフェの方法論
 ・場のセッティング
 ・基本プロセス
 ・ファシリテーションの手順

◆ワールド・カフェで創発を生み出す要因
 ・ワールド・カフェの構造と場づくりの意味の探究
   →相互作用に違いを生み出す要因とは?
 ・7つの原理(ホスピタリティなど)の探究

◆ワールド・カフェの実体験
 ・ワールド・カフェを成功に導く「ファシリテーター(ホスト)のあり方」をワールド・カフェにて探究

◆適応の具体的な進め方
 ・ワールド・カフェの実践プランニング
    →目的の設定
   →参加者の招待
   →探究する質問の創造
   →ファシリテーション・場づくりの準備

◆ワールド・カフェの限界の理解
 ・ワールド・カフェでできること、できないこと、活用できる場面、できない場面を理解する

◆プラクティショナーのフォロープロセスの検討

ワールド・カフェ・プラクティショナー養成コース過去参加者の内訳

ワールド・カフェ・プラクティショナー養成コースにこれまで参加くださった方たち(2009年〜2020年:169人)の内訳です。企業内プラクティショナーやコンサルタント、学校関係の方など、多様な方たちが学び合い、実践に向けた探究を行っています。

受講者の声

セッションの約1週間後に実施したフォローアンケートより一部引用(2018年)

一週間ほど経ったいま、共に取り組んだワールド・カフェ・プラクティショナー養成コースを思い返してみてください。一言で言うとしたら、それは自分自身にとってどんな体験だったと言えるでしょうか? そう感じたきっかけや要因には、どんなことがありましたでしょうか。

シンプルですが、ワールドカフェを芯から理解できました。
実際にやってみることもそうですが、準備から進行にかけて逐一意味を問われる流れになっており人の意見も聞くことができたので、多角的にワールドカフェを学べた気がしています。

プロセス自体は非常にシンプルであるからこそ、なぜ一つひとつのステップがそのようになっているのか意味を問うことに価値がある。それは、ワールドカフェのなかで織り成される一つひとつの会話にも同じことが言える。なぜなのか。AとBはどうつながるのか。つなげてみるとどんなことが起きるだろうか。自分とつなげるとどんな意味が見つかるだろうか。この思考・行動習慣をツールに落とせないか・・・

モヤモヤした体験でした。答えを知りたい、教えてほしい自分にとってやり方ではなくあり方を考えることが出来た貴重な体験でした。それはこの養成コースが答えを出さず自分で考え紙に書き出し話す、他者の話を聞くことでより考えを深める、ことを繰り返し、ワールドカフェの世界観を体験できる講座そのものだったからだと感じます。

いったいどんな学びがあるんだろうか?とワクワクするような体験でした。というのも、川口さんの穏やかな語り口や共に参加する姿勢から、また経験者である参加者の方々からコースに期待する思いを伺って、繰り返し経験する中にも必ずや何か新たな学びがある、という様が伝わってきたからです。

ワールド・カフェ・プラクティショナー養成コースに参加する前と後では、何か変化はありましたでしょうか? それは自分自身の内側の変化かもしれません。また、誰かの言葉を聴いたときの自分の感じ方の違いかもしれません。もしかしたら、自分の想いや大事にしていることに違いが生まれたかもしれませんし、具体的な自分自身の言動や人々とのかかわり合いかもしれません。ささいな変化でも結構ですので、教えていただけますでしょうか。

大切なことは「信頼」であり「相互理解」であることと腹落ちしました。
皆さん、色々なバックグラウンドで意見がそれぞれあり、考え方や発想を知ることができた上、自分自身も他の誰かも他者の意見を咀嚼して理解しようとしてると感じました。具体的に考えて自身の言葉に置き換えている方もいらっしゃいました。

ボトムアップで結論を導き出すためだけの手段の1つと捉えていたのですが、認識が大きく変わりました。
全員が考え、発言することそのものが1つの大きな目的であり、それを促すためのあらゆる工夫が凝らされているものがワールドカフェだと今は認識しています。

自分が発言に加わることにより、主体性やコミットメントが生まれるということをどなたかがおっしゃっていたかと思うのですが、確かにそうだなと感じました。ワールドカフェでなくても、何かしらコミットメントを引き出したいときには、問いを上手に立てて、考えたくなるような導き方が必要で、かといって、強引で恣意的になりすぎないようにすることは、自分にとってチャレンジだと感じました。取り組み中です。

ありのままを大切にしたいという思いが強まりました。個人や組織の本来の姿、自然な様子をさらけ出してもらうためには、やはり安心感が大事であると改めて思いました。そのような場をどのように創り出していくか、考え続けていきたいです。

ワールド・カフェ・プラクティショナー養成コースでのご自身の気づきや学んだこと、得られたことを、一過性のものとして終わらせないために、あなた自身が取り組んでいること、また取り組もうとしているプランやアイデアを教えてください。

学びをまとめ、チームメンバーへの周知をしようと思っています。
その他では実際にワールドカフェを継続的に実施することを通して、自身のワールドカフェプラクティショナーとしての経験を積んで行きます。

活用する文脈としては、学校教育や市民との対話を促す手段として上半期かけて取り組んでみたいと思います。また、自分自身のあり方として、対自分には、人の意見や様々な事象を結びつけ意味を見出す、自分との対話を続けていこうと思いますし、誰かと何かを生み出そうとしている場面においては、問いを一緒に見つけながら、実行することが楽しくなるような思考の深め方を模索してみます。

学んだことを意識して、さっそく先週金曜日にファシリテーションした場に活用してみた。参加者がより主体的なスタンスになったような気がする。

やり方ではなくあり方。場づくりの大切さ。ファシリテーターとして、というより一人の人として自分がどうありたいのか?ワールドカフェや会議、ミーティング時だけでなく自分が存在している場で自分自身がどうありたいのか?を常に意識する。

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