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ストーリーテリング・プラクティショナー養成コース

本コースでは、すべての参加者がストーリーテラーとして関わり合いながら新たな未来やアクションを生み出す「マス・ストーリーテリング」の体験と探求を通し、セッションの前後を含めたデザインを学びます。

ストーリーテリング・プラクティショナー養成コースの概要

マス・ストーリーテリングが求められる背景

ストーリーテリングには2つの側面があります。

1つは、「相手に自分の想いや背景を共感的に伝える」という位置づけのストーリーテリングです。

これは、物語を語ることで、多くの情報を伝えるだけでなく相手の共感を生みだして人々を変革やチャレンジに導こうというものです。ただし、ストーリーの語り手と聴き手という一方向の関係性の中で共感を生み出そうとすると、どうしても語り手のスキルを上げることが重視され、生まれる変化は語り方のスキルに依存することになります。また、語り手と聴き手の関係性の中で共感を生み出すことはできますが、お互いに共感しあう場や関係性を育むことまでにはいたりません。

もう1つは、「お互いに共感しあう関係性を作り、新たな意味を集合的に生み出す」というマス・ストーリーテリングです。

「語り手はプレゼンターではない」という前提で語られる物語は、聴き手のあり方・存在によって変化し、1人ひとりのストーリーを引き出す媒介として機能します。語り手と聴き手が互いの物語を共に探求し合う中で、それぞれの想いや価値が共有され、個人を超えた集合的な文脈やコアバリューが形成されます。そのプロセスを通して、一体感、互いを認め合い共感しあう関係性、個人・集団としてのコアバリュー、未来に向けて足を踏み出す個人・集団の決意やアクションなどが生み出されていきます。このプロセスをヒューマンバリューでは「マス・ストーリーテリング」と名付けました。

変化が激しく、先が見えにくい状況の中、組織変革におけるマス・ストーリーテリングの力はますます重要になっていくと思われます。

ストーリーテリング・プラクティショナー養成コースの目的

本コースは、組織やコミュニティの変革プロセスでストーリーテリングを活用したい方、試みたものの進め方や効果に難しさを感じているコンサルタント、ファシリテーター、変革推進者が対象です。
組織変革における重要手法として、ますます注目を集めているストーリーテリングを変革プロセスで活用・実践できるようにするための実践コースです。

ヒューマンバリューでは、これまで数多くの変革の取り組みにおいて、ストーリーテリングの実践を重ねてきました。本コースでは、その実践的なメソドロジー(方法論)を得ていただきます。
とりわけ、「マス・ストーリーテリング」メソッドを実践していただけるように、コースの中で体験していただきます。
マス・ストーリーテリングは、3名から数千名の規模で実施可能で、時間も1時間から実施できます。そして最も大きな特徴は、すべての参加者がストーリーテラーとして相互に関わり、集合的な意味や情熱・挑戦へのエネルギーが高まり、新たな未来やアクションを生み出すことができることです。

本コースを受講することで、探求の話し合いや体験を通してストーリーテリングの背景にある哲学や理論、テクニックを理解し、ストーリーテリング・セッションの前後を含めたデザインができるようになります。

プログラムイメージ

◆ストーリーとストーリーテリングの理解を深め、適応を探求する
 ・ストーリーとは何か?
 ・ストーリーの持つ3つの可能性
 ・ストーリーの持つ限界
 ・ストーリーテリングとは
 ・ストーリーテリングの可能性と限界
 ・ストーリーテリングの背景にある哲学と理論

◆すべての参加者がストーリーテラーになるマス・ストーリーテリング・メソッド
 ・マス・ストーリーテリング・メソッドの体験
 ・マス・ストーリーテリング・メソッド、何がそこでは起きているのか?
 ・マス・ストーリーテリングを活用するレバレッジは何か?

◆実際の変革プロセスへの活用方法
 ・マス・ストーリーテリング・メソッドを活用するための準備
 ・ストーリーテラーのレディネス
 ・当日の場づくりとポイント
 ・ストーリーテリングを終えてからのフォロープロセスとポイント

ストーリーテリング・プラクティショナー養成コース過去参加者の内訳

ストーリーテリング・プラクティショナー養成コースにこれまで参加くださった方たち(2011年〜2023年:126人)の内訳です。企業内プラクティショナーやコンサルタント、学校関係の方など、多様な方たちが学び合い、実践に向けた探究を行っています。

受講者の声

セッションの1週間後に実施したフォローアンケートより一部引用(2023年)

『ストーリーテリング・プラクティショナー養成コース』を思い返してみてください。一言で言うとしたら、それは自分自身にとってどんな体験だったと言えるでしょうか? そう感じたきっかけや要因には、どんなことがありましたでしょうか。

心地よい時間と空間でした。みなさんと根っこの部分でつながっていて、自分が感じたことを全部言葉にしても、ちゃんと受け止めてもらえるという安心感がありました。

内側から湧き出るものを共有し、共に感じる。という体験だったと思います。通常のプレゼンでは伝わりきらない、柔らかいものが伝わり、意味づけがなされていくというプロセスを体験させてもらえたように思います。

参加者がストーリーテリングを安心して話せるための場作りの重要性に気づきが一番大きかったです。オープニングで安心感づくり、参加者の事前ワークの公開、ストーリーを語るための事前準備、ルール作り、ファシリテーターの関わり方(介入し過ぎず、主体性を引き出す)、クロージング、ガーデナーの関わり方と重要性。

ストーリーテリング・プラクティショナー養成コース』に参加する前と後では、どのような変化はありましたでしょうか? それは自分自身の内側の変化かもしれません。また、誰かの言葉を聴いたときの自分の感じ方の違いかもしれません。もしかしたら、自分の想いや大事にしていることに違いが生まれたかもしれませんし、具体的な自分自身の言動や人々とのかかわり合いかもしれません。ささいな変化でも結構ですので、教えていただけますでしょうか。

ストーリーによって意味を生成し続ける、過去と未来の意味づけは、現在の自分が変わると変わるという点に共感しました。現在の自分を蔑ろにしがちでしたが、今ここにいる自分の状態にも関心を持ち、心身健やかでいる、そのためのメンテナンスは大事だと思いました。

「ストーリーテリング」そのものではありませんが、自分がストーリーを語り、聴いてもらう体験をすることで、改めて私が大切にしていること、大切にしたいことが明確になった気がしています。具体的には「生まれてきてくれてありがとう」を伝えていきたいということです。今度、ライフストーリーを話す機会があるのですが、その中に入れたいメッセージだと思いました。

人が話すことを語り・ストーリーとして観るようになり、語りになるように聴き方や問いを意識している。また、自分が何かを伝える時にも、ロジカルな説明という側面も大切にしつつ、語りとして、皆で共有できる文脈が豊かになるように話している。以前は自分の話をなるべく短く済ませようという意識が無意識に合ったが、伝えたい大切なことを、ストーリーとして共有するために、一連の語りの時間をキープするようになった。

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