株式会社ヒューマンバリュー 阿諏訪 博一、内山 裕介 前章では、今日の人事評価制度をめぐる、変化の潮流を明らかにしました。ビジネス環境に対応するように、今日の人事評価制度のあり方は、パフォーマンス・マネジメントのツールへと変化しています。 本章では、実際に自社の人事評価制度改革に取り組むプロセスについて、大切になるポイントを解説します。 変化の潮流は参考になる一方、人事評価制度はOne size fits oneと言われるように、企業によって、実現したいマネジメントや仕組みは異なるものです。自社の実現したいマネジメントに適した人事評価制度を構想するには、どのように検討を進めるとよいでしょうか。 また、設計された人事評価制度はあくまでツールであり、それ自体が変化を生み出すわけではありません。新たな仕組みを形骸化させることなく、現場での運用を通して実現したい状態への変革につなげるには、どのように取り組みを進めることが大切でしょうか。 そこで本章では、変革を具現化するアプローチとして、押さえたい5つの観点をご紹介していきます。 1. 3層の整合性を図る 2. 人組織の課題を構造的に捉えてアプローチする 3. 他施策とのコヒーレンスを高める 4. ピープルセンタードのパラダイムで、共創的に変革を進める 5. 対話を通じた生成的アプローチをとる
インサイトレポート
そのときどきのトピックについて、ヒューマンバリューのメンバーがまとめた雑誌掲載記事などの考察をご覧いただけます。
2025.01.28インサイトレポート
変革を具現化するアプローチ ―人事評価制度を通じて、変革をどのように具現化するか(Chapter 3)
2022.10.28組織開発
コラム:ピープル・センタードの人事・経営に向き合う5つの「問い」
株式会社ヒューマンバリュー 取締役主任研究員 川口 大輔 「人」を中心に置いた経営へのシフトが加速しています。パーパス経営、人的資本経営、人的情報開示、ESG経営、エンゲージメント、ウェルビーイング、D&I、リスキリングなど様々なキーワードが飛び交う中、こうした動きを一過性のブームやトレンドではなく、本質的な取り組みや価値の創出につなげていくために、私たちは何を大切にしていく必要があるでしょうか? 学習する組織の考え方やU理論にも大きな影響を与えた元ハノーバー保険CEOのビル・オブライエン氏は、「ある介入策が成功するかどうかは、その介入者の内面の状態にかかっている」と述べ、どんな施策を行うにしても、その施策に私たちがどういう姿勢や在り方で向き合うかによって、起こる結果が大きく変わることを示唆しています 本コラムでは、人を中心に置いた(ピープル・センタード)人事・経営を目指す上ではまりがちな課題を整理しつつ、私たちがどんな姿勢を大切にしていくのが望ましいのかを「5つの問い」を設定して考察してみました。