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エージェンシー

「エージェンシー」という言葉は、最近、社会学や哲学、教育の分野で取り上げられている概念ですが、ヒューマンバリューでは、この概念は、組織にアジャイルな振る舞いを獲得する際にもキーとなるものだと考えています。

私たちは、「エージェンシー」を、組織にアジャイルを獲得するために必要な人や組織の能力として、「周囲の変化を捉え、より良くなるように、自らの価値観や考えにもとづいた目的意識を持って、責任ある行動をし、周囲との相互作用を通して価値を生み出していくこと」と定義しました。

この定義は、主体性の概念、つまり「行動する際、自分の意志や判断に基づいて自覚的であること。また、そういう態度や性格を言う」(日本国語大辞典)に対し、自らの価値観や目的意識、あるいは、周囲との相互作用を前提とすることを加えたような考え方です。

ヒューマンバリューでは、「エージェンシー」を、組織の価値創出と、人々のウェルビーイングの双方を高める概念であると捉えており、複雑な課題にアジャイルに対応していくためには、人や組織のエージェンシーを醸成し、働く一人ひとりの経験や知見を十分に生かし合えるような、組織のあり方や人々の関係性を育んでいくことが大切だと考えています。

なお、社会学や哲学、教育の分野で取り上げられている「エージェンシー」の概念は、下記のようになっています。

社会学や哲学では、たとえば、インドの経済学者・哲学者であるアマルティア・セン氏が、著書の『不平等の再検討―潜在能力と自由』(1999年)の中で使用しています。そこでは、エージェンシーの達成を、「その人が考えている目標や価値の全体を成し遂げること」「その人が追求する理由があると考える目標や価値ならば、それがその人自身の福祉に直接結びついているかどうかに関わらず、それを実現していくこと」としています。

また、教育の分野では、"OECD Future of Education Skills 2030"において、エージェンシーは、「私たちが実現したい未来」を実現するために、生徒達が高める必要のある能力として挙げられており、「変化を起こすために、自分で目標を設定し、振り返り、責任をもって行動する能力」と定義されています。

また、エージェンシーは、周囲との相互作用の中で育まれていくことが書かれています。それは、「共同エージェンシー」と呼ばれ、「生徒、親、友人、教師が、教育経験を通じて、自分たちの発達を双方向的に共同して律すること」(白井俊著『OECD Education2030プロジェクトが描く教育の未来:エージェンシー、資質・能力とカリキュラム』)と、定義されています。

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