「フィードバック」という言葉を聞くと、年に1回の評価面談で、うまくいかなかったことや改善点を指摘されて傷ついたことなど、「フィードバック」にまつわる苦い経験を思い出す人も多いのではないでしょうか。しかし、立ち止まってフィードバックの本来の価値について考えてみると、フィードバックとはむしろ、自分自身や他者が成長し、組織のパフォーマンスを高めていくために重要なものであることに気がつきます。

本書はフィードバックの定義を新しく捉え直し、フィードバックによって人々に勇気を与え、一人ひとりの可能性を解放するための、実践的なガイドです。

本書では主に下記の内容が扱われています。

• ・なぜフィードバックが行われる際には、身体的・感情的な負の反応が現れてしまうのか。また、どのようにしたら、そうした反応を最小限に抑えることができるのか
• ・一人ひとりの成長や支援につながる、公平で効果的な「フィードバック」を実現する方法
• ・フィードバックにおける3つの役割とそのあり方：「シーカー（求める人）」「レシーバー（受け取る人）」「エクステンダー（提供する人）」

また、著者はフィードバックが正しく、公平かつ効果的に行われることで、職場内に「つながり」や「信頼」を育み、職場で互いの成長を支援する「フィードバック・カルチャー」を生み出すことができると述べています。フィードバックを捉え直すこの取り組みは、一人でも始めることができますが、本書では、それを職場で広げていくためのヒントも得ることができます。