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ポジティブ・アプローチ

ポジィティブ・アプローチとは、組織や人の強みや価値に焦点を当てて、その強みの連携を生み出すことで、より高い成果を生み出したり、人々の夢や組織のありたい姿を描くことから目的・目標・アクションプランを導き出すアプローチを指します。 一方で、従来のコンサルティングや、診断型組織開発で採用されていたような、組織の欠陥や弱みに注目し、それを解決したり打開したりするという問題解決手法はギャップ・アプローチと呼ばれています。

問題解決に適したギャップ・アプローチ

従来の組織変革や改善のアプローチは、一般的にギャップ・アプローチが取られていました。米国では「デフィシット・ベースト・アプローチ」とも呼ばれています。
これは、あらかじめ設定された基準と現状とのギャップに焦点を当てて、それを問題として特定し、修正や改善を図るというものです。問題に対しその原因を探っていくために、原因となる要素に還元し、それぞれの機能を分析し、最後に最適解というものを導き出す方法です。ビジネスパーソンの方には、たいへんなじみ深いものではないでしょうか。

価値と強みを認め、それを伸ばすことで成果を高める

 「ポジティブ・アプローチ」

こういったギャップ・アプローチは、機械の不具合を修正したり問題解決を図る際には現在も有効なものです。しかし、環境変化が激しく、複雑性が増しす中で、あらかじめ最適解を導き出したり、問題解決の手立てを準備しておくのが難しいケースが増える中、別のアプローチが求められ始めました。こういった時代に、ギャップ・アプローチで組織変革や改善を人々に迫ると、目的や方法に納得感がなく、また結果がうまく出ないためにやらされ感が出てきて、組織のメンバーを疲弊させるとともに、組織の持続的成長を維持することができなくなります。

「不足」に注目するギャップ・アプローチに対し、ポジティブ・アプローチでは、組織や人の「価値」や「強み」に焦点を当てています。階層や組織の垣根を越え、異質の主体的な人々が集まり、平等な関係で話を聴き合い、より次元の高い共通の目的を生み出すことで、異なる人々や組織間の相互作用が起きる場を形成し、個人の総和を越えた新しい価値を生成します。また、ポジティブ・アプローチで生成されるアクションプランは、最適解である必要はなく、近似解であればよいのも、1つの特徴でしょう。


大切なことは、自らが主体的に生み出したアクションプランを素早く仮説検証し、よりよい価値を生成し続けるプロセスをつくることです。これは、現在注目を集めるラーニング・アジリティにも通ずるアプローチといえます。