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ホールシステム・アプローチ

最近では、関わる人々が一堂に集まり話し合いを行うことでさまざまな問題解決につなげる取り組みが、組織やコミュニティなどで多く見られるようになりました。そうした取り組みのベースにある考えとして、ホール・システムアプローチがあります。

ホールシステム・アプローチ

ホールシステム・アプローチは、特定の課題やテーマに関わるすべてのステークホルダー、またはその代表者たちが一堂に集まって話し合い、全体の文脈を共有しながら、創造的な意思決定やアクションプランを生成する方法論の総称です。組織の上下や横の垣根を取り払い、全員で話し合いを行うことで、組織の文化を変え、未来に向けた変革を行う、ダイナミックでエネルギーに満ちた取り組みともいえるでしょう。

問題が複雑になっており、変化のスピードが速い時代では、一部の人が全体を把握し、的確な指示を全体に迅速に伝えることが難しくなっています。経営層などトップの一部の人が考えた目的や施策によって組織全体を動かそうとすると、やらされ感も高まっていってしまいます。

ホールシステム・アプローチの効果

・組織の全員が話し、全員が話を聴くことで、組織全体の一体感を高め、共通の価値観を
 得ることができる

・すべてのステークホルダーが情報をオープンにすることにより、全体のシステムを一度に
 把握することができる

・変化に呼応した迅速かつタイムリーな意思決定ができ、細かい指示やコントロールなしに、
 自律的な問題解決や創造的アクションが可能となる

クロスファンクショナルチームとの違い

経営層によるトップダウンではない別の方法として、組織の垣根を越えて横串を通すクロスファンクショナルチームという形を取る組織もあるのではないでしょうか。このチームで問題解決に取り組み、施策を生み出していくと、チームに参加したメンバーの主体性が高まり、良いアイデアが生み出されたりします。その一方で、そういったアイデアも、組織の別のメンバーたちに「投げ」たり「降ろし」たりしていくようになると、やはりやらされ感は生まれてしまいます。

ホールシステムをつくるときのポイント

マイクロコズモ(Microcosm/小宇宙)をつくること

マイクロコズモとは、各ステークホルダー、各システムを代表する人々の集合体(組織)のことを指しています。「ホールシステム」といっても、完全に全員を集めるということが難しいこともあります。そのようなときには、できる限り「ホールシステム」に近い割合で、多様な人が参加できるような働きかけや工夫が大切です。そして、適切なマイクロコズモが設定できれば、そこからさらに全体に広げていくことも可能になります。

場とプロセスの準備

しかし、単に一堂に会して話し合っても、ホールシステムのアプローチがうまくいくとは限りません。ヒエラルキー色が強かったり、官僚的・形式的な話し合いの経験ばかりを積んできた組織において、オープンで、誰かにコントロールされなくとも主体的に話し合いを行うような場を実現するためには、それだけの場とプロセスの準備(プロセス・ガーデニング)が必要です。
特に大切なのは、個別の技法・テクニックというより、背景にある思想の理解です。ポジティブ・アプローチに基づいた場とプロセスの設計が鍵になります。

ボトムアップのアプローチを取る際に起こりがちなこと

ボトムアップで施策を出す際には、現場で考えたことを上位層に上げ、承認を得るというプロセスに、大変なエネルギーが必要とされることが多いでしょう。経営層に向けた言葉にアイデアを翻訳し直す必要もあるでしょうし、そもそも斬新なアイデアはうまくいく確証を誰ももっていないため、経営層がリスクを減らすことに重きを置きすぎていると、アイディアが実行されないということもあります。顧客に向けるエネルギーが社内向けに割かれる、というのは、よくあることかもしれません。しかしそうすると、よその企業が実行してうまくいったことしか提案されない、という組織の文化が形成されていってしまいます。
ボトムアップのアプローチが機能するためには、未来が見えないなか、適応解で試行錯誤を行っていくこと、小さな失敗を許容しそれを繰り返す中でより良い形を探っていくのだというプロセスを理解しておく必要があります。

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