Online Learning

Online Learning 2002の全体的な傾向

昨年からの景気の後退を受け、米国のEラーニング業界も大きな変遷を見せている。そこで、ここでは、今回のカンファレンス全体を通して見受けられた傾向を、昨年ロサンゼルスで行われたOnline Learning2001と比較しながら紹介し、Eラーニングの現状と今後の動向を、見ていきたいと思う。

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1.米国Eラーニングの現状

昨年:Tipping Point → 今年:Survival is not Enough

1.1カンファレンス規模の縮小

昨年行われたOnline Learning2001では、基調講演に”Tipping Point”の著者マルコム・グラッドウェル氏を招待することにより、Eラーニングが既に”Tipping Point”を通過し、急激に世界に浸透しつつあるというメッセージを発信していた。(Tipping Pointとは、ある考えや行動、メッセージや製品などが感染症のように一気に広がる瞬間のことをいう)

その後米国のEラーニングは順調に浸透するかに見えたが、実際のところは、景気 の悪化の影響を受け、当初予想されていたような華々しい展開には至らず、業界自体が停滞しているのが現状である。 Online Learningコンファレンスの規模自体も縮小している。図1に示した参加者の推移を見ると、参加者の数は、2000年をピークに減少してきている。昨年はテロの影響で、当初7500名の参加者が見込まれていたものが、4500人に減少したのだが、その落ち込みは、2002年になっても回復していない。EXPOに出展している企業の数も昨年の250から今年は150余りにまで落ち込み、ブースでの売り込みにも勢いを感じることができなかった。

1.2マーケットの縮小

Eラーニングマーケットの厳しさを訴えるBrandon Hall

コンファレンスの規模の縮小が象徴しているように、実際のEラーニングのマーケットも落ち込んでいる。基調講演でのインダストリー・レポートの発表において、Brandon Hallは、「景気の悪化によりNASDAQの株価が30%落ち込む中、上場しているEラーニングベンダーの株価は51%落ち込んでおり、全体よりも低い値を示している。

また、Business and Company Resource Centerのデータベースによると、ビジネスの世界でEラーニングという言葉が引用された数は2001年の3000件から2002年の1800件に減少している。」と述べ、業界の厳しさを物語った。昨年のインダストリー・レポートは未来へ向けての発言が多かったが、今年はおおむね現状の厳しさを認識しようという発言に終始していた。

1.3 ERPベンダーの参入

そのような状況の中、Eラーニングマーケットに、新たにSAP、PeopleSoft、Siebel Systemsなど大手ERPベンダーが参入し始めており、今後ますますベンダー間の競争が厳しくなり、淘汰が進むものと予想される。昨年の基調講演では、「今後はEラーニングからE-HRMへの移行が進む」との発言があり、Eラーニング業界から、他のシステムへの統合を目指した動きが模索されていたが、逆にERPベンダーが、Eラーニング業界に進出し始めたことで、Eラーニングベンダーは苦境に立たされているのが現況のようである。

ERPベンダーが集うセッションには大きな関心が集まった

コンファレンスの中でも、”Gorillas in the Mist(霧の中のゴリラ)”というタイトルのセッションの中で、「Eラーニング業界に攻め込んできたゴリラ」と称されたERPベンダーが、今後どういったサービスの展開を見せるのかに注目が集まっていた。PeopleSoftのBrandon Lee氏は、「今後Eラーニングの業界地図は塗り替えられる。Enterprise-Learningのシェアの多くはERPベンダーが握ることになり、Eラーニングのベンダーは2~3に統合されるのではないか。」との強気の発言をしていた。今後ERPベンダーの動向は、Eラーニングマーケットの行方を左右することになるだろう。

1.4進まないEnterprise-wideのソリューションの導入

上述したように、昨年のコンファレンスでは「今後はEラーニングからE-HRMへの移行が進む」との予想が示されていた。
またウォールストリートの分析によると、2002年のキーワードのひとつを、”Enterprise-wideソリューション”としており、Eラーニングの全社規模での大型導入が進むものと思われていた。しかしながら、実際の今年の傾向としてはBrandon Hallの基調講演での発言にあるように、

景気の良いときは、経営陣からのサポートも多かったが、現在は経営陣はEラーニングについて聞きたくなくなっている。

そのような理由からEnterprise-wideのソリューションの数が増えず、部門単位での(例えば、セールス部門、マーケティング部門といった)投資が増えている。

というような状態である。

このような現状に加えて、上述したようにERPベンダーがEラーニングマーケットに参入し始めていることから、Eラーニングベンダーの中には、部門単位での導入に特化したサービスにフォーカスしているところも出てきている。

LeadingWay社CEOのJames Li氏は

Enterprise-wideのソリューションは、導入までに時間がかかる。LeadingWay社のソリューションは、部門単位の小規模で行う形態が多いので、素早く効果を出せる

と、同社のソリューションの機動力の高さを訴えていた。

また、EXPOの会場では、4社のベンダーがそれぞれのサービスのよさを競うShootoutと呼ばれるイベントが行われていたが、このイベントのひとつのテーマに、「LMSの中小規模導入の迅速さ」を競わせるものがあり、顧客層を大企業の1部門や中小企業まで広げようとする努力が垣間見られた。

しかしながら、そうはいってもやはり今後Eラーニングベンダーが大きな利益をあげるためには、規模の大きなEnterprise-wideのソリューションの契約を取ることが必要不可欠となってくる。そこで、今年度より、ブレークアウトセッションに新たに”Enterprise-Learning”というトラックが設けられ、Enterprise-Learningとは何なのか、どのような利点があるのか、導入にはどういったことが必要であるのか、といったことを訴え、ユーザーの理解を促していた。

1.5ビジネスインパクトへのフォーカス

また、厳しい経済状況を反映して、ユーザー企業内では、Eラーニングに対して、よりビジネスインパクトが求められている。基調講演においてBrandon Hallは、以下のようにコメントしている。

内部予算をとるためには、そのコースがビジネスインパクトにどれくらいの影響を及ぼすかの基準を明確にすることが不可欠となってきている。


そのような背景からか、各部門の予算が少なくEラーニングにトレーニング部門ですらなかなか投資できない状態において、セールス部門とマーケティング部門だけは、コンテンツやインフラに投資をしている。産業の中では、製薬、ファイナンス、政府関連はEラーニングへの投資が多い。

また、EラーニングアナリストのClark Aldrichは

バイヤーとの契約に関する交渉は厳しさを増している。
ベンダーはパフォーマンスにまで責任を持つ必要が出てきている

とコメントし、顧客との契約状況の厳しさを訴えていた。

1.6サバイバルへ向けての取り組み

ここまで米国のEラーニング業界の厳しさについて述べてきたが、そのような状況においても、カンファレンスの中では、サバイバルに向けて様々な取り組みが行われていた。 今年のコンファレンスの1つの特徴として、ユーザーの啓発と教育をより図っていこうという試みが多くなされていた。

Face to Face Conversationに集う参加者たち。ユーザー同士のコミュニティが形成されていた。

“e-Learning”の著者Rosenberg氏は、インタビューの中で、「Eラーニング業界が、他のビジネスよりもいっそう深刻な不況に入っている1つの原因は、Eラーニングが多大な投資を必要とするため、ユーザーが導入に尻込みしていることが挙げられる。そこで、ベンダーはユーザーをもっと教育しなければならない」として、ユーザー教育の必要性を訴えていた。コンファレンスの中での具体的なユーザー教育の取り組みとしては、以下のようなものが行われていた。

・ ブレークアウト・セッションの中に”How to Buy”というトラックを設けて、Eラーニングソリューションを導入する際のノウハウをベンダー側からユーザーに伝えていた。

・ ブレークアウト・セッションの中に”Enterprise-Learning”というトラックを設けて、Enterprise-Learningとは何なのか、どのような利点があるのか、導入にはどういったことが必要であるのか、といったことを訴え、ユーザーの理解を促していた。

・ Online Learning Certificate Programと呼ばれるセッションにおいては、それぞれEラーニング初心者、Eラーニングのマネージャー、インストラクショナル・デザイナー向けに、研修スタイルで講義が行われ、ユーザーのナレッジを高めようとしていた。

・ “Case Study”のトラックでは、1つの部屋にEラーニングで高い成果を上げたユーザーが3~4企業集められ、30分交代でそれぞれのユーザーから、事例を通して実際の導入におけるノウハウを聞くというスタイルがとられていた。

・ セッション終了後も、別部屋で、”Face to Face Conversations with Users”というセッションが設けられ、軽食を取りながら、ユーザーが事例を聞き、コミュニティを作ることができる場が設けられていた。

ユーザー教育以外にも、今年度はEラーニング・サプライヤー・サミットというものが開催され、各ベンダーが、これまでの取り組みの反省を行うとともに、業界で団結してEラーニングのさらなる普及を図っていこうという動きが見られた。 このように、厳しい状況の中にあっても、生き残りをかけて様々な取り組みがコンファレンスを通してなされていた。

“Survival is not enough”の著者、 Seth Godinによる基調講演

今年度のコンファレンスのクロージングの基調講演は、Seth Godinであったが、彼の最近の著作のタイトルは、”Survival is not enough”である。
Eラーニングとは直接関係のない彼を基調講演に招いたことは、コンファレンス議長のGloria Geryから、厳しい状況にあるEラーニング業界に向けてのメッセージであったようにも思えた。

2.インストラクショナル・デザイン(ID)の方向性

昨年:新しいIDの必要性 → 今年:新しいIDへの模索

昨年のコンファレンスでは、インストラクショナル・デザイン(以下IDとする)も大きなテーマとして取り上げられ、その中では、「これまでのIDはうまくいっておらず、今後は新しいIDが必要となってくるであろう」という指摘がなされていた。 この指摘にあるような「これまでのIDがうまくいっていない」ということについては、以下の2通りの解釈があるように思える。

1)これまで集合教育や紙教材を作るときに使ってきたIDがEラーニングに置き換えると通用しない
2)そもそも旧来のID自体が時代の変化にそぐわない

今年のコンファレンスでは、これらの問題に対して、2つの方向性が垣間見られたので、以下に紹介する。

2.1旧来のIDの枠組みの中で、コンテンツの「品質」及び「制作効率」を高める

これまでのIDの課題として、集合教育や紙教材を作るときに使ってきたIDがEラーニングに置き換えると通用しないということが挙げられると述べた。
この原因としては、

1)コンテンツの品質が悪く、受講者がモチベーションを失い履修率が低い
2)時代の変化が激しく、適切なコンテンツを受講者に届けるまでの制作効率をますます高めないといけない

という2点が挙げられる。これら2点に対して、コンファレンスの中でもいろいろな模索がみられたので、以下に示すことにする。

1)魅力ある高品質なコンテンツ制作への模索

・マルチメディア性、ゲーム性の高いコンテンツ作り

Eラーニングが広まった当初は、紙教材をそのままEラーニング化した、いわゆるページめくり形式のコンテンツが氾濫した。しかし、自律的な学習が求められるEラーニングにおいては、それでは受講者がモチベートされず、結果として高いドロップアウト率を生んでしまっていた。そこで、マルチメディア性やゲーム性の高い楽しく学習できるコンテンツを作って受講者を飽きさせないようにすることに力が注がれ始めた。

E-learning Awardsで表彰されていたコンテンツ (コンテンツはますますゲーム性の高いものに)

このような背景から、米国で一般的に評価されるコンテンツには、ますますゲーム的な要素が含まれるようになってきた。Brandon-hall.comが主催する2002 Excellence in E-learning Awardsにおいても、表彰されているコンテンツのほとんどは、ゲーム感覚で楽しく学習を進められるものがほとんどであった。マルチメディア性の高いコンテンツの制作で評価の高いAllen Interactions社CEOのMichael Allen氏は、コンテンツに必要な要素を”M&M (Meaningful & Memorable)”として、インパクトのあるコンテンツ作りの必要性を訴えていた。

・Streaming Mediaへの着目

こういった背景から、今回のコンファレンスでは、セッションのトラックのひとつに、”Streaming Media”というカテゴリーが設けられ、high-visualでgraphic intensiveなコンテンツ作りを以下にテクノロジーでサポートするかということに注目が置かれた。セッションの中では、FlashやQuickTimeでいかにEラーニングをFunなものにするかといったことが討議されており、受講者の関心も非常に高かった。

・シミュレーションへの着目

同様に、今回のコンファレンスでは、セッションのトラックのひとつに、”Simulations”というカテゴリーが設けられていた。昨年のコンファレンスから、新しいIDのひとつのあり方としてシミュレーションへの関心がユーザー、ベンダーともに高まっている。今年もシミュレーションを扱ったセッションには、多くの受講者が押しかけていており、コンテンツを魅力あるものにするためのひとつの手段として、注目を浴びていた。

ここまで示してきたような傾向は、アメリカの集合教育がたどってきた道を反映している。ブルーワーカー的なトレーニングの需要が以前から高かった米国においては、集合教育においても、いかに受講者を楽しませて飽きさせないかというのが大きな課題となってきた。そこで、Adult Learningというテーマで、研修中に受講者にお菓子を投げたり、ゲームをさせたりということが、真剣に議論されてきた。それと同じようなことがEラーニングの世界でも起きていると考えられる。

2)コンテンツ制作プロセスの効率化と学習効果の向上への模索

・RLOへの取り組み

これまでのIDの別の問題として、ひとつのコンテンツを作るのに時間がかかりすぎる、あるいは作ったコンテンツの品質にムラがあるなどの問題点を含んでいた。そのような問題に対する対応策として、数年前より、RLO(Reusable Learning Object:再利用可能な学習オブジェクト)の手法論を広めようと多くのインストラクショナル・デザイナーたちが提唱している。

RLOの基本概念とは、

コンテンツを、学習を構成する情報群の基本単位である章、項、節でオブジェクト化し、メタデータをつけてデータベース上で管理し、受講者のニーズに合わせて再利用することで適切な教材構成を行う

というように説明できる。

今回のコンファレンスでもRLOに関するセッションの数は多かった。その際、議論の焦点はラーニング・オブジェクトをいかに適切に構成するかという点にあてられ、学習する内容を客観主義的な学習理論に基づいて厳密に定義し、誰が作っても素早く、同等の品質が得られるような、効率的な方法論の確立を目指していた。セッションの中では特に、RLO先進企業としてシスコ社のモデルが紹介されていた。

しかしながら、受講者の中には、「RLOって本当に使えるの?」という疑問を持っている人も多いらしく、インストラクショナル・デザイナーの思惑通りにRLOの活用が浸透しているとはいえないようであった。

2.2継続的な学習の場作りとしての新しいIDへの移行

ここまで、セッションの中で垣間見られたIDに関する取り組みを紹介してきたが、ここまでのものは、あくまで旧来の客観主義的なIDの枠組みの中で、いかにより品質の高いコンテンツを作るかという考えをベースに持っているように思われる。そのような枠組みで試行錯誤を繰り返している中で、「そもそもこれまでの”インストラクション”や”コンテンツ作り”にフォーカスしすぎたIDの考え方では、この変化の激しい環境に対応できないのではないか?」という意見が出てきた。今年のコンファレンスにおいても、この問題に対して、随所に様々な意見や取り組みが紹介されていたので、以下に示すことにする。

インストラクションからの脱却

Gloria Geryの基調講演では「我々は”教える”という古いデフォルトから脱却して、学習者がどのように学び、どのようにパフォーマンスをあげるのかを見直さなければいけない」とし、パフォーマンスを向上させる戦略に必要な要素として、以下の4つを掲げていた。

・Doing
・Referencing
・Learning
・Collaborating

そして、これらが行われるサイクルを示し、学習者がこのラーニング/パフォーマンス・サイクルの中で自律的に学習を行い、パフォーマンスを向上させていく環境を整えていくことが、今後必要になってくると述べていた。

このサイクルの中では、「インストラクション」は「Learning」の一部分にしか過ぎない。よって旧来のIDはこの一部分の最適化を図ることに多大なエネルギーを費やしていることになり、今後のインストラクショナル・デザインは、インストラクションやコンテンツという枠組みを超えた、継続的な学習サイクル全体を設計することが重要であるとわかる。

また、グロリア・ゲーリーは、昨年のコンファレンスではインフラストラクチャーの切り口から、ラーニング・アーキテクチャの必要性を訴えていたが、今回は、学習サイクルという切り口から自説を展開していたところも興味深かった。

社会的構成主義的学習とコミュニティ

また、今回は基調講演に元ゼロックスのチーフ・サイエンティストのJohn Seely Brownが招かれ、”Community of Practice”の重要性を訴えていたのも印象的だった。同氏は講演の中で、「知識は物質的なもので、人から人へと移行が可能である」という考えを否定し、「知識は社会的相互作用を通して構成されていくものである」という考えのもと、Communityの重要性を訴え、そのCommunity活動を助ける手段としてテクノロジーがあると述べていた。

Seely BrownはCommunities of Practiceの重要性を訴えた

同コンファレンスはどちらかというとベンダー主導で進められており、昨年のコンファレンスでは、あまりコミュニティについては取り上げられていなかったが、今年のコンファレンスでは、基調講演において大々的に重要性が訴えられたことに、ラーニングに関する考え方への変化を感じた。

ブレンデッド・ラーニングの浸透

こういった考え方が反映されてか、企業の事例紹介は、ほとんどがブレンデッド・ラーニング関するものであった。ブレンデッド・ラーニングの切り口も、コンセプトが登場した当初は、学習の媒体(ウェブ、教室、CD-ROMなど)という側面で切ったり、学習アクティビティ(WBT、集合教育、コミュニティなど)という側面で切ったりと、様々なものがあった。

しかし、本コンファレンスくらいから、Gloria Geryの示したようなラーニング・サイクルを継続的にサポートしていくためのブレンドという考え方が一般的になってきたような印象を受けた。

こういったブレンデッドな事例紹介の増加に伴って、当然ながら、昨年のASTDあたりまで多かった、「Eラーニングを導入して、コストいくら削減」ということを掲げた事例は少なくなった感がある。IBMのTony O’Driscol氏は、

フォーマルなトレーニングがコーポレートの予算に占める割合は1~2%である。
この部分にテクノロジーを活用して、そのうちの50%の予算を削減することよりも、テクノロジーの活用領域をインフォーマルな部分にまで広げ、インフォーマルなラーニングを促進することのほうが重要である。

と述べ、フォーマル、及びインフォーマルなラーニングの両方をカバーするブレンデッド・ラーニングの重要性を訴えていた。

3.米国における新しいIDの構築に対する取り組みの総括

これまで、米国で新しいIDに関して、様々な議論や取り組みがなされていることを述べた。これらを総括すると、これまでのIDが通用せず、明確な解答がない混乱した状況の中で、インストラクショナル・デザイナーたちが活路を見出そうと、旧来の枠組みの中でのシングルループ学習と、新しいIDの枠組み獲得へ向けてのダブルループ学習が入り乱れて、様々な試行がなされている状態であるといえる。

これらの取り組みが進み、成果が検証されることにより、集合教育の代替やコスト削減のツールではなく、真の意味で学習性を高めるためのラーニング・プラットフォームとしてのEラーニングのあり方が見えてくるものと思われる。

私たちは人・組織・社会によりそいながらより良い社会を実現するための研究活動、人や企業文化の変革支援を行っています。

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