Eラーニング

現実世界でEラーニングコースウェア-公認基準を適用する

カンファレンスセッションの紹介:ASTD2002年
オンライン学習への道は、コストの超過や期限の無視、約束の不履行、そして落胆した生徒によって固められてきた。我々は、効果のないコースの大海の中で溺れている我々を誰かが救ってくれたらと、どれほど期待したことか。今年、ASTD公認協会は大胆なステップを踏み出した。今や全てのコース販売会社は、彼らのコースウェアが業界のベストであると証明する機会を与えられた。ここにきて、いかにEラーニング公認プロセスが構造化され、それがEラーニングコースウェアの消費者に何の利得を与えるか学ぼう。

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主要トラック:Conference-within-Conference

講演者はインターフェイスのデザインや互換性、製品品質と学習指導デザイン等を網羅し、そしてその基準がいかに客観的な方法でこれらの問題を評価しているかを解説する。あなたは公認されたコースの見本や、それらの模範となる特徴を見ることができるでしょう。

概要(参加者の人数など)

200人程度収容できる会場の半分くらいが埋まっていた。参加者の多くはコンテンツベンダーであり、公認基準に関する質問が多く飛び交っていた。

内容

●E-learning Courseware Certification(ECC)
2002年の1月より発行開始。これまでに約30のコースウェアが認定を受けた。これまでEラーニングはSCORMやAICCのように技術面での標準は存在したが、コンテンツの品質に関してはなかったため、ASTDが公認証を発行することになった。

ECCの目的

・Eラーニングのコースウェアの品質向上
・トレーナーが購買を決断する支援
・コンテンツサプライヤーが開発する際の指標

ECCの概要

汎用コンテンツで非同期型、ウェブベースコースを対象とする。

ただし、これはあくまでスモールスタートであって、今後さらにECCを与える枠を広げていきたいと考えている

ECC取得の利点

・ASTDに公認されたというロゴをもらえ、宣伝効果がある。
・ASTDのコンファレンスで認識される。
・ASTDが発行する様々なメディアに載ることができる。
・データベースに載り、検索できるようになる。
・競争力がつく。

ECCの構成

全部で19のスタンダードからなる

■インターフェイス(5スタンダード)
・絶対必要なナビゲーション機能
・付加的なナビゲーション機能
・オリエンテーションのディスプレイ
・トラッキング = オペレーショナルサポート

■コンパティビリティ(4スタンダード)
・セットアップ
・インストール
・アンインストール
・Subsequent Launching

■プロダクション・クオリティ(2スタンダード)
・テキストやグラフの見やすさ
・一貫性

■インストラクショナル・デザイン(8スタンダード)
・コースの目的があるか
・インストラクションの目標があるか
・コースの一貫性
・プレゼンテーションとデモンストレーション
・学習促進(コミュニティなど)
・フィードバックつきプラクティス
・エンゲージさせるテクニック
・学習評価

これらのそれぞれの項目で、基準がいくつも設けられている。その基準には重み付けがされた得点があり、その基準を満たしていると、その項目の得点がもらえる仕組みとなっている。

詳細については、ASTDのホームページで確認が取れるようになっている。

所見

昨年より話題に上っていた、Eラーニングコースの公認証書の説明をしたセッションであった。ベンダーの注目度も高く、多くの質問がなされていた。今後の課題として挙げられていたのが、コースウェアを評価し、証書を与える人間をどのようにトレーニングするか、また、現在は1コースにつき1つの証書を与えているが、それではコストがかかりすぎて、ベンダーにメリットがないのではという意見が挙がっていた。実際に、公認基準がASTDのストアで売られていたので、購入して読んでみたが、結構シンプルな作りになっていて、本当にこれだけで、良いコンテンツであると証明できるのかやや疑問に思った。

私たちは人・組織・社会によりそいながらより良い社会を実現するための研究活動、人や企業文化の変革支援を行っています。

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