OSTプラクティショナー養成コース(2026年)

  • 2026年9月3日(木)〜4日(金)、11月4日(水)
  • ヒューマンバリュー半蔵門オフィス

本コースでは、人々のコミットメントを解き放ち、主体的な話し合いで問題解決を促すOSTの背景にある哲学や理論、テクニックを体験しながら、ファシリテーションやプロセスデザインのコツを探求します。

開催日時

セッション
   開催日:2026年9月3日(木)〜4日(金)
   時 間:両日ともに09:30〜17:00

リフレクションセッション
   開催日:2026年11月4日(水)
   時 間:10:00〜17:00

開催場所 東京都千代田区一番町18番地 川喜多メモリアルビル3F
ヒューマンバリュー半蔵門オフィス
講 師・ファシリテーター 兼清 俊光(フェロー/変革プラクティショナー)
参加費用 275,000円(税抜価格250,000円)
※昼食代、教材費、リフレクションセッション(1日)を含みます。
最低催行人数 6名
事前プロセス 参加される方には、事前に書籍や「インビテーションカード」をお送りします。
参加にあたっては、実施の1週間前までを目処に御申込をしていただけると、セッションでの探求も深めやすいかと思います。
認定証 プラクティショナー養成コース修了後は、本コースで提供したヒューマンバリューのコンテンツを受講者個人が使用できる認定証を発行します。

OSTプラクティショナー養成コース概要

オープン・スペース・テクノロジー(Open Space Technology:以下、OST)は、ハリソン・オーエン氏があるオフサイトセッションを終えた時、「休憩時間や夜にいろいろ話せたのが良かった」という参加者の声を耳にした時のインスピレーションがきっかけとなり誕生しました。
彼は、半年もの時間をかけてセッションの準備をしたにもかかわらず、実はそのセッションの場よりも、自由で解放された場での会話や話し合いのほうが参加者にとって発見や価値があったということに気づき、これをすべての場に持ち込めないかという想いからOSTが開発されました。

OSTを「テーマ出しを自分たちでやる話し合い」と捉えている方がいますが、本当のOSTはそれだけの理解では十分ではありません。OSTのパワフルさが発揮され、組織や人々に変革が生まれるには、意味や認知のトランジションが必要です。
OSTの本質は、 “本来、自分は主体的な存在なのだ”ということを一人ひとりが自覚し、その自覚から”自分が選択して生きるのだ”という力を呼び覚ますことができることです。
OSTの中では、すべてが一人ひとりの個人の主体的な選択によって行われますので、自然に、今の状況に対してどう選択して生きるかの責任と情熱について自己に問いかけるようになるのです。

またOSTは、「時間とスペースの創造」と言い換えることができます。創造される時間とスペースは、まったくの個人に委ねられるため、そこにはトピックや時間の流れ、深さなど複数の異なる性質による時間やスペースが生成されます。それらは、個人のユニークなアイデンティティーを生み出し、同時にアイデンティティーを覚醒する空間となるのです。
そして、衝突が起き、混乱があり、カオスの状態であったとしても、それを許す「オープン」な場であるオープン・スペースは、自己組織化が起こる最低条件である「安全な場所」の提供でもあるのです。

OSTプラクティショナー養成コースは、OSTを試みたが、今ひとつ効果が出ないとお考えの方、OSTを今後展開していきたいと思う方を対象とした実践コースです。
本コースでは、OSTの本質を顕わすことのできるプロセスと場づくり、場のホールド、ファシリテーションの方法、ファシリテーターのあり方を体験的に理解し、自分らしいOSTをデザインし、応用できるようになります。また、現場で実践していただいた上で、リフレクションを行います。
また、サーティフィケイト(修了認定)された受講者に提供されるスライド等のデータをご自身で活用し、ファシリテーションできるようになります。
加えて、プラクティショナー同士のネットワークにご参加いただき、相互に継続的な交流を行っていくことができます。

プログラムイメージ

1日目

◆OSTの背景/理論の概要
 ・自己組織化
 ・OSTの構造
 ・OSTの適用と効果・事例

◆OSTの準備・プランニング
 ・デザインチームの活動
 ・デザインチームの共有ビジョン創出とシナリオプランニング
 ・関係者(参加者)のレディネスを高めるプロセスデザイン
 ・招待状&ポスターの作成
 ・オープニングセッションのデザイン
 ・テーマ別セッションのデザイン
 ・全体セッションのデザイン
 ・招待状&ポスターの作成

◆OSTの場づくり
 ・会場選定・レイアウト
 ・必要資材
 ・参加者のレディネスを高める当日のデザイン

2日目

◆OSTセッションの実施(ファシリテーション)
 ・オープニング
 ・テーマ出し、登録
 ・セッション
 ・投票
 ・バースデーセッション

◆OSTセッションのプロセス探求
 ・「場をオープンにする」ためのポイント
 ・オープニングセッションのインストラクション、リハーサル
 ・全体セッションのあり方、ファシリテーターのBe
 ・OSTクロージングのポイント

◆OST後フォローのあり方
 ・コアチームのフォロー
 ・全体へのフォロー

◆OSTの応用事例の共有と探究
 ・OSTのフィロソフィーと原理を適応したさまざまな応用事例
 ・実践の場の検討と探究

◆クロージング

OSTプラクティショナー養成コース過去参加者の内訳

OSTプラクティショナー養成コースにこれまで参加くださった方たち(2008年〜2025年:98人)の内訳です。企業内プラクティショナーやコンサルタント、学校関係の方など、多様な方たちが学び合い、実践に向けた探究を行っています。

受講者の声

セッションの約1週間後に実施したフォローアンケートより一部引用(2025年)

1週間ほど経ったいま、共に取り組んだOSTプラクティショナー養成コースを思い返してみてください。一言で言うとしたら、それは自分自身にとってどんな体験だったと言えるでしょうか? そう感じたきっかけや要因には、どんなことがありましたでしょうか。

「トラックにひかれたような衝撃」だった。そうであることは分かってはいたが、自分の「コントロールしたい性質」がこれほど強いのかという事と、向き合った2日間。

「ROCK」(揺さぶられる)体験でした。様々なワークを進めて行く中で、自分自身の考え方や場への向き合い方、言葉のレベルでは同じような内容でも一言一言の深さ、深度を問われるような感じでした。

自分が避けてきたことに向き合うチャンス、opportunity。そう感じたきっかけや要因は、今まで受けたプラクティショナー養成講座の中で「最も難易度が高い」と感じた自分の素直な感覚。

自分のエッセンスが何であるか?を確信に近づけてくれた素敵な場でした。そう感じたきっかけや要因は、OSTの実践を通じてみなさんとダイアログしたことで散らばっていたピースが繋がっていく感覚があったから。

OSTプラクティショナー養成コースに参加する前と後では、何か変化はありましたでしょうか? それは自分自身の内側の変化かもしれません。また、誰かの言葉を聴いたときの自分の感じ方の違いかもしれません。もしかしたら、自分の想いや大事にしていることに違いが生まれたかもしれませんし、具体的な自分自身の言動や人々とのかかわり合いかもしれません。ささいな変化でも結構ですので、教えていただけますでしょうか。

やり過ぎないということへの意識は、より高くなりました。話し過ぎない、説明し過ぎない、リードし過ぎない、「よかれと思ってやっていることが、何かを削っていないか」、誰のための「よかれ」なのか?意識したいと思いました。

問いが介入(相手にこう動いてほしいという思惑)になっていないか気に掛けるようになった。また相手の変化は「その時に起きるかもしれないし、起きないかもしれない(その後にきっと起きる)」と思えるようになった。

「敢えて離れる」「情報を欠落させる」は、とても面白い考え方だった。体験を通じて主体的な言動が増えることを感じた。一方で、そういった静のファシリテーションをしながら、存在感はちゃんとある、そういったファシリテーターとはどんなファシリテーターなのかという探求がスタートした。

「何が起ころうと起こるべきことが起こる」と場に委ねると、ややもすると正解探しになっていたメンバーがOSTの場のように主体的に発言し、関わりはじめた。自分も場を共にする一人の主体的なメンバーであると決めてのぞんだ事で、その日のファシリテーションは凪の海のように心穏やかに進んだ。

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