これからの時代のリーダーに必要なシステムシンキング
世界が、クローズシステムからオープンシステムに移行する今、狭い視野に陥った私たちの思考を解き放ち、より根本的な問題解決・イノベーションにつなげる「システムシンキング」は、これからのリーダーシップに不可欠なものです。
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システムシンキングこそが、これからのリーダーシップの要石
今、私たちを取り巻く環境は大きくシフトしています。分断された世界の中で、効率性を高め、コントロールすることで、価値の最大化を図ることができたクローズシステムの時代から、境界が曖昧で、ネットワーク化した多様な影響関係の中で、枠組みを越えたコラボレーションや創発、全体最適が圧倒的な価値を生み出すオープンシステムの時代へと移行しています。
しかし、私たちの思考はそうしたシフトに適応できているでしょうか? 仕事が細分化・サイロ化し、目の前の問題にひたすらもぐらたたきのように対応することが常態化する中で、視野が狭窄し、短期的・部分最適な視点でしか物事を捉えられず、思考の質がむしろ低下していることへの危機感が、顕在化しているところも一方であるように思います。
「システムシンキング」は、問題を部分に分割して要素還元的に捉えることに慣れ親しんだ私たちの思考を解放し、視野を広げて、様々な事象のつながりや背景にある構造・影響関係への理解を深めながら、より根本的・本質的な問題解決に向けたレバレッジ(手の打ちどころ)に働きかける思考のあり方です。
今こそ私たちは、システム的な思考を身につけ、複雑な時代に一段高い視点からリーダーシップを発揮できるようになっていくべきではないでしょうか。
システムシンキング
システムシンキングとは、「複雑な状況の中で、視野を広げて、様々な事象のつながりや背景にある構造・影響関係への理解を深めながら、より根本的・本質的な問題解決に向けたレバレッジ(手の打ちどころ)に働きかける思考のあり方」です。
難易度の高いシステムシンキングの習得、組織的実践をサポート
ヒューマンバリューは、1990年代、ピーター・センゲがラーニング・オーガニゼーションを提唱し始めたときから、システムシンキングの重要性を実感し、研究と組織的な導入を支援してきました。
システムシンキングの習得には、新たな思考のパターン・習慣を身につけていくことが必要となります。それは、単に座学で知識を覚えるような形ではなく、実際に視野を広げる体験をもつとともに、より実践的・対話的な学び方・学習のデザインが不可欠です。
ヒューマンバリューでは、20年に渡って、延べ数千人に対して、システムシンキングを活用したワークショップを実施し、システム思考を身につけるポイントを探求し、体系立ててきました。
また、システム思考は単なるツールではなく、実践の中で生きるリーダーシップのあり方でもあります。組織変革やイノベーションのプロジェクトの中では、クライアントとともにシステム的な観点から探求を行い、レバレッジを共創していくことに取り組んでいます。
たとえば、こんな状況はないでしょうか?
「問題がたくさんあり、どこに手をつけてよいのかわからない」
「今まで成功してきたやり方では、うまくいかなくなってしまった」
「頑張れば頑張るほど悪くなっていく」
「各組織は最善を尽くしているのだが、全体の成果に結びつかない」
「組織の中に壁があり、同じ土俵で問題を捉えることができない」…etc
企業・組織、そして一人ひとりのリーダーがこうした手強い問題に、「システムシンキング」を生かして挑んでいくことをヒューマンバリューはサポートしています。
<主な取り組みやプロジェクトの例>
・システムシンキングを基軸に置いた次世代リーダーシップ開発
・システムシンキングを組織的に導入し、社内の共通言語化を図る
・システムシンキングのオープンワークショップの開催支援
・パフォーマンス・マネジメント革新サーベイを活用し、パフォーマンス向上のレバレッジを明らかにする
・Ocapiを活用した組織変革のレバレッジ創出
・自社独自のシステム的課題のケーススタディの開発
・…etc
取り組み事例:大手自動車メーカーの場合(対象:マネジャー約20名、実施期間:2日)
【1日目】
午前
・システムの体験的理解(クッキーゲーム)
・システムシンキングの概要
午後
・システム原型の理解
・システム原型に基づいたダイアログ
【2日目】
午前
・システムシンキング小演習
・総合演習(自組織のシステム探求)
午後
・総合演習(レバレッジを明らかにする)
・レバレッジの推進プランを描く