研究員
鬼頭 和美 Kazumi Kito
国際基督教大学教養学部アーツ・サイエンス学科卒業。在学中は、人がありのままで生きる難しさを解消したいという思いから、ジェンダー・セクシュアリティ研究を専攻し、セクシャルマイノリティ・ディスアビリティにまつわる運動や当事者研究に触れる。現在は、場づくりのサポートに取り組みながら、多様な立場の者同士が極端な対立に陥らず、対話の中からともに実現したい状態を描き、変容を生んでいくアプローチを実践していくべく、日々活動をしている。企業での組織変革や組織活性化の取り組みのサポートのほか、AIやワールド・カフェ等の対話手法を活用したワークショップを実施。2017年からATD国際会議視察ツアーのデリゲーションリーダーを務める。
学生時代、タブー視されがちな性の領域に飛び込んで研究を進めた経験や、知的の障がいである兄とともに生活してきたことから、多様な人々が「生きるために戦い、権利を勝ち取る」ところから「互いの望む未来のためにできることをする関係に、自然に移行していく」現象・プロセスに、関心をもち続けてきました。人のもつ協働的な姿勢は、個人の責任、パーソナリティ、マインドセットの問題に還元されがちですが、実際には、環境や、身を置く組織、コミュニティのささいなことに影響を受け、育まれるものです。そういった文化が、組織に身を置く一人ひとりから自然と始まっていくことを願って、日々いろいろな方とご一緒しています。北欧の医療・福祉領域で実践が進む対話的な取り組みや、社会構成主義的なアプローチ(ナラティヴ・セラピー)にも、日々影響を受けています。