カンファレンスレポート

HCI インクルーシブ・ダイバーシティ・カンファレンス2019参加報告〜ダイバーシティ&インクルージョンをエブリディ・カルチャーにする〜

HCIインクルーシブ・ダイバーシティ・カンファレンス2019が、2019年5月6〜7日の2日間、米国サンフランシスコで開催されました。

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近年、日本においても関心の高まるダイバーシティ&インクルージョン。それはもはやNice to Have(あったらいいもの)ではなく、多様性こそが、変革の時代に経営や事業に革新を生み出す根幹であるという認識が少しずつ広がってきていることの現れだと思われます。

こうしたダイバーシティ&インクルージョンに本気で向き合い、取り組んでいく上で、私たちがこれから考えていきたい視点にはどのようなものがあるでしょうか。そのヒントとなる考え方や実践を探求すべく、2019年5月6〜7日に、HCI(ヒューマン・キャピタル・インスティチュート)が主催する「インクルーシブ・ダイバーシティ・カンファレンス2019」に参加しました。

本レポートでは、カンファレンスの様子や注目されていたトピック、キーワード、議論の内容などをダイジェストで紹介させていただきます。日本企業においてダイバーシティ&インクルージョンを推進している人事担当者の方と最新のトレンドを共有することはもちろん、事業や経営に関わる方とも、同テーマについて地平を広げて考え、組織的な実践につながる示唆を得る機会にできればと思います。

カンファレンスの概要

主催のHCIは、エンゲージメントやリーダーシップ開発、ピープル・アナリティクス、パフォーマンス・マネジメントなど、多様なHRのテーマをもとにしたカンファレンスを開催していることで知られています。

ダイバーシティ&インクルージョンをテーマにした本カンファレンスは、2019年5月6〜7日にサンフランシスコで開催され、約300名が参加しました。参加者層は、ヘルスケア、メーカー、ファイナンス、ITなどの様々な領域の企業、および行政や教育機関における実践家など、多様な人々で構成されています。

私が前年の秋に参加した、SHRM主催の同テーマのカンファレンス参加者が約900名でしたので、それと比較すると規模はやや小さめでしたが、参加する人の学ぶことへの熱意やつながることへの期待は総じて高く、コンパクトな中で充実した議論が行われたカンファレンスでした。私を含め初参加の人も多く、フレッシュな気持ちで参加できました。また、サンフランシスコという土地柄もあってか、シリコンバレー系のIT企業やスタートアップの企業からの参加が散見されたことも特徴的でした。

初日は所属する業界ごとにテーブルに座り、探求を深めます

カンファレンスのメイン・テーマ:D&Iをエブリディ・カルチャーにする

HCIでは、ここ数年このカンファレンスを開催していますが、今年のカンファレンスのメイン・テーマには、「Making Diversity & Inclusion Part of Everyday Culture(D&Iを毎日のカルチャーにする)」が掲げられました。

カンファレンスの議論の中で見受けられた1つの共通認識として、D&Iの重要性やプライオリティは間違いなく高まっているにもかかわらず、実際に自分たちのD&Iの状態が進化していると捉えられていないという現実があるようです。多くのスピーカーが、そうした文脈で現実を受け止めていたことが印象的でした。

では、本当の意味で進化を実現していくためには何が必要になるでしょうか? それは単なる施策やトレーニングのレベルではなく、D&Iの本質が毎日の行動に自然に現れるように、「組織のカルチャーの中に織り込まれなければいけない(Woven into the fabric of organizational Culture)」という課題意識が見受けられました。「カルチャーに織り込む」という課題意識は、昨今のマネジメント革新の根底にあるレバレッジであるように思われます。

キーメッセージとしてカンファレンス会場の至る所に掲げられるスローガン

そして、2日間のカンファレンスでは、D&Iを毎日のカルチャーにするために、私たちは何を考える必要があるのかについて、多面的な切り口からセッションが行われていましたので、以下に紹介します。

プライオリティを高めるのではなく、習慣を生み出す

オープニング・キーノートには、NeuroLeadership Instituteのデイビッド・ロック氏が登壇し、ニューロサイエンスの観点や自社の調査結果をもとにD&Iについて語りました。

ロック氏は、D&Iをカルチャーにしていくためには、D&Iのプライオリティ(会社の中での優先順位)を高めるのではなく、「習慣を生み出すこと」が脳科学の視点からも重要であると説きます。

しかし、習慣を生み出すために多くの企業が実際に行っているのは、たくさんの行動指針や規範を社員に押し付けることではないでしょうか。10も20も規範や指針が下りてきたとしても、それが習慣になることはあり得ません。ロック氏は、こうした状態を「Over Inclusion(行き過ぎたインクルージョン)」と呼んでいたのが興味深かったです。日本の企業を鑑みても、D&Iに限らず、様々な方針が様々な部署から下りてきて、Over Inclusionの状態になっていることも多いのではないでしょうか。ロック氏は、Overではなく、Optimal Inclusion(適度なインクルージョン)が必要であり、それを実現するためには、習慣は多くても2〜3個にすべきであると述べていました。

また、そのためのトレーニングの効用と限界についても述べられていました。ロック氏は、現在はやりとなっているアンコンシャス・バイアス・トレーニングは、一定の効果がある(トレーニングを受けた人のうち、76%の人が、この1週間のうちに何かしらバイアスを低減するアクションを起こしていた)ことを自分たちの調査に基づいて示していました。しかし、その一方で、「You Can’t Solve Inclusion with Unconscious Bias Training(アンコンシャス・バイアス・トレーニングでインクルージョンは解決できない)」といった刺激的なタイトルの記事を引用しながら、トレーニングは全体の一部であり、それですべてが解決するわけではないことについても言及していました。

バイアスを取り除いていくためには、個人がトレーニングを受けるだけではなく、意思決定やチーム活動のプロセスに組み込んでいくことが有効であるとのことでした。たとえば、ある職場ではチームでブレーンストーミングをするときに声の大きな人ばかりが発言することがないように、あえて静かにポストイットに書く方法を用いることでインクルージョンを促進したり、ある役員チームは、重要な意思決定を行う際には、毎回120秒間沈黙の時間をつくるといったことを習慣化することでバイアスが入りづらい意思決定を行うなど、チームで習慣を決め、成果を上げている例が紹介されていました。

カルチャーを生み出す上で「習慣」にフォーカスする傾向は、本カンファレンスに限らず、同時期に開催されたATD-ICE2019でも大きなテーマとして取り上げられており、共時性を感じます(ATD-ICE2019について、詳しくは、こちら)。組織的に新たな習慣をいかに生み出すかは、現代における変革の1つのレバレッジとして位置づけられ、今後さらに研究や実践が進んでいくと考えられます。

習慣の重要性について熱弁を振るうデイビッド・ロック氏

インクルージョンを裏口から高める「ネゴシエーション」の力

デイビッド・ロック氏に続いて基調講演を行った、スタンフォード大学ロースクールのメーガン・カーシュ氏は、少し観点を変えて「ネゴシエーション(交渉)」の力にフォーカスを当てます。ネゴシエーションというと、大げさなものに聞こえるかもしれませんが、たとえば仕事の納期を決めたり、プロモーションについて話し合ったり、同僚とどこにランチに行くかを決めるなど、実は私たちの生活は毎日ネゴシエーションの経験の連続であるとカーシュ氏は説きます。ネゴシエーションとは決して相手と戦い、打ち負かすものではなく、相互の背景理解を深めて、コラボレーションを促すためのスキルなのです。

そして、カーシュ氏が、ネゴシエーションを「インクルージョンのバックドア(裏口)」と位置づけていたことが個人的に興味深く感じました。人はインクルージョンを学ぶことにはあまり興味を示しませんが、ネゴシエーションを学ぶことには高い関心を示します。そして、実は傾聴や共感など、ネゴシエーションを学ぶ中で身につけるスキルは、インクルージョンに必要なスキルとほとんど同じであるという点を指摘し、皆がネゴシエーションを学ぶことで、インクルーシブなカルチャーを築きやすくなるとのことでした。バックドアからのアプローチは、人々も受け入れやすく、戦略として合理的といえるかもしれません。

異なる視点を与えてくれるメーガン・カーシュ氏の基調講演

「Culture Fit(カルチャー・フィット)」と「Culture Add(カルチャー・アッド)」

初日の午後に、「Mind Science Behind Inclusion: Tools to Build Better Allyship at Work(インクルージョンの背景にあるマインド・サイエンス:職場により良いアライシップを築くツール)」というテーマで特別セッションを行ったケリー・マキノ氏は、インクルージョンを促進するための背景にある理論について、過去の研究やモデルを多数紹介していました。

セッションでは、様々な研究や考え方が共有されましたが、個人的に面白く感じたのが、「Culture Fit(カルチャー・フィット)」と「Culture Add(カルチャー・アッド)」という考え方です。

これは、「自分たちのカルチャーにフィットした人ばかりを採用していると、組織がモノカルチャー化してしまう。今の時代は、組織に新たなバリューや考え方を加えてくれるような人を招き入れるべきだ」という考え方です。

日本の企業においても、ダイバーシティを広げていくために「カルチャー・アッド」な採用戦略をいかに取れるかがキーになるように思います。実際新たな視点を持つ人材を受け入れる際には、多くの摩擦が起きることも考えられます。インクルージョンのカルチャーを創造するためには、決して似た人たちだけで居心地の良い空間をつくるのではなく、こうした摩擦を乗り越え、新たな視点、考え方を生かして、クリエイティブな組織として進化し続けていくことが重要ではないでしょうか。

カルチャー・フィットから、カルチャー・アッドへ

実践企業から学ぶ

初日の後半から2日目にかけては、事例のセッションが多く行われました。D&Iのカルチャー創造に向けて、企業がどのような実践を行っているのか、ダイジェストで紹介します。

エコシステムを築く 〜クイッケン・ローンズ社、ホットチキン・テイクオーバー社の取り組み〜

初日の夕方に行われた基調講演では、デトロイトにある住宅ローン会社のクイッケン・ローンズ社から3名のスピーカーが登壇しました。同社の事例で特徴的だったのは、採用や人材開発、D&I、CSRといったものを個別に捉えたり、それぞれを別の組織分けて、ばらばらに施策を展開するのではなく、自分たちを、エコシステムを生み出すための統合したチームとして捉えていることです。

そして、採用からオンボーディング、人材開発、リスキル、そして地域コミュニティも巻き込んだCSRなどをつなげることで、D&Iが育まれていくようなカルチャーやエコシステムを構築していくことを目指したチャレンジが語られました。実際に大きな変革を生み出しているようで、インパクトの大きなセッションでした。

クイッケン・ローンズ社が捉えているD&Iのエコシステム

また、2日目冒頭の基調講演には、オハイオ州コロンバスにフライドチキンの店を展開するホットチキン・テイクオーバー社創業者であり、社会起業家のジョー・デロス氏が登壇しました。同社では、約150名の従業員が働いていますが、約7割の人が過去に犯罪歴を持つ人で構成されています。

デロス氏は、「人が罪を犯すのは、その人のキャラクターに問題があるのではなく、環境的な要因が大きく、一度犯罪に走ると、そこからさらに貧困になり、また罪を犯すという悪循環が回ってしまう。安定的な仕事に就くことこそが、この悪循環を止める術である」ということに気づき、そうした環境をつくることをビジネスにしていきました。

フード業界は、一般的に離職率が非常に高い、ハードな仕事ですが、同社の離職率は非常に低い状態を保ち、ビジネスとしても高い成功を収めており、講演ではその背景が話されました。誰もが皿洗いから始める、バリューを大切にするなど、様々なことが語られましたが、特に印象的だったのが、「本当に役に立つ福利厚生を提供する」という姿勢でした。一方的に福利厚生を与えるのではなく、働いている人が「本当は何に困っているのか」を理解していくと、彼/彼女たちの生活が非常に不安定で、たとえば病気になったり、車が壊れたりすると、働けなくなってしまうことに問題があることがわかりました。

そこで、コミュニティ・サービスなども利用しながら、ファイナンスのコーチをつけて、貯蓄をしっかりとできるようにしたり、銀行にアクセスできるようにして、不安を取り除いていきました。そうして生活を安定させるとともに、自分がスキルを高め、成長していることをしっかりと実感できるようなグレードのシステムをつくっていったそうです。

今後デロス氏は、犯罪歴のあるマイノリティが悪循環から脱却できるようなビジネス・システムを広げていきたいそうです。氏のストーリーに、会場からも大きな拍手が沸き起こりました。個人的にも、働く人に寄り添い、人々が人としての尊厳をもてるような状態を、仕組みとしてつくり上げようとしている姿に感銘を受けました。

スタンディング・オベーションで迎えられるジョー・デロス氏の講演

D&Iは一企業の課題ではなく、社会的な課題です。日本で先進的にD&Iに取り組んでいる企業の話を伺う中でも、自分たちがどれだけ頑張って取り組んでも、エコシステムでつながっている他のステークホルダーを含めたシステム全体のD&Iへの成熟度が低いと、自分たちの取り組みが阻害されてしまうという話を聞くこともあります。今後、エコシステムとしてD&Iを高めていけるような基盤をいかに実現していきたいかといった問題意識も高まる2つのセッションでした。

D&IのためのD&Iから、ビジネスで価値を生み出すためのD&Iへ 〜シマンテック社の取り組み〜

セッションでは大企業の取り組みもいくつか話されました。シマンテック社からは、「ウィニング・カルチャーをつくるためのダイバーシティ」というテーマで講演が行われましたが、D&IのためのD&Iではなく、ビジネスで価値を生み出すためのD&Iに取り組むことの意義が強く語られていました。

具体的には、トップから変革の取り組みを始めるとともに、ビジネス・プロセスやオペレーションのプロセスの中で、バイアスが障害になっているところを特定し、それを和らげることに特に大きな力を入れていたことが印象的でした。こうした取り組みからも、D&Iをビジネス・インパクトに確実に結びつけていこうという意識がうかがえます。

また、インクルーシブなリーダーの特徴を特定し、リーダーシップ・ケイパビリティを高めることにつなげたり、D&Iヘルス・ダッシュボードと呼ばれるものをつくってD&Iを見える化し、それを用いて、インクルージョン・チェンジ・チームが中心となって変革のドライブをかけるといった様々な取り組みが3年間で推進され、成果につながったそうです。D&Iを、ジェンダーなどの特定のテーマだけにとどめず、誰にとっても関係のあるものとして、会社全体でビジネスに結びつけていくアプローチを興味深く感じました。

紹介されていたD&Iヘルス・ダッシュボード

Full Representation(フル・リプレゼンテーション)を実現する 〜インテル社の取り組み〜

インテル社の事例では、同社が2015年に掲げた「2020年までに、インテル内の女性やマイノリティの数を「フル・リプレゼンテーション(インテルの人数構成を、同社の職に就く能力を持つ女性やマイノリティの数を反映したものにすることを意味する)にする」というゴールを、2年前倒しの2018年までに達成できたということが力強く語られていました。

特にダイバーシティ採用だけに力を入れるのではなく、そうした人たちのリテンションにも力を入れた結果だそうです。

本カンファレンスの中で見受けられた傾向として、インテルに限らず特に米国のIT系の企業で、こうしたフル・リプリゼンテーション的なゴールを1つのマイルストンとして掲げようとしているところが多いように感じ、参考になりました。日本においても、こうした指標を取り入れる可能性もあるかもしれません。

インテルのD&Iのジャーニーが語られる

マネジャーの視点から 〜テスラ社での実践〜

その他にも、元テスラのプロダクト・リーダー(現在はグーグルに勤務)であるパラグ・バイシュ氏が、マネジャーの視点から話をされたのも興味深い講演でした。

テスラ社で自チームを一から立ち上げる際に、ダイバーシティを高め、かつ皆が公平感を持てるようにするためのチャレンジを、マネジャーであるバイシュ氏自身が行っていきました。特に、仕事の目的や期待される基準を明確にしたり、微細なところに現れるバイアス(たとえば、何気なく使う“Hi Guys”といった表現など)を取り除くことなどを推し進めました。

結果として、3カ月程度でチームメンバーの総数は5倍になったのですが、その中の男女比は女性のほうが多く、元々男性のほうが高い傾向にあった(16%)サラリーも、女性と男性がほぼ同じ(女性のほうが1%多い)になったり、外国籍の人の割合も増えたそうです。

バイシュ氏に限らず、今回はD&IやHRの担当者ではない、ビジネス・リーダーやマネジャー、エグゼクティブといった人たちが、同テーマでカンファレンスに複数登壇されている姿が見受けられ、カルチャーを築く上で重要なファクターであると、特に印象深く思いました。

マネジャーとして実践を重ねているバイシュ氏の言葉には重みがありました

終わりに〜スピークアップできる環境をつくる〜

ここまで、カンファレンスで紹介された理論や実践例を通して、D&Iをカルチャーにするための議論のポイントを見てきました。カンファレンス全体を眺めてみて、特によく聞こえてきたキーワードの1つに「スピーク・アップ」、つまり「声を上げる」ということがあったように思います。

たとえば、上述したデイビッド・ロック氏は、自社で行った調査をもとに、「セクシャル・ハラスメントの被害者の75%は声を上げられていない」「従業員の75%は、職場でのいじめに影響を受けている」「2008年以降、銀行がモラル違反のために払った罰金は、2430億ドルになる」といったデータを示し、こうした状況は徐々に改善されているものの、まだまだ私たちは人々がスピークアップできるようにしていかなければならないと述べます。そして、そのために職場の恐れや不安を取り除いていくことを提唱していました。

また、2日目の基調講演に登壇した弁護士のマイケル・ベーレンス氏は、「Protecting Diversity in the Age of #Metoo(Metooの時代にダイバーシティを守る)」というテーマのもと、自身が2013年にUCLAで行ったマイノリティの調査から学んだことを話していました。中でも、マイノリティから出る不満は、決して不満ではなく、より良い状態を目指してのことであり、組織のトップがハラスメントや差別を絶対に許さないという姿勢を見せたり、挙げられた声には必ず応えるなど、「すべての声が聴かれる」という状態を生み出していくことが重要であることを熱く語っていました。

そして、初日のクロージング・キーノートを務めたニューヨーク大学のリサ・コールマン氏は、これからD&Iのジャーニーを続ける上では、Deficit(問題)に着目することから、Assets(財産)に着目するようマインドセットを転換させることが必要と説きました。特に、企業の中で取り残されたマイノリティを解決すべき問題として見るのではなく、自分たちの価値あるアセットとしてリフレームしたとき、何ができるのかを考えていこうといった問題提起を行っていたことが強く印象に残りました。

当たり前かもしれませんが、すべての人が声を上げることができ、すべての人の声が聴いてもらえる状態、これがインクルージョンのカルチャーを築く基本となるように思います。

Deficit(問題)からAssets(財産)へ。リサ・コールマン氏の基調講演

一人ひとりの声を価値あるものとしていかにリフレームできるか、人々の考え方や枠組みに影響を及ぼすような習慣や体験をいかに構築していくことができるか、そして企業や組織の垣根を越えて、いかにD&Iのエコシステムを築いていくことができるのか。カンファレンス参加を通して生まれてきたこうした問いに、多くの人とともに向き合っていきたいと思います。

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私たちは人・組織・社会によりそいながらより良い社会を実現するための研究活動、人や企業文化の変革支援を行っています。

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