ATD(The Association for Talent Development)

ASTD2000概要

関連するキーワード

ASTDについて

ASTD(American Society for Training & Development=米国訓練開発協会)は、米国ヴァージニア州アレクサンドリアに本部を置く、1944年に設立された非営利団体で、約160の支部と65,000人の会員を持つ(会員には20,000を超える企業や組織の代表が含まれる)、訓練・開発・パフォーマンスに関する、世界第一の会員制組織です。
ASTDは、トレーナーやトレーニング・マネージャーたちに専門的な開発材料やサービスを提供し、職場における学習促進を援助し、世界中の政府・企業等、各種組織に属する従業員や役員たちのコンピテンス・パフォーマンス・充足感を高める手助けをすることを使命としています。

ASTD2000

今回参加した『ASTD2000(2000年度ASTD国際会議&EXPO)』は、2000年5月21日?5月25日の間、米国テキサス州ダラスのDallas Convention Centerにおいて開催されました。
この大会は53年前に始められたもので、人的資源開発に関する世界最大の会議&EXPOとして知られています。この会議には、世界中のHRD管理者・専門家が12,000人以上出席し、EXPOには、訓練開発に携わる550社のブースが立ち並んで、世界の最新の動向がつかめます。
会議は、5日間にわたって催される約140のセッションと、29のフォーラムと、数々のイベントから成っており、プレゼンターは、ベルリッツ社、マサチューセッツ工科大学、ヒューレット・パッカード、フェデラルエクスプレス、AT&T、メリルリンチ、フォード、ファイザー等々、世界のトップ企業や大学において訓練開発に携わっている人々が中心です。

ASTD2000の参加国・参加者数

本年の参加国数と参加者数は以下の通りとなっています。

  参加者総数:11,832名
  一般参加者:約10,000名
  EXPO出展者:2,000名弱
  海外参加者:2,306名
  参加国数:85カ国

・国外からの参加者が多い順
  カナダ:336名
  韓国:171名
  日本:153名
  ブラジル:146名
  オランダ:143名

ASTD2000の概要

このリポートでは何度も取り上げていますが、ASTD(昨年までの名称:American Society for Training & Development=米国訓練開発協会)は、米国ヴァージニア州アレクサンドリアに本部を置く、1944年に設立された非営利団体で、世界中に約160の支部と65,000人の会員(20,000を超える企業や組織の代表が含まれる)をもつ、訓練・開発・パフォーマンスに関する、世界第一の会員制組織です。

ASTDは国際的な企業と産業の訓練資源に対して比類ないアクセスをもち、その事業は世界の最高水準にあると認められています。今回のASTD2000は、この団体が毎年5月から6月に開催する国際会議で、今年は5月21日~5月25日の間、米国テキサス州ダラス市のDallas Convention Centerにおいて開催されました。

この大会は53年前に始められたもので、人的資源開発に関する世界最大の会議&EXPOとして知られています。今回の会議には、世界中のHRD管理者・専門家が11,832名出席し、海外からは85カ国、総勢2,306名、日本からは153名が参加しました。EXPOには、訓練開発に携わる550社が出展しました。

会議は、5日間にわたって催される約140のセッションと3つの基調講演、29のフォーラム、そして数々のイベントからなっています。今回の基調講演者は、著述家でありコンサルタントでもあるキャロル・キンゼイ・ゴーマン、フォーチュン誌の編集者兼コラムニストで、ナレッジ・マネジメントと知的資本に関する研究の先駆者でもあるトマス・スチュワート 、世界的ベストセラー『心のチキンスープ』シリーズの著者であるジャック・キャンフィールドでした。

参加人数の変化

今回の参加者は、過去最高を記録した98年の大会と比べると80%弱の数字にとどまっています。例年は、会場にさえ入れないほどの人が集まるセッションが続出しますが、今回はごく一部のセッションを除いて会場に余裕がありました。参加者が減少した理由として考えられるものをいくつか挙げてみると、ダラスという観光地としての魅力が乏しいロケーションだったことがその1つです。また、近年見られるカンファレンス開催の状況にも影響を受けているのかもしれません。欧米で開催されるカンファレンスには、ASTDのように幅広いテーマを扱うものと、コーチングやナレッジマネジメントなどの個別のテーマを扱う数百人から2000人規模のカンファレンスの2つがあります。特に最近は後者が著しく増加しているために、専門的な興味をもっている人はこういった個別のカンファレンスに流れているという可能性が考えられます。また、従来は300人規模で参加していた韓国からの参加者が、景気の影響で激減しているなどの理由も考えられます。
一方で、日本からの参加者は年々増加しており、また中国本土からもかなりの人数が参加しているようです。

カンファレンスの参加者が減る一方で、EXPOの出展社は増加の傾向にあり、EXPOの会場を歩いている人の数も、例年よりも多い印象がありました。この理由として考えられるのが、後述するE-ラーニングやWBTに対する関心の高さによるのかもしれません。EXPO出展社の多くが何らかの形でE-ラーニングに関わっていました。

学習とパフォーマンス

ASTDはミレニアムに向けて、今回からイメージを変えました。従来、ASTDとは、American Society for Training & Developmentの略称でしたが、今年からASTDが正式名称になりました。(法律的には従来の呼称のままです)マークも長年親しんできたトーチから、人々が協力して喜んでいるような図に変わり、キャッチフレーズは「ASTDは人々と学習とパフォーマンスをつなぎます」(Linking People, Learning & Performance)になりました。この言葉からもわかるように、ASTDは今後、学習とパフォーマンスというテーマにフォーカスしていこうとしているのがうかがえます。米国だけでなくグローバルにサービスを展開している現状と、トレーニングという言葉を外さざるを得ないHRDを取り巻く環境の変化が、名称を変えた理由だと考えられます。

こうしたASTDの変化を受けて、今回のカンファレンスはラーニングとパフォーマンスにフォーカスをしている傾向が見られました。それぞれ内容は、入門レベルから専門レベルまでを幅広く扱っています。それは玉石混交の市場のようで、参加者にとって、あまりにも多いセッションの中から新しい動向や自分に役立つ知識を見つけるのは簡単なことではありません。しかし細心の注意を払って見てみると、カオスの中に未来の動向の片鱗があったり、すばらしいベストプラクティスが出ているのがASTDです。

今後はどういった人々を対象として、どのような情報やネットワークの機会を提供していくのかが問われるようになると思います。

世界の動向のベンチマーキング

しかし、現在でもASTDは人材開発に関わる世界最大のカンファレンスであり、世界の動向のベンチマーキングをするには格好の場所といえるのではないでしょうか。今大会でも、トレーニングの効果測定やパフォーマンス・コンサルティングなどにおける、確かで実践的な方法論がいくつか収穫でき、また自分達が行っている組織の変革やラーニングにおいて、押さえるべきポイントを確認できる大会だったと思います。

ASTD2000のキーワード

今回のASTD2000は、次の9つのテーマを中心に展開されました。

・キャリアディベロップメント(CAREER DEVELOPMENT)…14セッション
・グローバル問題(GLOBAL ISSUES)…15セッション
・ヒューマン・パフォーマンス改善(HUMAN PERFORMANCE IMPROVEMENT)…14セッション
・トレーニングとパフォーマンスの測定と評価 (MEASURING AND EVALUATING TRAINING
AND PERFORMANCE)…17セッション
・トレーニング・学習機能の管理(MANAGING THE TRAINING/LEARNING FUNCTION)…13セッション
・組織開発(ORGANIZATION DEVELOPMENT)…23セッション
・学習テクノロジー(LEARNING TECHNOLOGIES)…20セッション
・トレーニングの基本(TRAINING BASICS)…16セッション
・職場問題(WORKPLACE ISSUES)…21セッション

こういったテーマで展開されたASTD大会において、今年の傾向を表すキーワードとして以下のようなものが挙げられていました。

・E-ラーニング(E-Learning)
・WBT
・リーダーシップ
・トレーニングの効果測定(evaluation)
・パフォーマンス・コンサルタント
・リテンション
・ジェネーレションX・Y
・信頼
・リンクまたはネットワーキング
・プロジェクト・マネジメント

次に、これらのキーワードを通してHRDの現状の課題と方向性をみていきたいと思います。

E-Learning

E-ラーニングという言葉は、前回までの会議では見られなかったものです。昨年まではWBT(ウエッブ・ベースド・トレーニング:Web-Based Training)やディスタンス・ラーニング(Distance Learning)という言葉で表現されていたものが、今年になってE-ラーニングという言葉で表現されるようになりました。

E-ラーニングに関わる言葉を整理すると次のようになります。

◆WBT
WBTは、インターネットやイントラネット、エクストラネットを通して、ハイパーリンクで関連づけられたさまざまな媒体をWebブラウザで閲覧しながら学習できるようにしたものです。また、ネットワークにつながっていないパソコンでも、ブラウザを使ってハイパーリンクをたどりながら学習するものであれば、WBTと呼ぶこともあります。

◆ディスタンス・ラーニング
ディスタンス・ラーニングは、学習者とインストラクターが時間的あるいは空間的に離れている状態で行われる学習を指します。WBTといわれるものは、コンピュータとインターネットに関する技術を必ず使っていますが、ディスタンス・ラーニングは、コンピュータネットワークを使って行われる場合と、そうでない場合があります。

◆シンクロナスとアンシンクロナス
また、オンライン学習の形態には、シンクロナス(Synchronous)といって、参加者同士が同じ時間帯にログオンし、インストラクターとリアルタイムで直接コミュニケーションをとる形態と、アシンクロナス(Asynchronous)といって、参加者が同じ時間帯にはログオンせず、直接にはコミュニケーションをとらない形態があります。

米国と日本におけるE-ラーニング

日経BP社が電子メールで配信しているBizITは、2000年5月31日付けでE-ラーニングについての次のようなデータを紹介しています。
米国の調査会社IDC(International Data Corporation)が発表したIT教育とトレーニングの世界市場についての調査結果によると、世界のITトレーニング市場の売上高は1999年の194億ドルから、2004年には約340億ドルに達する見込みだということです。IDCの予測によると、米国では2004年に電子教育の売上高がITトレーニング全体の45%を占めるとのことです(1999年の同比率は3%)。また米国は現在、IT教育とトレーニングの最大市場であり、今後もその地位を持続し、2004年には世界全体における市場売上高の半分近くを占めるとみられているそうです。さらに、今後最も急速に成長する市場は日本を除くアジア太平洋地域とみており、1999年から2004年にかけておよそ20%の年平均成長率で拡大すると予測されています。

日本でも、NTTデータ経営研究所の試算によるとE-ラーニングの潜在市場規模は社会人向けだけで約4100億円に上ると予測され、その潜在市場は2010年までに顕在化するとのことでした。

ASTDでは、E-ラーニングに関するWebサイト「Learning Circuits」を運営しています。そうしたサイトを参考にE-ラーニングに関する情報収集をしてみることが、今後ますます必要になると思われます。

E-ラーニングにおけるサービスプロバイダーの分類

インターネットの技術を使ってさまざまなサービスを提供するサービスプロバイダー(Service Providers)を、E-ラーニング関連のサービス内容で大別すると次のようになります。

①ラーニング・ポータル
学習に関する情報を提供したり、コミュニティーをつくったりして学習のための環境を提供する。

②ラーニング・サービス・プロバイダー
学習を支援したり促進するための電子的な機能や技術を提供する。

③コンテント・プロバイダー
学習内容(学習の対象になる知識やモノ)を制作・編集する。

実際、それぞれのプロバイダーでは、上記の①から③に挙げたサービス内容を多岐に渡って提供しているというのが現状のようです。
次に、今年のASTDのEXPOに出展した企業のいくつかを紹介しながら、①から③の内容ついて詳しくみていきます。

①ラーニング・ポータル

ポータルとは、一般的にはインターネットに接続したユーザーが、最初に閲覧を試みるWebサイトのことで、そこを出発点としてインターネット上のさまざまな資源に接続していきます。

先にも述べたように、ラーニング・ポータルを提供する企業では、さまざまな知識や情報にリンクを貼ったり、公開コースの募集をしたり、登録したメンバー同士で情報交換ができるコミュニティーをつくっています。ユーザーはラーニング・ポータルにアクセスすることによって、学習に関するさまざまな機会や情報を探すことができるようになっています。ASTDでも、こうしたラーニングポータルをつくろうとしているとのことでした。

ラーニングポータルの主な企業としては「SmartPlanet」が、今回のEXPOに出展していました。
また、日本では「アイ・キュー・スリー(IQ3)」で、社会人や一般の消費者向けに、コンピュータスクールなどさまざまな学習に関する情報を検索できるようになっています。他にも、日本ではIBMが技術サポートを中心にした事業を展開したり、NTT-XやNTT-MEが専門学校と提携して教育に関するコンテンツの配信に取り組んでいるそうです。(日経産業新聞・2000年7月28日)

このように、インターネットを介したネットワークによる学習の提供という流れが、世界中で起こっているといってよいと思います。

②ラーニング・サービス・プロバイダー

ラーニング・サービス・プロバイダーは、トレーニングや学習の内容をより理解しやすく、あるいは学びやすくするために、ネットワークを通じて電子的な機能の提供を行います。

具体的には、サービスを提供するためのシステムをホスティングしたり、レンタルをする場合もあるようです。ホスティングは、一般的にはWebサーバーやメールサーバーなどの各種のサーバーマシンを自社内には置かず、専門の組織内に置いてもらうことをいいます。ホスティングすることで、ユーザーは専門的な知識をもっていなくてもインターネットの技術を活用したり、マシンの管理や運営の手間、コストを省くこともできます。

また、提供される機能には、学習の進み具合などの履歴を学習者とインストラクターが確認し合えるといったようなラーニングマネジメントを可能にするシステムまで含んでいることもあります。

こうしたラーニング・サービス・プロバイダーとしては、以下のような企業がASTD2000のEXPOに出展していました。

また、これらのラーニング・サービス・プロバイダーをユーザーに紹介する企業もあるようです。Sabaという企業では、70社以上のプロバイダーが、SabaのWeb上でSaba Learning e-StoreやSaba Learning Exchangeと呼ばれるサービスによって紹介されています。

③コンテント・プロバイダー

コンテント・プロバイダーは、独自の開発だけでなく、主にラーニング・サービス・プロバイダーとパートナーを組んで、学習内容などを提供しているようです。

たとえば、前述のClick2learnでは、”e-Learning Network Content Partners”として、約50の企業を挙げています。それらの企業の中には、書籍の出版で知られるJossey-Bass/Priferや前述のSkillSoft、Learn2.comの名前も挙げられています。このように競合他社と位置づけられる企業とも、ビジネスを行っていくために必要な資源をパートナーとして提供し合っています。

E-ラーニングにおけるサービス提供会社の評価

今年のASTDのEXPO会場では、E-ラーニングやWBTの展示が全体の80%ほどを占めていました。その中には、コンピュータの専門雑誌「PCComputing」が、WBTまたはオンライン・トレーニングのサービス提供会社として上位にランクづけしている企業12社のうち7社が出展していました。

「PCComputing」によるE-ラーニング関連の企業に対する評価をまとめたものが次の表です。

PCComputing 2000年5月号に加筆

E-ラーニング今後の課題

米国と日本のE-ラーニングの技術的レベルを比較すると、両者の差はないというのがITに詳しい日本からの参加者の共通した認識でした。

しかし、E-ラーニングの会社が次々に新設され、それぞれに数十億円の売上があり、中国やシンガポールに進出しているという米国の現状をみると、果たしてコンテンツのレベルで日本と米国が同レベルにあるのか疑問に思われます。

今年のセッションでは、E-ラーニングの技術的な紹介だけでなく、E-ラーニングの普及によって、クラスルーム(集合研修)は無くなるのかなどといった学習環境の変化の議論や、トレーニングやラーニングの業界に会計事務所やIT関係の会社、コンサルタント会社などの参入が増え、競合相手が無数になったという認識が語られていました。
今後のHRD担当者は、こういったE-ラーニングを企業内の人材開発の有効な手段として視野に入れ、理解していかなければならないでしょう。

また、研修・コンサルタント業界にとっては、新しい技術をもった異業種からの強力な競合会社の参入を受けるようになり、ここ数年で、業界の勢力図が塗り替えられるようになると思われます。

リーダーシップ

例年と比較した今年のASTDの特徴的な違いは、リーダーシップという言葉が前面に出ていたことです。なぜ、いまさらリーダーシップが取り上げられるのか興味深いところですが、その理由としては次の3つが考えられます。1つは各企業が継続的に成長を続けるために次世代・次々世代のリーダーを育成するニーズが高まってきたことです。2つ目は、意思決定のスピードを上げ、メンバーをエナジャイズする(元気づける、励ます)ために、企業のすべての部門や階層にリーダーが必要になってきていることです。そして3つ目には、リーダーシップチームといわれるトップマネジメント層が変化に対応できずに、組織の阻害要因になってきており、そうした層の人たちのリーダーシップが求められているということが挙げられると思います。今年のASTDでは、こうしたニーズに応えるリーダーシップ開発の考え方やプログラムが数多く提示されていました。

次に強いリーダーを育成するための条件を、セッションの中から拾ってみると以下のような項目が挙げられていました。

・強力なリーダーシップのコンピテンシーモデルをもっている
・360°フィードバックを行っている
・公式なトレーニングを行っている
・リーダーシップのモデルはシンプル
・トップの目にさらされている
・トップが自ら指導する
・トレーニング以上の学習機会を用意する
・クロス・ファンクショナル・ローテーションの実施
・アクション・ラーニングの機会の提供
・成果責任が確立されている
そして、リーダーシップ開発のテーマとして挙げられていたことを整理すると、次の通りです。これはリーダーのコンピテンシーとして扱うこともできると考えられます。

【ゴール・ビジョン設定】
  ・顧客への結果にフォーカス
  ・成果責任
  ・心に訴えるビジョン
  ・意味を語る

【思考の仕方】
  ・創造的思考
  ・戦略的思考
  ・システム思考

【人々への対応法】
  ・ネットワーキング
  ・コミュニケーション
  ・ダイアログ
  ・人々との信頼構築
  ・コーチング・メンタリング

【成果創出行動】
  ・エンパワーメント(権限委譲)
  ・エッジ
  ・プロセス・システムの改善
  ・人々が変化を受け入れるプロセスをつくる

【態度姿勢】
  ・ウォークザトーク
  ・バルネラビリティ
  ・継続的学習
  ・チャレンジ

今後はこういったテーマについて、半年から1年かけて長期的にリーダーを育成するコースの開発が、各企業の中で独自に実施されるようになると思われます。

トレーニングの効果測定

昨年同様、トレーニングの効果測定というテーマが注目されていました。昨年までは効果測定をどのように考えるべきかという議論が中心で、そこに若干の具体的な方法論の提示があった段階でした。しかし、今年はより具体的な方法が提示され、事例も豊富に出てきました。今後は、トレーニングの効果を計測するのは単なる流行ではなく一般的な傾向になると思われます。

効果測定を議論する際に必ず引用されるのが、カーク・パトリックのレベル4のモデルです。それに対して、次のような応用モデルがいくつか出ています。

いずれにしても重要なのは、研修を設計する段階で何を測定するのかを明確にし、それについて事前に測定しておかないと、事後の効果測定はできないということです。

今後、企業の研修担当者は、役員などから効果測定の数字を提出するように迫られることが多くなるでしょう。そのときに注意しなければならないのは、ROIレベルを調べる必要がない研修と調べたほうがよい研修とを区別するということです。また効果が表れる時期が、半年後や1年後になる学習もあるので、測定時期を誤らないことも必要です。
そして、米国の統計的品質管理の第一人者であるW.E.デミングが言っていたように、「マネジメントで重要なことの中で測定できるものは3%しかなく、残りの97%は測定不可能だ」ということを理解して測定をすることが大切だと思われます。

パフォーマンス・コンサルタント

イバリュエーション(測定)と同様に、ここ数年で定着したのがパフォーマンス・コンサルタントという言葉です。ASTDでは、6年前からパフォーマンス・コンサルタントに関するセッションが行われ始め、今年はコンサルティングのモデルだけではなく、明確なデータとプロセスや具体的な方法論が紹介されていました。また、パフォーマンス・コンサルタントの仕事を通して、米国企業内のHR部門の役割を変化させている事例も紹介されていました。

パフォーマンス・コンサルタントは、「パフォーマンスを上げ、ビジネスゴールを達成するために、人々は何をしなければならないか」という観点から考えます。これは、「人々が何を学ばなければならないか」に焦点を当てていた従来のトレーニングプロセスとは異なるものです。こうした従来型のトレーニングを実施しても、実際の応用率は330%以下であるという調査結果も出ています。また、カンファレンス・ボードという団体が1994年に行った調査では、テクノロジーやダウンサイジング、リストラクチャリング、リエンジニアリングなどに多大な投資をしたにも関わらず、その企業の98%が「パフォーマンスを改善する必要がある」と回答したという報告もされています。

「パフォーマンスを上げるために、人々は何をしなければならないか」を考えるとき、働く人々のスキルの問題、モチベーションや職場の環境・しくみ、経営戦略など、パフォーマンスを取り巻くさまざまな要因を個別に捉えるのではなく、システム的に捉えることが重要なのです。こうした観点から、パフォーマンスを生み出すプロセスに焦点を当て、複数のソリューションを組み合わせて提供するのが、パフォーマンス・コンサルタントであると指摘されていました。

また、今回のカンファレンスでは、特に人へのフォーカスも強調されていました。パフォーマンス・コンサルタントは、パフォーマンス(結果・成果)を上げるためのコンサルティングを行いますが、パフォーマンスを上げるのは組織や制度ではなく、”人”なのです。つまり、パフォーマンス・コンサルティングとは、人にフォーカスを当てることでパフォーマンスを出していくプロセスということもできるのです。

リテンション

リテンションという言葉が、カンファレンスの随所に出てくるようになりました。従業員をいかに辞めさせないように守るかという問題です。

これについては、7月31日付けの日本経済新聞で次のような記事が取り上げられています。米小売り協会によると、傘下のスーパーなどで働くパートタイマーのターンオーバー率(1年間に退社する割合)は124%で、これは全員が1年以内に転職する計算になるということです。フルタイムの従業員の同比率も70%を突破している現状を受けて、米小売り業界は、「質の良い従業員の引き留めが重要な経営課題」と提言しています。
知識が人に付属している時代では、優秀な人が流出するということは、企業にとって致命的なことだという認識が高まっているようです。

ジェネレーションXY

今年のASTDでは、ジェネレーションXとかYといわれる、新しい世代についての問題が提起されていました。Xは22歳から35歳ぐらいの世代をいい、さらにそれよりも若い世代をYというそうです。これらの世代は、ベビーブーマーとは行動や価値観がまったく違っており、従来のやり方ではリテンションができなくなっているということでした。彼らは、お金だけでは動かない人たちなのでストックオプションを出すだけでは効果がないという報告がされていました。これからの企業は、自分の能力が高まるなどの金銭的な報酬以外の他の魅力を提供できないと、若い人材が流出してしまうということです。

信頼

また、信頼という言葉が強調されるようになってきています。当たり前のことを何をいまさらと思われるかもしれませんが、M&Aやダウンサイジング(リストラ)を行ってきた企業は、従業員からの信頼をまったく失ってしまうという事実があります。最近の学習型組織の研究グループからのデータでは、組織の中に信頼感がないと変革は成功しないし、その結果パフォーマンスも出てこないということが明らかにされています。そこで組織の変革など様々なモデルの中でも、「信頼を形成する」という要因が重要視されるようになってきています。これは綺麗事をいっているのではなく、信頼を本気でつくろうとしている傾向を示すものであり、注目に値すると思われます。

ネットワーキング

同様に、組織の変革を成功させるには、人々のネットワーキングがうまくいっていなければならないということが明確になってきています。また、ネットワークによって異質なものがリンクし、そこから新しい知識が生成されていきますので、知的資本に目を向けている企業もネットワーキングを重要な要因として考えるようになっています。

プロジェクト・マネジメント

7~8年前からリザルツやアウトカムを出すには、プロセスが大事だといわれ続けてきました。コンピテンシーが流行したのもそうですが、ここ数年こういったプロセスを管理する方法論が明確化されてきています。仕事の進め方も、部門を越えてパートナーシップを組んでプロジェクトチームをつくり、コラボレーション(協働)するようになってきています。そういった中でパフォーマンスを高めるための具体的方法論として、今年はプロジェクト・マネジメントという言葉をよく見受けました。

その他のキーワード

変化

以上の言葉の他に、「変化」という言葉がカンファレンスでは頻繁に出てきました。しかし、ここ数年に比べると、キャッチフレーズとして前面に打ち出されているというよりは、ベースとなるものとして扱われている感がありました。そして今回は、変化を変化させるといったニュアンスで、「本当に変化することを実践しよう」といったメッセージが出ていました。これに関連して「Walk the Talk」(言っていることを行っている)という言葉が見受けられました。

コンピテンシー

日本でも導入する企業が増えているコンピテンシーという言葉は、現在では完全に一般用語として使用されており、特別な言葉ではなくなっていました。従来混在していたコンピタンスという使い方は見られず、「コンピテンシー」という言葉で統一されているようでした。各セッションにおけるプレゼンテ-ションでは、ある仕事について説明する際には、それを行うためのコンピテンシーを説明するのが1つのパターンとして一般的になっている感じがするほどでした。また特徴的なこととして挙げられるのは、日本ではほとんど使用されていないコア・コンピテンシーという使い方が今年から多く見受けられたことです。

また、ウエスト・ミシガン大のブリンカホフ教授は、コンピテンシーについて「コンピテンシーを作るのにあまりエネルギーを割くのは好ましくない。コンピテンシーは1年経ったら変わるので、大まかにコンピテンシーモデルを作って、1年経ったら新しいものに作り替える方がよい」という指摘をしており、今後のコンピテンシーモデル作成の方向性を示すものであるように思われました。

キーワードの傾向

E-ラーニングという言葉は、前回の会議では見られなかったもので、今年になって突然全てがE-ラーニング一色になってしまった印象です。会議のオープニングの事務局によるプレゼンテーションでも、セッションの中でも、またEXPOの展示物もこの言葉になっています。聞くところによると、この1年の間にケープラーンでカンファレンスがあり、そこでE-ラーニングに関する議論が行われ、皆でこの言葉を使おうと決まり諸方面に呼びかけがあったそうです。
何をE-ラーニングというのかまだ明確に定義はされていないようですが、WBT(ウエッブ・ベースド・トレーニング)のことを言っている例もあれば「WBTからE-ラーニングへ」というような使われ方もしていました。要するにインターネットを使ったラーニングを指していることは間違いがありません。EXPO会場ではE-ラーニングやWBTの展示が80%位のシェアを占めていました。大手のトレーニングファームであるDDIなどもE-ラーニングに全面的に力を入れているのが伺えました。E-ラーニングの技術的レベルは、日本と差はないというのがITに詳しい日本からの参加者の共通した認識でした。しかし、E-ラーニングの会社が新規にどんどん設立されていて、それぞれに数十億円の売上があり、中国やシンガポールにまで進出しているのを見ると、果たしてコンテンツレベルでは日本と同じレベルにあるのかは疑問だという声もありました。セッションではE-ラーニングの技術的な紹介だけでなく、これでクラスルーム(集合研修)は無くなるのかという学習環境の変化の議論や、トレーニングやラーニングの業界に会計事務所やIT関係の会社やコンサルタント会社などの参入が増えて競争相手が無数になった という認識が語られていました。
例年と今年の特徴的な違いは、リーダーシップという言葉がでてきたことです。なぜ今更リーダーシップという言葉が出てきたのかが興味深いところです。理由としては3つ考えられます。1つは各企業が継続的に成長を続けるために次世代・次々世代のリーダーを育成するニーズがでてきたことです。2つ目は、意思決定のスピードをあげ、メンバーをエナジャイズするために、企業の全ての部門や階層の至る所にリーダーが必要になってきていることでしょう。そして3つ目には、リーダーシップチームといわれるトップマネジメント層が変化に対応できずに、組織の阻害要因になってきていることがあげられると思います。そういったニーズに応えるリーダーシップ開発の考え方やプログラムが提示されていました。
昨年同様、トレーニングの効果測定というテーマが注目されていました。昨年までは効果測定をどのように考えるべきかという議論が中心で、そこに若干具体的な方法論の提示があった段階でしたが、今年は具体的な方法が提示され、事例も豊富にでてきました。トレーニングの効果を計測するのは一般的な傾向になると思われます。
イバリュエーション(測定)と同様に定着したのがパフォーマンス・コンサルタントという言葉です。3年から4年前に出始めて、今年はますます明確なデータとプロセスや具体的な方法論が提示されてきています。この動きが、米国企業内のHR部門の役割を実際に変化させている事例も紹介されていました。パフォーマンス・コンサルティングはパフォーマンス(結果・成果)にフォーカスを当てます。パフォーマンスを上げるのは人なので、人にフォーカスを当てることでパフォーマンスを出していくプロセスのことをパフォーマンスコンサルティングといいます。従来のスキルトレーニングのように単一のスキルを100%教えても、実際の応用率は30%以下しかないというデータがあります。そこでプロセスに焦点を当てて、多数の解決策を組合わせたやり方で成果を出していこうというものです。
リテンションという言葉が随所にでてくるようになりました。従業員をいかに辞めさせないように守るかという問題です。知識が人に付属している時代になると優秀な人が流出するということは企業にとって致命的なことだという認識が高まっています。これはジェネレーションXとかYといわれる新しい世代で特に問題になっていました。Xというのは22歳から35歳ぐらいをいうそうですが、ベビーブーマーとは行動や価値観が全く違っており、従来のやり方ではリテンションができなくなっているということでした。彼らは、お金だけでは動かない人たちなのでストックオプションを出すだけでは効果がなく、自分の能力が高まることなどの他の魅力を企業が提供できないと流出してしまうということです。
また、信頼という言葉が強調されるようになってきています。当たり前のことを何を今更と思われる方もいるかもしれませんが、M&Aやダウンサイジング(リストラ)を行ってきた企業は、従業員からの信頼を全く失うという事実があります。最近の学習型組織の研究グループからのデータでは、組織の中に信頼感がないと変革は成功しないし、その結果パフォーマンスも出てこないということが明らかにされています。そこで変革などのいろいろなモデルの中で信頼を形成するという要因が重要視されるようになってきています。これは綺麗事を言っているのではなく、信頼を本気で作ろうとしている傾向が注目に値すると思います。
同様に、組織の変革を成功させるには、人々のネットワーキングがうまくいっていなければならないということが明確になってきています。そして、異質なものがリンクしていくことによって新しい知識が生成されていきますので、知的資本に目を向けている企業はネットワーキングを重要な要因として考えるようになっています。
7?8年前からリザルツやアウトカムを出すには、プロセスが大事だと言われ続けてきました。コンピテンシーが流行したのもそうですが、ここ数年こういったプロセスを管理する方法論が明確化されてきています。仕事の進め方も、部門(サイロ)を超えてパートナーシップを組んでプロジェクトチームを作りコラボレーション(協働)するようになってきています。そういった中でパフォーマンスを高めるための具体的方法論をねらっているのか、今年はプロジェクトマネジメントという言葉をよく見受けました。
以上の言葉の他に、当然ながら「変化」という言葉は、ベースとして頻繁にでてきますが、しかしここ数年に比べるとキャッチフレーズとして前面に打ち出されてはいませんでした。今回は、変化を変化させるといったニュアンスで、本当に変化を実践しようといったメッセージが出ていました。所々で「Walk the Talk」(言っていることを行っている)という言葉が見受けられました。
日本でも流行っているコンピテンシーという言葉は完全に一般用語として使用されていて、特別な言葉ではなくなっていました。従来混在していたコンピタンスという使い方は見られませんでした。各セッションの中では、その仕事を行うためのコンピテンシーを説明するのプレゼンのパターンとして一般的になっている感じがするほどでした。面白いのは、日本ではほとんど使用されていないコア・コンピテンシーという使い方が今年から多く見受けられたことです。

ASTD2000の全体的な傾向

本年のASTD大会の全体的な傾向としては、次のようなものがうかがえました。
今回は例年に比べると会議への参加者がやや少なく、基調講演に参加している人数を見ると80%から70%に減っているのではないかと思われます。
例年ですと、セッションに立ち席でも入れないケースが続出するのですが、今回はごく一部のセッションを除いて各セッションに余裕がありました。
参加者が減少したのは、開催地がダラスという観光的には何も魅力がない都市であったという理由か、ASTDのように幅広いテーマを扱うカンファレンスに対して、最近はリンケージ社が開催するようなテーマ別の数百人から2000人規模のカンファレンスが著しく増加しているために、専門的な興味を持っている人はそちらに流れているという理由によるのかもしれません。また、韓国などが従来は300人規模で来ていたのが、景気の影響で激減しているなどの理由も考えられます。
しかし、日本からの参加者は年々増加しており、各企業個別に200人位の人が来ているように感じました。また中国本土からもかなりの人数がきているようです。
EXPOの出展者は、増加の傾向にあり600社以上が参加しています。EXPOの会場を歩いている人の数は、例年よりも多い印象がありました。これはWBTに対する関心の高さによるのかもしれません。
オープニングの基調講演が始まる際には、例年ですとかなり趣向を凝らして観客を驚かすような演出(楽団入りの出し物など)があるのですが、今年はそういったものが全くなく地味にスタートしました。しかし我々参加者も、それに不自然さを感じなかったところから、ASTDに対する参加者の期待が、お祭り騒ぎではなく、コンテンツや実質的なネットワークづくりなどに変わってきていることに気づかされました。個別の会場でも、面白く派手な演出で毎年人気を呼んでいたセッションが今年は観客が減少していたようです。これは米国のトレーニング部門の置かれた状況の厳しさ(成果を出さないとアウトソーシングされて職を失う)から、成果といったパフォーマンスに結びつかないものに人々が反応しなくなっている傾向があるのかもしれません。
今回からASTDはミレニアムに向けて、イメージを変えました。従来、ASTDはアメリカ・トレーニング&デベロップメント協会という略称でしたが、今年からASTDが正式名称になりました。(法律的には従来の呼称のままです)マークも長年親しんできたトーチから、人々が協力して喜んでいるような図を表したものに変わりました。そして、キヤッチフレーズが「ASTDは人々と学習とパフォーマンスをつなぎます」(Linking People, Learning & Performance)というものです。この言葉からも分かるように、ASTDは今後、学習とパフォーマンスにフォーカスしてテーマを括っていこうとしているのが理解できます。
今回、ASTDの事務局側からのメッセージは、E-ラーニングという言葉とASTDのメンバー自らも変化しようということでした。
一昨年のワシントンDCでの大会は、会全体のメッセージ性が非常に高かったのですが、昨年のアトランタではメッセージ性を失っていました。今年はイメージチェンジを図ろうとしている意図は見えるものの、昨年大会初日に配られた全セッションのハンドアウトのCD-ROMが今年は間に合わなかったり、プログラムの背表紙タイトルが誤植になっていたり、登録者カードの参加者名がでたらめだったりというように会全体のパフォーマンスは下がっている印象を受けました。
今後ASTDがどういった人々を対象として、どのような情報やネットワークの機会を提供していくのかが問われるようになると思います。
今まで、ASTDは年々規模を拡大しながらも、マーケティングや会計や生産技術や人事労務のテーマを大会から外してきました。現在は参加者12000人を集めて、ラーニングとパフォーマンスにフォーカスをしていますが、その中でも入門レベルから専門レベルまでを幅広く扱っています。それは玉石混交の市場のようになり、ありきたりのおみやげ品を売っている商人と秘蔵されたお宝を売っている商人とが何百人もいるような状態です。参加者にとって、あまりにも多いセッションの中から新しい動向や自分に役立つ知識を見付けるのは並大抵のことではなくなっています。しかし細心の注意をしてみると、そのカオスの中に未来の動向の片鱗があったり、すばらしいベストプラクティスがでているのがASTDではないかと思います。また世界の動向のベンチマーキングをするには格好の場所として効用があるのではないでしょうか。
そういった意味で今年はやや地味なバザールの印象はありましたが、トレーニングの効果測定、パフォーマンスコンサルティングなどの確かな使える方法論がいくつか収穫でき、また自分達が行っている組織の変革やラーニングの押さえるポイントを確認できる大会だったと思います。


「HVDリポートVol2 No.3(2000/08/01発行)」より抜粋

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