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ATD(The Association for Talent Development)

ASTD2006概要

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ASTDについて

ASTDは、 1944年に設立された非営利団体で、世界中の企業や政府等の組織における職場学習と、従業員と経営者の機能性の向上を支援することをミッションとした、訓練・開発・パフォーマンスに関する、世界第一の会員制組織です。米国ヴァージニア州アレクサンドリアに本部を置き、現在100以上の国々に70,000 人余りの会員(会員には20,000を越える企業や組織の代表が含まれる)をもっています。

ASTDは国際的な企業と産業の訓練資源に対して比類ないアクセスをもち、この団体の事業は、世界の最高水準にあると認められています。ASTDは、トレーナーやトレーニング・マネジャーたちに専門的な開発材料やサービスを提供し、職場における学習促進を援助し、世界中の政府・企業等、各種組織に属する従業員や役員たちのコンピタンス・パフォーマンス・充足感を高める手助けをすることを使命としています。

ASTD2006の参加国・参加者数

本年の参加国数と参加者数は以下の通りとなっています。

参加者総数:約8,000名
参加国数:72カ国
海外参加者:1,700名
米国外からの参加者が多い順
・韓 国:372名
・カナダ:159名
・日 本:148名
・クウェート:85名
・デンマーク:73名

ASTD2006の主要テーマ

ASTD2006は、 以下の9テーマを中心に展開されました。

1.Career Planning and Talent Management
(キャリアプランニングとタレントマネジメント)
2.Designing and Delivering Learning(ラーニングをデザインし、デリバリーする)
3.E-Learning (Eラーニング)
4.Facilitating Organizational Change(組織変革をファシリテートする)
5.Leadership and Management Development
(リーダーシップとマネジメント開発)
6.Learning as a Business Strategy
(ビジネス戦略としてのラーニング)
7.Measurement, Evaluation, and ROI(測定、評価、ROI)
8.Performance Improvement(パフォーマンス改善)
9.Personal and Professional Effectiveness(個人的および職業的効果性)

ASTD2006の全体的な傾向

2006 年5月7日から10日までの間、ASTD2006、インターナショナル・コンファレンス&エクスポジションが米国テキサス州のダラス・コンベンション・センターで開催された。今年のASTD国際会議は、ハリケーンの影響でニューオリンズからダラスに開催地が変更になり、日程も1日縮小されたこともあってか、例年よりはやや静かな会議となっている印象だった。

会議への参加者も一頃は12,000人規模だったものが、毎年やや減少傾向にあり、今年の参加実数は8,000人と発表があった。

会議中の分科会として開催されるセッションの数も、例年が350程度だったものが、今回は250と減少していた。そのセッションの中でも2度同じものを行っているものが30位はあったと思われる。また、本会議の基調講演の目玉である元GEのジャック・ウエルチ氏の講演が病気のために突然キャンセルになり、がっかりした人も多かったのではないだろうか。

会議の内容としては、今年は特に際立って目立つ新しいトピックや、キーワードとして各セッションに共通して出てくるものはなかったものの、背後には今年のASTD国際会議のタイトルである「THINK BIGGER:大きく考える」にあるように、ものの見方・考え方を変えるという観点からのポジティブ・アプローチの推進とリーダーシップ開発への更なる探求が流れていたと思う。

ここ数年のASTDのトレンドを振り返ってみると、2000年ASTDでは「eラーニング」という言葉が始めて登場して、会場はeラーニング一色になっていた感があった。またその年には、「パフォーマンスコンサルタント」という言葉が使われるようになり、ただトレーニングを提供しているといったHRDの役割を現場のパフォーマンス改善にまで拡大していくことが提唱されていた。またこの年から「トレーニングの効果測定」が強調されるようになった。翌年の 2001年ではトレーニングの「ROI」が強調され、多くのセッションでROIを扱っていた。2002年には前年の9.11同時テロの影響から、人々のバリューについて考え方の変化(バリューシフト)が取り上げられ、リーダーシップのあり方にも変化がみられた。2003年では従業員のリテンションを高める必要や、働く人々の価値観の変化から「エンゲージメント」という言葉が各セッションで多く使用され、個人と組織の新しい関係のあり方が模索された。 2004年ではクーパーライダー氏のAIに対する業績が表彰され、ギャップアプローチだけでは駄目だという論調が強くなるとともに、各セッションでは「リフレクション」という言葉が多く使われた。そしてリーダーシップ研究の権威であるCCLが「リーダーシップは組織能力である」と定義し、すべての人がリーダーシップを高めることができるといったことが言われるようになった。そして昨年2005年では、「コンテクスト」という言葉が多く使用されていた。組織の文化やバリューを共有していくには、コンテクストを共有していく必要があるということである。またリーダーシップについては、リーダーシップを育成するには、どういった育成段階があるのかについて論じるものが多かった。そして共通して取り上げられていることとしては、まず自分について理解する(セルフノーイング)ことが重要で、次に周囲の人に対して、そして組織に対してという順番で開発されるという考えであった。

こういったASTDのテーマのこれまでの変化を振り返ってみると、ASTDで扱われてきたテーマが、1991年からのベンチマーキングやリエンジニアリングといったテクニック・メソッドを扱ったものや個別のプログラム紹介中心だったものから、理念や考え方にシフトしてきていることが伺える。

さて、2006年のASTDの傾向を改めてみると、こういった変化の延長線上にあるものであった。ASTDの事務局が意図したことかどうかは分からないが、モノの見方を変えようというメッセージが随所に見られた。一つは働く人々や組織の強みをみるようにしようというものであり、もう一つは違う視点であらためて事実を見てみようというものである。これは、ITの進展などで世界がフラットになり、複雑性が増している中で、リーダーシップや組織の開発を行うには、まず見方を変える必要があるという認識から来ているのではないだろうか。ものの見方を変えると違ったものが見える、そして意味づけが変化する、意味づけが変わると行動が変わるというところで、さまざまな考え方が紹介されていた。

それらは、基調講演のテーマからも伺えた。今回の基調講演でキャンセルになったジャック・ウエルチ氏の替わりに登場したのが、ギャロップでストレングス・ファインダーを開発したマーカス・バッキンガム氏であった。バッキンガム氏は、「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす」という日本経済新聞社刊の著者であり、人々の弱みに着目するのではなく、強みに着目することで自分を活かすという考え方を提唱している。マネジャーは、1人ひとりの強みをよく知って、強みを活かしあったベストチームを作ることで組織のパフォーマンスにも高い貢献をできることを説いていた。

2人目の基調講演者は、スティーヴン・レヴィットとスティーヴン・J.タブナーであった。この二人は昨年の米国のベストセラー「フリーコノミックス」を書いた人である。この本は先ごろ日本でも「ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する」東洋経済新報社刊として出版された。レヴィット氏は経済学者で、タブナー氏はジャーナリストである。この二人の講演の趣旨は、伝統的な知恵が必ずしも正しくないし、伝統的なデータも正確ではないので、正しいデータを集めて実際に何が起きているかを観てみようというものであった。この二人の講演はものの見方に関するものであったが、レヴィット氏がなぜこのような研究を始めたのかの自己紹介によると、MIT大学院に入ったものの数学がほとんどできなかったので、その弱みを克服するのは無理だと思い、自分らしいやり方をして成功したということだそうで、この人そのものも強みを活かすことのよい例であると感じた。

3人目の講演者はクララ・アダムス・エンダー女史であった。女史はご自分がノースカロライナのタバコ農場の極貧の小作人の10人子供の1人が、どうやって陸軍の看護士の准将として22,000人のリーダーになったかという体験から、リーダーシップと人生の教訓を語っていた。人生には沢山のチャンスがあると捉えて前向きに生きることと、成功するためには自分自身の管理の仕方を学ぶことだとしていた。とくに、人々に対する思いやりの大切さを語っていた。

その他のセッションでは、レジェンドシリーズで、AI(アプリシエィティブ・インクワイアリー)の創始者の一人であるデービット・クーパーライダー氏が「強みを基盤とした組織変革と組織学習における展望」と題して講演した(M100)。クーパーライダー氏は、従来よく行われてきた問題解決型のアプローチ(ギャップ・アプローチ)の効果性の限界を述べるとともに、AIによるポジティブ・アプローチの考え方と高い効果性、国連や海軍、その他の企業の成功事例などを紹介を通して、ポジティブ・アプローチの良さを提唱した。
リチャード・ホイットレー氏の「仕事にもう一度命を吹き込む」と題するセッション(SU204)でも、6つの質問を投げかけることでリフレーミングを起こし、個人の生き方や自分を肯定する考え方が紹介されていた。

カレン・ウィリス氏の「シアターの演出家の秘密」というセッションにおいては、演出家の仕事のコツが役者の長所を生かすことであり、これがマネジメントにも通じるのではないかという提唱を行っていた。(SU404)

また、キャシー・ヒュエット女史の「できた。ポジティブ・リレーションシップの力」(W316)など、強みを活かすという取り組みを扱ったテーマが多かった。

こういったセッション中によく引用されたのがダニエル・ピンクの「ア・ホール・ニュー・マインド」である。(邦題「ハイ・コンセプト――新しいことを考え出す人の時代」三笠書房刊)これはアナリティカルな捉え方からトータルな捉え方を提唱したものである。また地球は丸いという考え方に対して、トーマス・フリードマン 著の 「The World Is Flat:地球はフラットである」という考え方もよく引用されていた。これは、ITなどの発達により地球の裏表からくる24時間というものがなくなったことを指している。こういったものの見方を変え、改めて探求をしようというも傾向として伺えた。

リーダーシップは古くて、新しいテーマである。今年は特にリーダーシップに関するセッションが目を引いた。

こういったリーダーシップに関するセッションには、2つの流れがある。リーダーシップが開発できるものなら、リーダーシップの開発段階を明らかにしようというセッションと、リーダーシップに必要な特性を明らかにしようというものである。

データによってリーダーシップとは何なのか、今後どうなっていくのかを探求するセッションがみられた。リーダーシップに関する研究の米国の権威であるCCL(CENTER FOR CREATIVE LEADERSHIP)のセッションでは、世の中のトレンドが、リーダーシップ開発にどう影響しているかを28カ国800名のリーダーの調査をもとに提唱していた。それには、リーダーの目をフラット化に向けること、グローバルなワークアウトの必要性、クロスバウンダリーなどが必要で、今後はリレーションシップが低下し、コラボレーションが高まることから、新しいリーダーシップのあり方としての行動要件を紹介していた。(SU314)

米国大手の人材開発コンサルティング会社のDDIのリッチ・ウェリス氏等も「明日のグローバル組織のリーダーシップ」というセッションで調査結果を発表していた。これは、42カ国4,500人のリーダーとHR専門家に対する調査結果をもとにしたものでリーダーのあり方を明らかにしようとしたものであった。(M115)

その他のリーダーシップ開発に関するセッションで興味を引いたものには、以下のようなものがあった。

フレデリック・ミラー氏の「インクルージョン:組織変革を成功させる鍵」というセッションでは、「インクルージョン(包括)」という言葉を使って、リーダーシップのあり方を紹介していた。このインクルーシブとかインクルージョンという言葉は日本語では包含といった訳になるが、適切に意味を表現できているとは言いがたい。イクスクルーシブという閉じたという意味の正反対の言葉で、帰属意識とか、共感するとか、同じ目的を意識した仲間としてつながっている、また一人の人間として接するとか、組織を期待を持った人々の集まりとして見なすといった意味が感じられる。この言葉は他のセッションでも見受けられたところから、組織の今後のあり方を説明する鍵となる新しい言葉として今後も使われる予感がした。(TU111)

リーダーシップの特性を明らかにする例では、有名な7つの習慣のスティーブン・R・コビー氏の息子であるスティーブン・M・R・コビー氏の「信頼されているリーダーの13のふるまい」という題のセッションがあった。組織や社会における信頼の欠如がいかにコスト高とスピードの低下を招くことを事例を挙げて説明し、これからのリーダーシップでの重要な要素を信頼として、それを構築する行動を紹介していた。(SU201)

また、キャリア開発の第一人者であるベヴァリー・ケイ女史(TU300)が、キャリア開発の考え方を紹介しながら、「他のリーダーたちを育てるリーダーの役割」について紹介した。

ディブ・ホイッティングトン氏等の「事実上のチームスキルとチーム学習」というセッションでは、バーチャルチームでの運営で失敗する要因をあげ、実際の演習を通してリーダーの役割や行動のあり方が理解できるように紹介していた。(TU210)

R・ルーズベルト・トーマス氏の「多様性の次のレベルへの移行:リーダーシップ・ディベロップメントへの潜在的重要性」では、ダイバーシティへの取り組みへの変遷を紹介し、未だダイバーシティへの取り組みが進化せずに同じところの堂々巡りをしているところから、リーダーとしての戦略的ダイバーシティへの取り組みのあり方を喚起していた。
一昨年から出始め、現在一般的な用語となった「エンゲージメント」の事例としては、「ボーイングとFAAの新しい安全な組織を作るためのエンゲージ」というタイトルで、リチャード・アクセルロッド氏が講演した。それは、ラージグループでいかにチェンジハートを行うかをFAAがボーイングに審査を任せるプロセスを例にして、エンゲージメントの原則を紹介した。(TU205)

ジェニファー・コレッピング氏の「あなたはメンバーたちとエンゲージしていると思うか」というセッションでは、CUNAグループという金融機関での5,000人を対象にダイアログを行ったプロセスを紹介した。ここでは最近注目を集めているルートラーニングのディスカバーマップを素材に話しをしている点が、新しいアプローチであった。

その他のセッションでも共通していることだが、世の中の大きな変化に対応して組織が戦略を構築して行く際に、学習をどのようにリンクさせるか、またリーダーシップ開発をどのように行っていくのかなどを模索している感があった。いままで生み出してきたメソッドでは充分ではないと感じつつ、いまだ突破口が見えずに堂々巡りしているところから、もう一度見方を変えることで発展していこうという試行錯誤の黎明期(夜明け前)にいるような印象をもった会議であった。

次なる時代への萌芽が、来年の6月3日から6日まで開催されるアトランタでのASTD国際会議で見られるのか、それともASTDではなくて、他のコミュニティですでに新しいものが生まれているのか、今後の動きに注目をしていきたい。

ASTD2006エキスポジション

本年のエキスポの概要は以下のとおりであった。

○出展社数
ASTD2006プログラムガイドによると、本年度のエキスポでの展示は約370社であった。

○展示日
・月曜日 9:45a.m.−14:30p.m.
・火曜日 9:15a.m.−16:00p.m.
・水曜日 9:15a.m.−14:00p.m.

○エキスポの内容
本年度のASTDのEXPOにおいては、約370のブースが出展され、カテゴリーの総数は約60にものぼっていた(重複カテゴリーを含む)。例年同様、それぞれのブースでは、人々の学習とパフォーマンスの向上をサポートする様々な商品やサービスが紹介されていた。

ASTD2006EXPOの風景

全体的な傾向として、出展者数が昨年の330から370へと増加していており、正確な内訳は明らかではないが、印象としては、大手のベンダーの数が減少し、代わりに、今年から新たに出展した小規模のベンダーが増えているように見受けられた。また、数年前からの継続的な傾向として、2000〜2002年のEラーニングの全盛時と比較すると、Eラーニングを売りとしているブースの数は格段に減少しており、Eラーニングがトレンドではなく、ラーニングのひとつのカテゴリーへと化したことを象徴していた。
ブースの特徴としては、大手ベンダーを中心として、商品(研修プログラムやEラーニング・コンテンツ等)を大々的にプロモーションすることが少なくなってきているように感じられた。ブースに行っても、研修プログラムの内容が提示されていないケースも多く、外から見ただけでは、何をテーマにしている会社なのかよくわからない傾向が見受けられた。この背景には、ASTDが、企業のCEOなどを対象とした様々な調査の結果も踏まえた上で「HRDに求められている役割は、戦略とラーニングを結びつけることである」というメッセージを明確に打ち出しており、サービスを受ける企業側のラーニングに対する考えも、そうした方向にシフトしていることが考えられる。戦略とラーニングを結びつけるためには、当然ながら、既にありものの研修コンテンツを販売することよりも、顧客の戦略やニーズを把握し、それに対するソリューションを提供していくことが求められる。そのような背景から、派手に研修プログラムの宣伝を行うのではなく、顧客に足を運んでもらって、じっくりとニーズを聞いていこうという動きが強まったと考えられる。実際に、会場に椅子を並べて、デモンストレーションを定期的に実施するというベンダーは、以前と比較してほとんど見られなくなっていた。

そのような全体的な傾向の中で、今年注目を集めていたテーマとしては、以下の3点が挙げられる。

1) オンラインによるアセスメントやテストの実施

2) グラフィック・ファシリテーション

3) アートを活用したコンテンツ

これらの3点を以下に詳細に紹介していく。

1) オンラインによるアセスメントやテストの実施

Eラーニング自体を売り物として、販売していくベンダーは減少したが、一方で学習の様々な用途にEの要素が入りこんでおり、Eラーニングとラーニングの垣根がなくなってきたと言える。その一つの形態として、今回のEXPOにおいては、アセスメントやテストにオンラインを活用しようという動きが垣間見られた。具体的には、下記のようなベンダーの出展が注目を集めていた。

・Fenestra(フェネストラ)社
ニューヨークに拠点を置くタレント・マネジメントを専門としたコンサルティング会社が1年前に立ち上げたアセスメント・センター。同社の特徴は、候補者のアセスメントを行う場をセンターに限らず、電話やEメールなど様々な媒体をブレンドして行うことを通して、より今の社会のリアリティに即したアセスメントを行うというところであった。

Fenestra(フェネストラ)社のブース

・Comartis(コマルティス)社
スイスに拠点を置く、オンラインによるTesting Systemを提供するベンダー。同社のオーサリングシステムを使って、様々な形態のテストをWebベースで簡単に開発できるとのことであった。

Comartis(コマルティス)社のブース

2) グラフィック・ファシリテーション

近年ファシリテーションの中にもグラフィックを取り入れていこうという動きが進んでおり、大きく2つの流れがあると思われる。一つは、会議やミーティングをファシリテーションする際に、グラフィックを取り入れていくことによって、参加している人の理解度や記憶度を高めていこうとするといった議事録的な活用をするものである。もう一つは、その場で話されたことをファシリテーターが絵物語のように描きあらわしていき、全体のコンテクストを共有したり、リストーリーしたりするために使っていくものもある。今回のEXPOにおいても、グラフィックによるファシリテーションをサービスとして提供しているベンダーがいくつか見受けられた。特に前者の議事録的な使い方を意識したサービスを提供している会社には、以下のような会社があった。

・The Grove Consultants International(グローブ・コンサルタント・インターナショナル)社
会議やミーティングで使うファシリテーションのサービスを提供しているベンダー。同社のスタッフが実際に会議の場のファシリテーションを支援したり、ファシリテーターの養成を行ったりしているとのことであった。様々なグラフィックのツールを提供しており、参加者の注目を集めていた。

The Grove Consultants International(グローブ・コンサルタント・インターナショナル)社のブース

・Hands on Graphics(ハンズ・オン・グラフィックス)社
グローブ・コンサルタント・インターナショナル社と同様に、同社もグラフィックを用いたファシリテーションのサービスを提供している。ブースにいたコンサルタントのMilly Sonneman氏は、グラフィックの活用について書かれた「Beyond Words」という本を出版しているとのことであった。

Hands on Graphics(ハンズ・オン・グラフィックス)社のブース

また、コンテクストの共有をねらいとしたファシリテーションにおいては、昨年同様にRoot Learning社が、大きなブースを出展していた。

・Root Learning(ルート・ラーニング)社
同社は、Learning Mapと呼ばれる、企業の戦略をグラフィックに落とし込み、それを使って社員と対話を進めながら、戦略の浸透を図っていくサービスを提供している。マップを作成する際には、5〜6人のプロジェクトチームを組み、顧客と協働しながら、3〜4ヶ月かけて作成していくとのことであった。マップは、完全なカスタムメイドのものもあれば、汎用的なものを活用する場合もあるとのことであった。

Root Learning(ルート・ラーニング)社のブース

3) アートを活用したコンテンツ

3点目としては、上記2)と同じ流れであるが、特に新しく出店したベンダーを中心として映像や音楽などのアートを活用した研修コンテンツを提供するベンダーが増えているように見受けられた。昨年のコンファレンス以降、「コンテクストを共有すること」がメッセージとして打ち出されており、今年のセッションの中でも、「Innogizer」というカテゴリーにおいて、絵や音楽、ストーリー、演劇などをラーニングに取り込むことでコンテクストを共有していこうという動きが見られていた。それと同様の潮流がEXPOにおいても現れていたと考えられる。

・Lifelead International社(ライフリード・インターナショナル社)
組織変革のプログラムを提供するベンダーとして、米国のみならず、韓国や南アフリカなど幅広い国々でビジネスを展開している。プログラムのタイトルは、「Journey to Newland」と名づけられ、変革を「Old land」から「New land」への旅と見立て、ロードマップを8つのステージのもとに描き、進めていくという内容になっている。プログラムの中で、映像やメタファーを多用し、変革のコンテクストを従業員から経営陣まで共有していくことがプログラムの特徴であるとのことであった。

Lifelead International(ライフリード・インターナショナル)社のブース

関連するメンバー

私たちは人・組織・社会によりそいながらより良い社会を実現するための研究活動、人や企業文化の変革支援を行っています。