ATD(The Association for Talent Development)
ATD26事前レポート〜セッション概要から見るL&Dの探求の視点と今ATDに参加する意義〜

ATD International Conference & EXPO(ATD-ICE)は、ATD(Association for Talent Development)が主催する、世界最大規模のタレント開発に関するカンファレンスです。2026年は、5月17日〜20日に米国ロサンゼルスでの開催が予定されています。
本カンファレンスには、世界中の先進企業や教育機関、行政機関のリーダーたちが集い、国や業界の枠を越えて、現代の人材開発が直面する課題への取り組みや実践を共有し、学び合います。
ヒューマンバリューでは、約30年にわたりATD-ICEにデリゲーションとして参加し、世界の人材開発における最新動向を探求してきました。
本稿では、ATD26の事前レポートとして、基調講演や各トラックで予定されているセッションの概要や注目ポイントをご紹介します。ATDに参加される方にとっては現地での探求のヒントとして、また参加されない方にとっても、世界のLearning & Developmentの現在地を捉える一助となれば幸いです。
<目次>
・今年のATD-ICEについて(全体観)
・今年の基調講演
・セッション・トラック別の傾向と見所
・Leadership and Management Development(リーダーシップ&マネジメント開発)
・Talent Strategy & Management(タレント戦略&マネジメント)
・Future Readiness(未来への準備)
・Managing the Learning Function(ラーニング・ファンクションのマネジメント)
・Learning Technology(ラーニング・テクノロジー)
・Learning Sciences(ラーニングの科学)
・Measurement & Evaluation(測定と評価)
・Career Development(キャリア開発)
・Instructional Design(インストラクショナル・デザイン)
・Training Delivery & Facilitation(トレーニングの実施とファシリテーション)
・Personal Leadership Capabilities(個人のリーダーシップ能力)
・終わりに
関連するキーワード
今年のATD-ICEについて(全体観)
今年のATD-ICEは、米国ロサンゼルスで開催されます。西海岸という立地もあり、日本から参加する企業や実務家も例年より多くなることが予想されます。
一方で、2026年というこのタイミングで、いま世界情勢が大きく揺れ動く中、現地に足を運ぶこと自体にも、これまでとは異なる意味があるように感じます。多様な価値観や分断が交錯する現場の空気に触れながら、「いま、世界はどこに向かっているのか」「その中で人と組織の学びはどのような役割を果たしうるのか」を、肌感覚で捉える機会にもなるのではないでしょうか。
振り返ると、昨年のATDでは「AI-Powered」という言葉に象徴されるように、AIがカンファレンス全体の中心的なテーマとなっていました。AIをいかに人材開発に活用するかという議論にとどまらず、AIと人との共創の可能性、そしてAI時代における「人間らしさ(ヒューマニティ)」をどう捉えるのかといった、より本質的な問いが数多く投げかけられていたことが印象に残ります。
では、2026年のATDでは、その議論はどのように進化しているのでしょうか。生成AIの急速な普及を背景に、AIエージェントなど新たな技術の登場も含め、L&Dの実践がどのように変化しつつあるのか。基調講演や各セッションの内容から、その現在地を読み解いていきたいところです。
もう一つ注目しておきたいのは、ダイバーシティやインクルージョンをめぐる動きです。昨年はDE&I関連のセッションが大きく減少し、社会的な反発や揺らぎの影響を感じさせる状況でした。今年のプログラムを見ると、ニューロダイバーシティ、インクルーシブな学習環境、アクセシビリティなどを扱うセッションが一定数見られるようになっています。また、DEIをめぐる反発や葛藤を正面から扱うテーマも登場しており、この領域をめぐる議論の揺れや模索の様子もうかがえます。
さらに、こうした流れの中で、共感的なリーダーシップやインクルーシブなマネジメントのあり方を問い直すセッションも見られます。多様な人々がともに働く組織において、リーダーはどのように人の声に耳を傾け、学びの環境をつくっていくのか。社会的な議論の揺れ動きの中で、改めてその意味が問われているようにも感じられます。
ATD-ICEは、Learning & Developmentの専門家が集う場であると同時に、その時代の社会的な空気を映し出す鏡でもあります。AIの急速な進展、そして多様性や共感的リーダーシップをめぐる問い——。こうした潮流の中で、人と組織の学びをどのように捉え直していくのか。今年のATD-ICEは、そのヒントを探る機会になるのではないでしょうか。
今年の基調講演
上述したような意義を踏まえながら、今年の基調講演者を紹介したいと思います。
Freestyle+(フリースタイル+)
Freestyle+は、2020年のトニー賞特別賞を受賞した即興ラップグループ「Freestyle Love Supreme」のメンバーらによって設立されました。
創設者の一人であるアンソニー・ヴェネツィアーレ(Anthony Veneziale)氏を中心に、彼らは「即興のスキルは、舞台上だけでなく、あらゆるビジネスシーンにおけるコミュニケーションやコラボレーションの基盤になる」という信念を持っており、音楽、リズム、そして即興劇のメソッドを融合させ、個人の自信、創造性、そしてマインドセットを向上させることを目的としたワークショップやプログラムを提供しています。
彼らが大切にしているのは、「Game Recognizes Game(本物は本物を知る)」や「Stay Curious, Be Courageous(好奇心を持ち、勇気を出せ)」といったスローガンです。技術としてのラップや演技以上に、誰もが持っている「自分自身の声」を解放することに重きを置いています。
その上で、正解や台本のない時代において、インプロの基本原則である「Yes,And」のマインドセットを組織にインストールすることで、心理的安全性を高め、チームの潜在能力を最大限に引き出す手法を提案しています。
昨今のATDでは、AIなどのテクノロジー活用と並行して、「Human-Centric(人間中心)」なスキルの再評価が進んでいます。デジタル化が加速すればするほど、人間にしかできない「共感」「直感的なコラボレーション」「その場での創造的対応」の価値が高まっているからです。
Freestyle+の登壇は、以下の問いを私たちに投げかけています。
- 「失敗への恐怖」を、いかにして「発見への好奇心」に変えるか?
- 台本(マニュアル)のない状況で、いかにしてチームのシンクロニシティを生み出すか?
- 真の意味で「相手の声を聴く(Active Listening)」とはどういうことか?
彼らのセッションは、単なるスキルの習得を超えて、私たちが他者と関わる際の「あり方(Being)」そのものに変容を促す機会となるかもしれません。
また、なんといってもFreestyle+の最大の特徴は、その圧倒的なエネルギーです。音楽とリズムに溢れた彼らのセッションは、私たちを理屈ではなく「体験」として巻き込んでいくでしょう。 ATD26の会場で、彼らがどのような即興を繰り広げ、私たちの中にどのような新しい「リズム」が生まれるのか、組織の壁を越え、個人の創造性を解き放つためのどのようなヒントがあるのかが楽しみです。
Zack Kass(ザック・カス)
2日目の基調講演をつとめるザック・カス(Zack Kass)氏は、OpenAIの初期メンバーの一人でGo-To-Marketの元責任者でもあります。OpenAI在籍中は、セールス・パートナーシップ・カスタマーサクセスを担うチームを率い、同社の最先端研究を実際のビジネスソリューションへと転換する役割を担いました。
また、数十にわたる業界の経営幹部に対し、AIの大規模導入について直接アドバイスを行ってきました。現在はエグゼクティブ・ビジネスアドバイザーとして、コカ・コーラ、モルガン・スタンレー、アムジェンをはじめとするFortune 1,000企業の取締役会やリーダーシップチームと協働し、AIの進展に伴う変化にいかに適応するかを支援しています。
Kass氏は、AIを「わかりやすく、すぐに使えるもの」にすることで、個人・企業・政府がAI時代の能動的な参加者となれるよう後押しすることをミッションにしているそうです。応用AIの第一人者として広く認知されており、Fortune、Newsweek、Business Insiderなど多数のメディアに掲載されています。
また、2026年1月には『The Next RenAIssance: AI and the Expansion of Human Potential(筆者訳:次のルネサンスーAIと人類の可能性の拡大)』を出版しています。著書では、AIが電気のように安価・信頼性が高く・いつでも使えるリソースになった今、知性そのものがコモディティ化しつつあり、これが人類史上最大の能力拡張であると主張しています。AIをめぐる議論では、恐れや不安が強調されがちな昨今、この書籍では、AIの時代が人間にもたらす可能性について、楽観的かつ説得力のあるビジョンを提示しています。
また、「AIに何ができるか(Technical Threshold)」と「社会として何を許容するか(Social Threshold)」、この2つの間にある”adoption gap(普及ギャップ)”をどう乗り越えるかが未来を決定づけるとし、AIの制約はもはや技術的なものではなく、社会的・制度的なものだと語っています。技術の議論に終始しがちなAI本の中で、彼の主張を特徴づけているといえるかもしれません。 大きな変化の時代に希望を見出すことを重視し、AIは人間の仕事を奪うのではなく、より人間らしくあるための余白をつくることであると主張する彼の基調講演では、人材開発に携わる私たちにどのようなメッセージを投げかけてくれるのか、楽しみです。
Will Guidara(ウィル・ギダラ)
世界最高のレストラン『イレブン・マディソン・パーク(EMP)』を、ニューヨーク・タイムズの四つ星、ミシュランガイドの三つ星、そして2017年には「世界のベストレストラン50」で1位へと導いたウィル・ギダラ氏。彼による基調講演も注目です。
レストラン経営におけるサービスとリーダーシップの教訓を綴った彼の著書『Unreasonable Hospitality(理不尽なほどのホスピタリティ)』は、ニューヨーク・タイムズのベストセラーにも選ばれており、その哲学は業界を越えて支持されています。
基調講演テーマも、まさにそのタイトルを冠した『Unreasonable Hospitality: How Giving People More Than They Expect Can Get You To #1』。
ギダラ氏は、料理やサービス、デザインは、単に人間的なつながりというレシピを完成させるための材料に過ぎないという事実に気づいたといいます。彼はチームに対し、ゲスト一人ひとりに深く寄り添うよう促し、すべての人に同じ対応をするのではなく、個々に最適化した「ワンサイズ・フィッツ・ワン」の戦略を採用しました。
そして「夢織り人(Dreamweaver)」という役割を作り、『Unreasonable Hospitality(理不尽なほどのホスピタリティ)』を文化にしたのです。その革新的な視点が、EMPを凡庸なブラッスリーから世界最高のレストランへと変貌させました。
ギダラ氏は「このホスピタリティはサービス業に限らず、あらゆる業界や組織に当てはまる」と言います。
講演では、EMPをナンバーワンに導いた教訓がいかに汎用性のあるものであるか、そして人間的なつながりを追求するための「理不尽なほど(Unreasonable)」のアプローチが、どのように人々の記憶に永遠に残る体験を提供し、勝利を収めるのかが共有される予定です。 AIの進化が加速し、今まで以上に効率化が進む現代のビジネスにおいて、「理不尽なほど(Unreasonable)」に相手を想うホスピタリティ」こそが最強の競争優位性になると説く彼の哲学は、単なる接客術の枠を超え、これからの組織づくりや人材開発(L&D)に極めて重要な示唆を与えてくれそうです。
Liz Wiseman(リズ・ワイズマン) Researcher / Executive Advisor / Author
リーダーシップ研究者であり、世界中の企業エグゼクティブに助言を行うエグゼクティブ・アドバイザーとして知られるリズ・ワイズマン氏。ベストセラー『Multipliers』『Rookie Smarts』『Impact Players』の著者としても知られ、リーダーシップと人材開発の領域で大きな影響力を持つ思想家の一人です。
彼女はシリコンバレーに拠点を置くリーダーシップ研究・開発会社The Wiseman GroupのCEOを務め、Apple、Google、Microsoft、Tesla、Nikeなど、世界を代表する企業のリーダー育成にも関わってきました。また、Thinkers50において「世界で最も影響力のある経営思想家」の一人にも選ばれており、実務と研究の両面からリーダーシップのあり方を問い続けています。
今回の基調講演のテーマは「Building High-Impact Teams(高いインパクトを生み出すチームのつくり方)」です。変化と不確実性が常態化する中で、いかにしてチームが力を発揮し続けるのか。ワイズマン氏はこれまでの研究をもとに、人が主体的に動き、障害を乗り越え、互いに協働しながら成果を生み出すチームをつくるためのリーダーシップの実践を提示します。
多くの組織ではいま、停滞感や疲労感といった「組織のマレーゼ(malaise)」が広がりつつあるとも言われています。こうした状況の中で、リーダーはどのように人々の力を引き出し、チームの可能性を解き放つことができるのでしょうか。ワイズマン氏が提示する6つの実践は、単なるチームワーク論にとどまらず、個人の主体性と組織の成果をいかに結びつけるかという、L&Dにとっても重要な問いを投げかけてくれるものになりそうです。
AIが急速に浸透する時代において、人の力をどのように引き出し、チームとして価値を生み出していくのか。本講演は、そのヒントを示す時間になるのではないでしょうか。
セッション・トラック別の傾向と見所
ここからは、セッション・トラック別の傾向と見所を紹介していきたいと思います。
ATDでは、カンファレンスで行われるセッションがテーマごとに「トラック」と呼ばれるカテゴリーに分類されています。参加者は、自身の関心領域に応じてこれらのトラックを手がかりにセッションを選択することができます。
トラックの構成自体は例年大きく変わるものではありませんが、2026年は新たに「Personal Leadership Capabilities(個人のリーダーシップ能力)」というトラックが加えられている点が特徴的です。個人のリーダーシップやセルフリーダーシップに焦点を当てたテーマが、近年の人材開発の文脈の中で重要性を増していることがうかがえます。
ATDの公式ページ上に公開されている情報をもとに、2026年2月時点で確認できる主要トラックのセッション数をまとめると、下記の通りです。なお、ATDでは開催直前までセッションが追加・変更されることも多いため、実際のセッション数は今後増える可能性があります。
Leadership and Management Development(リーダーシップ&マネジメント開発):28セッション
Talent Strategy & Management(タレント戦略&マネジメント):20セッション
Future Readiness(未来への準備):14セッション
Managing the Learning Function(ラーニング・ファンクションのマネジメント):10セッション
Learning Technology(ラーニング・テクノロジー):14セッション
Learning Sciences(ラーニングの科学):9セッション
Measurement & Evaluation(測定と評価):9セッション
Career Development(キャリア開発):10セッション
Instructional Design(インストラクショナル・デザイン):19セッション
Training Delivery & Facilitation(トレーニングの実施とファシリテーション):22セッション
Personal Leadership Capabilities(個人のリーダーシップ能力):11セッション
以降、各トラックから見受けられる傾向と注目してみたいセッションを紹介します。
Leadership and Management Development(リーダーシップ&マネジメント開発)
ATDの中でも、リーダーシップ開発は毎年多くのセッションが集まる主要トラックの一つです。今年のセッション概要を眺めてみると、不確実性の高まる環境の中で「人の力をどう引き出すか」「チームの関係性をどう再構築するか」といった問いに焦点を当てたテーマが多く見受けられます。リーダー個人のスキルにとどまらず、組織やチームの関係性をどう育むかという視点が、これまで以上に重視されているようにも感じられます。
ケアや共感のリーダーシップ
近年のリーダーシップ開発において、共感(Empathy)やケアといった人間的側面への関心が再び高まっているように見受けられます。組織が不確実性やプレッシャーの高い環境に置かれる中で、人が安心して力を発揮できる関係性をどのように築くかが改めて問われているのかもしれません。
たとえば、「The “E” in the Room: Inside-Out Empathy in Action(部屋の中の『E』:内から外へ広がる共感の実践)」では、共感を単なる感情的な態度ではなく、神経科学に基づいた実践可能な行動として捉え直すフレームが紹介されます。共感をリーダーシップの習慣として組織文化に組み込むための具体的な行動モデルが提示される点に注目したいところです。
また、「Love Them Loudly: Why Managers Must Show They Care(堂々と愛を示そう:上司が配慮を可視化すべき理由)」では、キャリア開発の分野で長年影響力を持つBeverly Kaye氏が登壇し、マネジャーが部下への関心や配慮を「見える形」で示すことの重要性を提起します。ハイブリッドワークや世代間の違いが広がる中で、人が「見られている」「支えられている」と感じられる環境をどのようにつくるのか。ケアのマネジメントが改めて問い直されているように見受けられます。
不確実な時代のリーダーシップ
近年のATDでは、不確実性や変化の加速を前提としたリーダーシップを扱うセッションも増えています。今年もその傾向は続いているようです。
「Helping Leaders Navigate Uncertain Times With Confidence(不確実な時代を自信をもって舵取りするリーダーを支援する)」では、複雑化する環境の中でリーダーが不確実性を扱うためのスキルや支援の方法が紹介されます。リーダー自身が確信を持って行動できるようにするための支援が、L&Dの役割として改めて注目されていることがうかがえます。
また、「Rewiring Leadership: Leading Teams in the Age of Disruption(リーダーシップの再配線:混乱の時代のチームを率いる)」では、BANI(Brittle / Anxious / Non-linear / Incomprehensible)という概念を背景に、変化の激しい環境に適応するチームのあり方が提示されます。アン・ハーマン氏による研究をもとに、認知の違いをパフォーマンスの源泉として活かすチームづくりが紹介されます。 さらに、「Change Is Changing: Leadership Strategies for the AI Era(変化自体が変わっている:AI時代のリーダーシップ戦略)」では、AI時代におけるリーダーシップ開発の進化がテーマとなります。アンラーニングや時間シミュレーションといった手法を通じて、従来の前提を手放しながらリーダーが新しい環境に適応するための方法が提示されます。
分断の時代のコラボレーション
社会や組織の分断が語られることの多い現在、あらためて「つながり」や「協働」を再構築しようとするセッションも数多く見受けられます。
たとえば、「The Chemistry of Collaboration: Using Neuroscience to Build High-Performing Teams(協働の化学:ニューロサイエンスでハイパフォーマンスチームをつくる)」では、オキシトシンやミラーニューロンなど神経科学の知見をもとに、チームの信頼関係や協働を高める方法が紹介されます。脳科学の視点からタレント開発を読み解き、毎年注目されているブリット・アンドレアッタ氏のセッションです。
また、「Collective Confidence: The Secret Behind Teams That Refuse to Fail(集団の自信:失敗を拒むチームの秘訣)」では、チームの成功を支える要素として「Collective Confidence(集団的自信)」という概念が提示されます。疲弊したチームが多いと言われる現代において、チームが挑戦を続けるための心理的基盤をどのように築くのかが議論されます。
さらに、「Sustaining a Respectful Culture in a Time of Division(分断の時代に敬意ある文化を持続させる)」では、ポリクライシス(複合危機)の時代において、組織文化における「尊重」の重要性が改めて問い直されます。分断が深まる社会環境の中で、敬意ある関係性をいかに維持するのかがテーマとなります。 このほか、「Identity-EQ at Work: Building Unified Teams in Polarized Times(職場のアイデンティティEQ:分断の時代に統合チームを築く)」など、アイデンティティや価値観の違いを越えてチームを結び直そうとするセッションも見受けられます。
リーダーのあり方を問い直す
不確実性の高い時代、リーダーが何をやるか以上に、どうあるかのBeingが問われています。そうした中、リーダーの具体的行動や姿勢そのものを問い直すセッションも数多く見受けられます。
たとえば、「Flipping the Script: The Feedback Habit That Changes Everything(台本を反転:すべてを変えるフィードバック習慣)」では、リーダーが部下にフィードバックを与えるだけでなく、自らフィードバックを求める姿勢の重要性が取り上げられます。ジャック・ゼンガー氏によるこのセッションでは、リーダーの行動が組織文化に与える影響が改めて示されます。
また、「Leader Behavior Standards are Eroding. What Can Development Professionals Do?(リーダー行動基準が崩壊している。人材開発は何ができるのか)」では、世界的にリーダーの行動基準が揺らいでいるという問題提起がなされます。パトリシア・マクレガー氏が、権力と倫理の問題を含め、リーダーシップ開発の役割を問い直します。
さらに、「Resilience Isn’t Enough: You Need Failure Immunity(レジリエンスだけでは足りない:失敗免疫が必要だ)」では、失敗から立ち直るための新しいフレームとして「Failure Immunity」が提示されます。失敗を避けるのではなく、そこから学び続ける文化をいかに築くかがテーマとなります。
Talent Strategy & Management(タレント戦略&マネジメント)
このトラックは、組織内のタレント・マネジメントと、従業員のライフサイクルに関わるコミュニティに影響を与えるトレンドやトピックを扱うカテゴリーです。
昨年はほとんど見受けられなかったDEI関連のテーマは、その本質を残したまま、かたちを変えて大切にされているようです。例えば、ビロンギングやつながりといったキーワードであったり、一部の人だけを育成するのではなく、一人ひとりのAgencyを解放するといった姿勢に息づくものが感じられます。
ビロンギング
過去のATD(2024年)では、米国における政治的・社会的な背景から「DEI(多様性・公平性・包括性)への反発や分断」が大きな課題として浮き彫りになり、それを乗り越えるための「Belonging(帰属意識)」の重要性が語られ始めました。
ATD26ではこの流れがさらに明確になり、政治的に有害視されがちな従来のアプローチから脱却し、「帰属意識(Belonging)」を中心とした戦略へ再構築する動きが顕著です。 また、近年注目を集めている「ニューロダイバーシティ(神経多様性)」や「アクセシビリティ」を組織のDNAに組み込む実践的なテーマも継続しています。
『When DEIB Becomes a Four-Letter Word: Belonging Saves Talent Strategy(DEIBが忌避語になったら:所属感がタレント戦略を救う)』では、経営層の半数以上が多様性プログラムを後退させる一方で、従業員の84%が包括的な職場を求めているという板挟みの現状において、政治的な対立を超越し、測定可能で持続的な「帰属意識の創造」モデルが提示されます。
『Equity Starts at the Top: Embedding Accessibility Into Organizational DNA(公平性はトップから:アクセシビリティを組織DNAに組み込む)』では、アクセシビリティが組織のDNAの一部となると、単なる法令遵守にとどまらず、イノベーションと公平性を促進できるとして、デジタルアクセシビリティ成熟度モデルを用いて組織のミッションと文化を評価し、インクルーシブな実践を組織環境に組み込むことについて探求します。
バーンアウト
ATD25では、「バーンアウト」や「静かな退職」が大きなキーワードとして取り上げられていました。今年も継続してこのテーマを取り上げ、つながりやエンゲージメントをどのように回復させられるかが、議論されるようです。
例えば、『From Blah to Belonging: How L&D Can Fix the Funk(退屈から所属へ:L&Dが停滞を打破する方法)』では、組織文化の停滞を見抜き、プログラムに「繋がり」を組み込むことで、研修を変革のツールへと変え、真の帰属意識や心理的安全性を育む体験をデザインする方法を探求します。
人材育成の見直し
今年見られる新たな動きとして、人材育成やサクセッションプランニングの前提となる考え方の見直しが起きているように感じられます。これまで一部の優秀な人材(HiPo)だけを対象としがちだった後継者育成計画が、もはや機能していないという現実に向き合い、一人ひとりのエージェンシーを解き放つ育成へとシフトしていこうとするトレンドです。
『The Changemakers Guide to Developmental Succession Planning(開発的後継計画のためのチェンジメーカー・ガイド)』では、役職や勤続年数、背景に関係なく、すべての従業員をHiPo(高潜在能力人材)として育成するという、公平性と長期的影響を最優先した新しい後継者育成モデルが提示されます。
また、『Smothered or Supported? Actions for Unleashing Individual and Team Agency(抑え込むか支援するか:個人とチームの主体性を解き放つ行動)』では、マイクロマネジメントによる息苦しさを取り除き、従業員を単なる実行者ではなく「自分の仕事のリーダー」として扱い、主体性と責任感を高める方法について扱われるようです。
Future Readiness(未来への準備)
本トラックは、変化する内的・外的な要因(組織・事業戦略、労働力の確保、他業界の動向、社会の動向、技術の進歩など)を捉え、組織あるいは専門家として未来に備えるための知識・スキル・好奇心を高めることに資するセッションを集めたトラックになります。
ATDが2020年1月に発表した「Talent Development Capability Model」の中でも「Future Readiness(未来への準備)」は特に重要な能力の一つとされています。 今年のセッションを俯瞰すると、「漠然とした未来予測」や「変化への心構え」といったテーマから脱却し、「AIという異質な知性と人間がどう共進化するか」「激しい環境変化に適応するための脳科学的アプローチ」という、極めて具体的かつ切迫したテーマへと議論が深化している様子が窺えます。
生成AIから「エージェント型AI」への移行と、組織的リスク・リテラシーの管理
AIの進化スピードに対応するため、議論はすでに「プロンプト入力」の次元を超えています。
「From Generative to Agentic: Activating the Workforce on AI Agents(生成からエージェントへ:AIエージェントで現場を動かす)」のセッションが示すように、自ら計画・推論・行動する「エージェント型AI」が業務をどう変革するかが焦点となっています。
同時に、AI導入に伴う「リスク」と「リテラシー」に強い警鐘が鳴らされています。
「When AI Fails, Organizations Pay: Teaching AI Risk Detection(AIが失敗すると組織が代償を払う:AIリスク検知を教える)」においては、Workdayの採用AIに関する訴訟事例などを引き合いに出し、システム的なバイアスや連鎖的なAIの失敗(Cascading failures)を検知・回避する能力がL&Dに不可欠だと指摘されています。
また、ATDの最新AIリテラシー報告書では、プロンプト・リテラシー、LLMリテラシー、総合的AIリテラシーの3つを構築することが急務だとされていますが、「Develop Organizational AI Literacy in the Age of Generative AI(生成AI時代の組織的AIリテラシー育成)」のセッションでは、この報告書に基づきながら、こうしたリテラシーを構築するためのガイドラインとチェックリストが提供される予定です。
「ハイパーラーニング」とニューロサイエンス(脳科学)の融合
変化のスピードと俊敏性が企業の発展を左右する時代において、学習スピードをいかに速められるかは最重要課題の1つとなっています。そこで注目されているのが、ニューロサイエンスの活用です。
「That’s So Dope: Neuroscience, Engagement, and Hyperlearning(最高にイケてる:ニューロサイエンス・エンゲージメント・ハイパーラーニング)」では、 ドーパミンの活性化や感情的安全性、多感覚へのアプローチを通じて、より迅速なスキルアップと深い記憶定着を実現する手法が探求されています。
また、「Build Teams That Outthink AI(AIを上回る思考をするチームをつくる)」では、単にAIを使うだけでなく、創造的問題解決能力やメタ認知スキルを鍛えることで「AIを上回る思考をするチーム(Outthink AI)」を構築するという、人間の認知能力自体の底上げ(アップグレード)が重要なテーマとなっています。
スキルベース組織への移行とL&Dの「新しい役割」
予測不能なビジネス環境において、L&D部門自体の在り方やキャリアパスも根本的な再定義を迫られています。
「Dream Jobs of the Future: Talent Development’s Most Wanted(未来の夢の仕事:タレント開発が求める最優先人材)」では、AIウィスパラーや神経可塑性コーチ、デジタル学習考古学者といった全く新しい役割がL&Dの中に登場することが予測されています。
また、「Rethinking Learning Ecosystems: Meeting Learners and Organizations Where They Are(ラーニング・エコシステム再考:学習者と組織の今に合わせる)」や「How to Get Buy-in For Your Skills-based Organization Journey(スキルベース組織への変革を推進するための合意形成方法)」といったセッションを中心に、従来の中央集権的なLMSから脱却し、スキルデータやAIコンテンツを統合した「つながる学習エコシステム」への移行や、組織を「スキルベース」へと転換するための取り組みや手法が数多く議論されています。
人材開発(L&D)の役割は、単に未来の変化に「追いつく」ことから、未知の課題に対して組織の「失敗への免疫」を高め、未来の学習エコシステムを戦略的に設計するプロアクティブな建築士へと進化することが求められていると言えるかもしれません。
Managing the Learning Function(ラーニング・ファンクションのマネジメント)
このトラックでは、組織の中でラーニング機能をどのように設計・運営していくかというテーマが扱われます。L&Dは単に研修を企画・実施する役割にとどまらず、ビジネス戦略やタレント戦略と連動しながら、組織のパフォーマンスを支える機能として期待されるようになっています。その役割は、パフォーマンス・コンサルティング、組織開発、タレント戦略との連携など、年々広がりを見せています。
今年のセッション概要を眺めてみると、L&Dがビジネスとどのように関係性を築き、価値を示していくかという点に焦点を当てたテーマが多く見受けられます。ステークホルダーとのパートナーシップ、データの活用、そしてAI時代における学習戦略の再設計など、Learning Functionそのもののあり方を問い直すセッションが目立つ構成となっています。
ステークホルダーとの関係性構築と戦略パートナーシップ
L&Dが組織の中で価値を発揮するためには、ビジネス部門との関係性が重要になります。今年のトラックでも、ステークホルダーとのパートナーシップをどのように築くかを扱ったセッションが多く見受けられます。
たとえば、「Turning Stakeholders Into True Strategic Partners (Even the Tough Ones)(ステークホルダーを真の戦略的パートナーへ)」では、L&Dチームが単なる“オーダー受け”の存在から、戦略パートナーへと認識を変えていくための方法が紹介されます。Strategic Business Partner Gridを用いてステークホルダーとの関係性を可視化し、信頼や影響力を高めるための具体的なアプローチが提示されます。
また、「Unlock Stakeholder Partnership: Turn Course Requests Into Business Results(研修要請をビジネス成果へ)」では、「とりあえず研修を」という依頼を、パフォーマンス課題の解決へと転換する対話の方法が紹介されます。3つの診断質問を起点に、本来解決すべき課題を明らかにし、学習施策をビジネス成果へと結びつけるフレームワークが提示されます。
さらに、「Fit the Pieces Together: A Simulation for TD Leaders(TDリーダー向けシミュレーション)」では、ATDのタレント開発フレームワークを用いながら、組織のビジネス課題に沿ったラーニング機能の設計を体験的に学ぶことができます。TDリーダーが戦略的な役割を担うための思考プロセスが提示されるセッションと言えるでしょう。
興味深い点として、「Fuel or Friction? Leveraging Emotions to Accelerate Business Strategy(燃料か摩擦か?感情を活用してビジネス戦略を加速)」では、組織変革を進めるうえでの“感情”の役割に焦点が当てられています。変革の過程で生じる抵抗や不安といった感情をどのように扱うかという観点は、ステークホルダーとの関係性を築くうえでも重要な視点となりそうです。
また、「Build, Buy, or Bot: Rethinking Talent Development for AI Disruption(構築、買収、それともボットか)」では、AI時代における人材開発戦略の選択肢が議論されます。自社で開発するのか、外部から導入するのか、AIツールを活用するのかといった判断をどのように行うかという、実践的なフレームワークが提示されます。
データを価値へ
もう一つの特徴として見られるのが、L&Dにおけるデータ活用を扱ったセッションです。単にデータを収集するだけでなく、それを組織の意思決定や戦略に結びつけることが求められていることがうかがえます。
たとえば、「Design Like a Strategist: Aligning Talent With Culture and Data(戦略家のように設計する)」では、データ、デザイン思考、ラーニングデザインを組み合わせながら、タレント施策を組織文化やビジネス戦略と整合させる方法が紹介されます。人材データをもとに施策を設計し、ステークホルダーの納得感を高めるアプローチが提示されます。
また、「Transform Your Data into Visual Stories That Drive Decisions(データを意思決定を促す視覚的なストーリーに変換する)」では、L&Dの成果をどのように伝えるかというテーマが扱われます。研修の参加率や評価指標といったデータを、意思決定につながるストーリーとして伝える「データストーリーテリング」の手法が紹介されます。データの可視化やレポーティングの工夫を通じて、L&Dの価値をより効果的に伝えるための実践的な視点が得られそうです。
今年のManaging the Learning Functionトラックを俯瞰してみると、L&Dが単に学習プログラムを提供する役割から、ビジネスとともに価値を創出する戦略的機能へと進化していくための実践知が数多く示されているように感じられます。ステークホルダーとの関係構築、データの活用、AI時代の学習戦略——。こうしたテーマは、Learning Functionのあり方を改めて問い直す上で、多くの示唆を与えてくれるのではないでしょうか。
Learning Technology(ラーニング・テクノロジー)
本トラックは、学習の専門家がどのようソフトウェアやテクノロジーを実務に活用しているかを扱うセッションで構成されています。
LMS(学習管理システム)の小規模チームでの運用や、カスタマー教育といった基盤的な技術運用に関するセッションも存在しますが、トラック全体の圧倒的な関心事は「AI(人工知能)」です。単なる業務効率化ツールとしてではなく、「L&Dプロフェッショナルと協働するエージェント」としてのAIのあり方、人間中心の学習体験を生み出すための活用の仕方が深く探求されています。
「単発のプロンプト」から「自律型AIエージェント・アバター」への進化
最も顕著な変化は、ChatGPT等との一問一答(プロンプト)の段階を抜け出し、タスクを自律的にこなすAIシステムへの移行です。「From Prompts to AI Agents(プロンプトからAIエージェントへ」のセッションに象徴されるように、学習ワークフローの自動化やパーソナライズを担う「AIエージェント」の構築が議論されています。
さらに、オランダの事例を基にした「Design Your Trainer AI-Avatar(トレーナーAIアバターを設計する)」では、学習者の質問に24時間365日対応する「AIアバター」の設計・展開方法が紹介されており、人間のトレーナーが担うべき領域と、AIに任せるべき領域の明確な切り分けが始まっています。
AIツールの利用拡大に向けた戦略と倫理
多くの企業が抱える「小規模なAIのテスト導入はしたものの、全社規模にスケールしない(Pilot Purgatory:パイロットの煉獄)」という課題に対するアプローチも提示されています。
「Cutting Through the Chaos: AI Implementation Guide for L&D(混沌を切り拓く:L&D向けAI導入ガイド)」のセッションでは、単なるツール導入ではなく、ビジネス目標と紐づいた「AI North Star(AIの北極星)」を定義することや、14の次元を持つ「AI Implementation Canvas」を用いて複雑な導入プロセスを整理する手法が提案されています。
また、法的リスクやバイアスを回避し、人間の主体性(Agency)を高める「社会的責任あるAI(Socially Responsible AI)」の枠組みも重要なテーマとして浮上しています。
「Responsible AI in Talent Development(人材開発における責任あるAI)」では、人間の主体性と学習の公平性を促進しながら、信頼に基づくAI導入をリードするための具体的な戦略が扱われる予定です。
「Inclusive AI: Elevating Learning & Talent for All Through Accessibility(インクルーシブAI:アクセシビリティで学習とタレントを底上げ)」では、見えない障害を持つ従業員や多言語環境のスタッフにとって、学習を真にアクセシブルにするためのAIの活用法が紹介され、倫理的なAI導入を通じたビジネス結果の出し方についての探求が行われます。
画面を飛び出すテクノロジー(現場向け学習とマルチモーダル)
テクノロジーの適用範囲は、デスクワーカーのPC画面上にとどまりません。「Hands-Free Learning(ハンズフリー学習)」のセッションでは、スマートグラスやモバイルデバイスを活用し、現場の従業員が業務の手を止めずにジャスト・イン・タイムで学習する手法が探求されています。
また、「The LxD Mixtape(LxDミックステープ)」では、AIを利用して「学習用の音楽」を生成し、脳科学的アプローチから記憶やエンゲージメントを高めるという斬新なアプローチも登場しており、テクノロジーを用いた学習体験の「多角化」が進んでいます。
Learning Sciences(ラーニングの科学)
このトラックでは、個人が情報を取り込み・定着させる方法、つながりやアイデアを形成する方法、そして職場でのパフォーマンス向上のために新しい行動・スキル・知識を実践する方法など、科学的根拠に基づいたやり方を理解し、活用することに関心をもつ方向けのセッションが集められています。
ATD26では、これまでの「心のケアや心理的安全性」といったテーマを土台にしつつ、脳の仕組み(脳神経科学や認知心理学)を直接的に現場のマネジメントやフィードバック戦略、AI活用に落とし込むような、実用性の高まりを感じるのが特徴といえるかもしれません。
フィードバック
昨年から継続しているテーマとしては、フィードバックに対する抵抗感にどのように対処していくかを認知心理学の視点から解釈するセッションです。『Coaching Leaders to Deliver Feedback That Drives Performance(パフォーマンスを高めるフィードバックを行うリーダー育成)』では、フィードバックが逆効果になる理由を神経科学と行動研究に基づいて解き明かします。
リーダーが「タスク(能力)」と「関係性(温かさ)」の2つの側面を調整し、相手の神経学的・感情的な抵抗を防ぎながら成長を促す対話モデルを学びます。『Um, Actually, You CAN Correct People Without Looking Arrogant!(実は、傲慢に見せずに指摘できます!)』では、学習の現場で誤った情報に遭遇した際、相手を軽視したり敵対視させたりすることなく、間違いを正すための心理学的なアプローチを探求するようです。
神経多様性への注目
ATD24では脳科学(神経科学)が盛んでしたが、ATD25では一時的に「成人学習理論」や「認知心理学」にシフトし、脳科学系のセッションが減少した傾向がありました。 しかしATD26では、脳科学が「ニューロダイバーシティ(神経多様性)」や「多世代マネジメント」といった具体的な現代課題と結びついて再登場しています。
『Brain-Based Management: Leveraging Neurodiversity Across Multi-Generational Employees(脳科学に基づくマネジメント:多世代の従業員にニューロダイバーシティを活かす)』では、年齢や発達段階によって異なる脳の実行機能にどう対応するかなど、より現場のマネジメントに直結した科学的アプローチが特徴となっています。
AIを用いたクリティカルシンキングの強化
これまでのATDでは、「AIをどう学習ツールとして活用するか」「AI時代の感情知性(EQ)」といったテーマが主流でした。 今年のLearning Sciencesのトラックで扱われるAI関連のセッションでは、さらに踏み込んだ議論が繰り広げられる印象です。
例えば、『Brain, Heart, and Courage: Strengthening Critical Thinking With AI(脳・心・勇気:AIでクリティカルシンキングを強化)』では、AIを使って人間の思考力を実際に高める手法を学ぶなど、「AIが人間の思考力を奪うのではなく、正しく使うことで人間のクリティカル・シンキング(批判的思考)をいかに研ぎ澄ますことができるか」という、人間の認知能力向上を目的として、AIの活用が提示されています。
Measurement & Evaluation(測定と評価)
このトラックでは、トレーニングの効果性を高めるためのデータの取り方やL&DのROIの適切な測定方法、そしてデータの活用方法に関するセッションが扱われています。
かつての本トラックは、評価モデルの創始者たち――ジャック・フィリップス氏(ROIモデル)や故カーク・パトリック氏(4段階評価モデル)の手法が中心でしたが、現在はそれらのモデルを現代的な視点で再解釈・再適用するアプローチが主流となりつつあります。
評価の文化醸成とビジネス戦略の推進:伝統的モデルの再定義
1つ目の見どころは、評価モデルの代名詞とも言えるカークパトリック・パートナーズの面々によるセッションです。
「4+10=Success: 10 Practical Tips for Today’s Kirkpatrick Four Levels」では、故カーク・パトリック氏の4段階評価モデルが、これまで数十年におけるグローバルな導入実績からどのように進化し、適応してきたのかを明らかにします。「Building a Culture of Evaluation With the New Kirkpatrick Model」では、同モデルによって組織内に評価の文化を根付かせ、ビジネス戦略の原動力として活用していくヒントが得られそうです。
またジャック・フィリップス氏が会長を務めるROI Institute,incのCEOであるPatti P. Phillipsがスピーカーを務める「Demonstrating the Impact and ROI of Talent Development」では、不確実性の高い投資環境において、タレント開発がいかに価値を生み出しているかを、説得力を持って示す手法が提示され、上記セッションと合わせて注目したいと思います。
ソフトスキルをハードデータへ:ジャック・フィリップス氏の視点
またジャック・フィリップス氏自らが登壇する「Connecting Soft Skills to Hard Data」も見逃せません。これまで測定が難しいとされてきたコミュニケーションやリーダーシップ、マインドフルネスといったソフトスキルを、いかに客観的な数値(ハードデータ)へと結びつけ、ビジネスへの寄与を証明するか。ROIのレジェンドが示す新たな視点は示唆に富むものになるのではないかと思います。
規格化と戦略的アライメント
測定の標準化という文脈において、L&D測定に関するISO新規格の策定にも携わったデビッド・ヴァンス氏のセッション「Select the Right Metrics for Your Program (s)」にも注目したいと思います。無数にある指標の中から、プログラムの目的に応じて正しく選択するためのフレームワークは、データの扱いに悩む実務家にとっての指針になるかもしれません。
さらに、フランクリン・コビー社による「Leveraging Evaluation to Create Alignment, Engage Stakeholders, and Drive Results」も興味深い内容です。評価を単なる「事後の検証」ではなく、ステークホルダーとの合意形成(アライメント)やエンゲージメントを高め、最終的な結果を導き出す戦略的ツールとして活用するアプローチが語られるようです。
Career Development(キャリア開発)
本トラックは、人材開発のプロとしてのキャリアを開発しようとしている専門家向けのセッションや、組織の従業員など他者向けのキャリア開発プログラムを担当している方に向けたセッションが集められています。現時点では、4日間で21のセッションが予定されています。
ATD26のキャリア開発では、柔軟なキャリア観や戦略的L&Dなど、これまでの流れも踏まえつつ、社会やテクノロジーの変化を受けて、何を軸としてキャリアを歩み、個人がどう組織とつながっていくのかについて、様々な考察・新たなインサイトが得られる機会になりそうです。
L&D専門家向けのセッション
L&D専門家向けのセッションとしては、ATDでは毎年おなじみとなっているElaine Biech氏のコンサルタントとしての成功の秘訣を学ぶセッション「5-Day Challenge to your Successful Consulting Career(成功するコンサルティング・キャリアへの5日間のチャレンジ)」は、今年も開催されるようです。カンファレンス開催期間中にコーチングを受けるなど、5日間をかけて現地でリアルな学びを得ることができるように設計されています。
また、「Beyond Training: Habits That Set Strategic L&D Professionals Apart(研修のその先へ:戦略的L&Dを際立たせる習慣)」では、L&Dの専門家が単なる「トレーナー」から脱却し、ビジネスの成果に影響を与える「戦略的なビジネスパートナー」になるために必要な習慣や行動様式について、語られます。
柔軟なキャリア観への注目
2024年のカンファレンスでは、昇進だけを目指す直線的なキャリアから、柔軟に可能性を探る「万華鏡型キャリア」の重要性が提唱されていました。また、2025年は年齢にとらわれない成長支援(シニア世代の活躍やエイジズムの払拭など)が注目されていましたが、2026年のカンファレンスにおいてもこれまでと同様の流れが見受けられます。
「Career Canvas: Redesigning Multidirectional, Age-Ready Careers(キャリア・キャンバス:多方向で年齢に応じたキャリアを際設計する)」というセッションでは、直線的なラダー方式ではなく、キャリア初期から後期にわたる、あらゆるステージの人材に適したキャリア設計のモデルが紹介されるようです。
Career Agencyへのシフト
キャリア開発のセッションの中には、これまでの流れを汲むものもありますが、2026年になって変化を感じさせるトレンドも見受けられます。
例えば、これまでのキャリア開発の文脈では、長年にわたり「自らキャリアのオーナーシップをもつ(own your career)」というスローガンが一般的でしたが、役割やスキルが急速に変化する現代において、2026年のカンファレンスでは、このモデルからの脱却が提唱されているセッションがありました。
ヒューマンバリューでも翻訳・出版している『会話からはじまるキャリア開発(原著:Help Them Grow, or Watch Them Go)』の共著者であるJulie Winkle Giulioni氏が担当する「Career Agency: The Next Frontier in Development, Engagement & Retention(キャリア主体性:育成・エンゲージメント・定着の次のフロンティア)」です。
本セッションでは、 これまでの予測可能な5カ年計画や、明確なキャリアパス、体系的なキャリア支援などの古い枠組みが通用しなくなった現代において、好奇心やデータ、リアルタイムのデザインを通じて従業員が成長できるよう、キャリアにおける主体性(Career Agency)を育む必要があることが語られるようです。
テクノロジーの進化による影響
2025年のカンファレンスで最も多く取り上げられたテーマに、AIやテクノロジーの進化があります。AIについてはトラックを問わずに多様な側面から語られていました。2026年も、他トラックと同様、AIをより効果的にキャリア開発に生かしていく動きが見受けられました。
「Using AI to Personalize Career Growth—At Scale(AIでキャリア成長をパーソナライズ―組織的にスケールする)」というセッションでは、AIを強力かつアクセスしやすいキャリアコーチングパートナーとして活用し、従業員が自らの成長を主体的に推進できるようにする方法を学ぶことができるようです。
同時に、テクノロジーの進化に伴うリスクへの対処方法について、議論されるセッションもあり、2026年の特徴と言えるでしょう。「Tech-Induced Imposter Syndrome: Overcoming Self-Doubt in an AI Obsessed World(テクノロジーに起因するインポスター症候群:AI偏重の世界で自己疑念を克服する)では、AIの進化によって、圧倒的な比較意識、絶え間ないスキルアップのプレッシャー、そして「自分は決して十分ではない」という感覚が生まれる要因や対処法について紹介されます。
Instructional Design(インストラクショナル・デザイン)
本トラックでは、組織における学習の計画や設計およびトレーニング開発に携わる人々にとって具体的な支援ツールやティップスを得られるセッションが集まっています。2026年のセッション群を見てみると、AIの力を借りながらも、人間中心の視点を忘れない学習デザインのヒントや実践が得られそうです。
AIを活用した学習デザイン:実践と「人間らしさ」の両立
今年の大きな特徴としては、AIの活用が「特別なツール」から「前提」へとシフトし、より実践的なフェーズに入ったことが挙げられます。AIを使うことで、これまで以上に個別最適化され、スピーディーな学習体験をどう構築するのか、といった可能性が示されています。
例えば、「Smarter, Faster, HUMAN: AI for Next-Level Learning Design」では、タイトルに「HUMAN」とあるように、スマートで高速な設計を実現した先に、いかに人間ならではの付加価値を生み出すかという視点が含まれています。また「Microlearning & AI: Practical Approaches for High-Impact Learning」や「Making Learning Irresistible With Generative AI」では、生成AIを駆使して「思わず夢中になってしまう(Irresistible)」ような学習をどうデザインするのか、具体的なアプローチが紹介されるようです。
加えて興味深いのは、「From Solo to Social: Human-Centered Design for E-Learning Connection」のセッションです。デジタル化・AI化が進む中での孤立を防ぎ、オンライン学習の中にいかに「人間同士のつながり(Social Connection)」をデザインするかという視点にも注目してみたいと思います。
多様な学習者への意識:「Different Minds」という眼差し
多様性(DEI)の扱われ方には今年も注目したいところですが、その表現や捉え方に変化が見られます。以前は「Neuro Diversity(神経多様性)」といった言葉が使われていましたが、今年は「Design for Different Minds, Elevate Every Learner」のセッションのように、「Different Minds(異なる精神・考え方)」という、より包摂的な表現が使われているのが印象的です。
個々の特性をラベルで区別するのではなく、一人ひとりの脳の使い方の違いを思いやり、すべての学習者の成長へ貢献する設計思想へと変化していることがうかがえます。「Advancing Accessibility Beyond One Person」では、アクセシビリティを個別の配慮に留めるのではなく、組織全体のスタンダードへと引き上げる議論が行われるかもしれません。
複雑な世界の中で、思考をほぐし定着させる
予測困難で複雑性が増す現代社会において、学習を単なる知識の伝達に終わらせず、いかに行動変容へとつなげられるかといった観点も、より切実なテーマとなっています。
「Sticky Learning for a Complex World」では、情報過多な世界で「記憶に残る(Sticky)」学習のあり方が探究されるようです。また「Make It Stick: Belief-Centered Design for Behavior Change」では、表面的なスキルの付与ではなく、個人の「信念(Belief)」にまで踏み込んだデザインが紹介されるようです。昨今の混迷する社会情勢の中で、人々の固定観念をほぐし、新しい世界に適応するための行動を促すインストラクショナル・デザインの役割は、より重要になっていると言えるでしょう。
Training Delivery & Facilitation(トレーニングの実施とファシリテーション)
本トラックでは、トレーニングを通じた知識伝達や人材開発の技術を高めるためのプログラム設計の仕方をはじめ、インストラクションやファシリテーションのスキル、テクニックなどが主に扱われています。「インストラクショナル・デザイン」や「ラーニング・テクノロジー」のトラックと併せて、効果的な学習のあり方や進め方のキーポイントを知ることができるトラックです。
今年のセッションを見ると、トレーニングやファシリテーションの役割が、単に知識を伝達することから、学習者の感情を動かし、深い繋がりを編み出す「触媒」へと変化していることが感じられます。
感情を揺さぶり、火をつける:ファシリテーターの新たな役割
『Do This, Not That: 20 Must-Know Training Skills for 2026+』では、変化の激しいこの数年を経て、これからの時代にL&Dに携わるわたしたちが「やるべきこと、そして手放すべきこと」が整理されるようです。テクノロジーが進化し続ける今だからこそ、本当に価値のあるスキルを見極めるための羅針盤となるセッションとなるかもしれません。
その中でも、ファシリテーターを「火付け役(Firestarter)」と定義する『Facilitator or Firestarter? 3 Emotional Truths That Transform Learning』では、学びを力強いものへと変える3つの感情的な真実(弱さ、謙虚さ、そして愛)について探究が行われるようです。
また、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーで教えられている演技と存在感のテクニックをビジネスに応用する『Speak the Speech! Executive Presence Lessons From Shakespeare』や、ヒップホップのリズムとメッセージから伝える力を学ぶ『Check the VERSE: Storytelling Strategies Inspired by Hip Hop Music』など、人間ならではの感情や表現を磨くセッションも興味深いです。
これら人間ならではの力を探究する一方で、『The Facilitator’s Roadmap to Navigating AI in Modern Learning Landscapes』では、AIをいかに学習環境に組み込み、共存していくかという具体的なロードマップが示されるようです。さらに、どんな学習形態(対面・オンライン)であっても学習者のエンゲージメントを高める脳科学的な裏付けを学ぶ『The Neuroscience of Engagement: Engage Every Learner in Any Format』など、感性と科学の両面からのアプローチも注目に値します。
学習者同士のつながり:コミュニティと共創の場
AIを活用した学習が進む今だからこそ、「人が集う意味」を問い直す動きも加速しています。『Connect 4: Build Community and Connection Through Training』や『Stop Smothering, Start Sparking! 3 Engagement Techniques to Captivating Audiences』では、学習者の間に自然なつながりが育まれるようなデザインに焦点が当てられています。
『Team Learning: Rethinking Development or Real Growth, Motivation and Impact』では、単なる個人の開発を超えた「チームとしての真の成長」が再考されるようです。
ソフトスキルの醸成と没入感のデザイン
より複雑なコラボレーションが求められる時代において、『Setting the Stage for Collaboration Through Improv Training』のように、インプロ(即興劇)の手法を用いて柔軟な対応力を養うセッションも興味深いです。また、『Gamify, Gratify, Amplify: Celebration Tools for High-Impact Learning』では、ゲーミフィケーションに「祝福(Celebration)」の要素を加え、脳科学的に学習者の没入感と充足感を最大化させる設計手法が共有されます。
Personal Leadership Capabilities(個人のリーダーシップ能力)
今年新設された本トラックでは、4日間で合計11のセッションが予定されています。本トラックの今年のラインナップを俯瞰すると、リーダーシップの能力に関して、単なる「ソフトスキルの習得」という従来の枠組みを超え、「AI時代において人間を人間たらしめる独自の価値(Human Being)の探求」と、「権限に頼らない本質的な影響力(Influence)の構築」へと議論の焦点が移行していることが読み取れます。
AI時代に際立つ「人間の存在価値」とエンゲージメント
AIの台頭により知識やスキルの優位性が薄れる中、自己認識、感情的知性、適応的な判断力といったアルゴリズムには再現できない「存在(Being)」の質がリーダーを際立たせる要素として注目されています。
「Optimizing the Human “Being” in the Age of AI(AI時代における“人間らしさ”の最適化)」や、「What AI Can’t Do: The Human Art of Engagement(AIにできないこと:エンゲージメントという人間らしい技)」”といったセッションでは、AIだけでは埋められないギャップを埋めるための「人間中心のリーダーシップ」や「エンゲージメントという人間らしい行為の極意」が探求されています。
一方で、テクノロジーを敵視したり、二項対立的に捉えるのではなく、「AI-Powered Personal Branding: Elevate Your Humanity With Technology(AI活用のパーソナル・ブランディング:テクノロジーで人間性を高める)」や「Augmenting Human Coaching With AI: Smarter Feedback, Stronger Performance(AIで人のコーチングを拡張:賢いフィードバック、高いパフォーマンス)」に見られるように、AIを強力なパートナーとして活用し、個人のブランド力やコーチング能力を人間らしく拡張(Augment)していくアプローチも重要視されています。
権限に頼らない「影響力(Influence)」と「本物の声(Authenticity)」
役職や権威に依存せず、いかに周囲を巻き込み、信頼を勝ち取るかという実践的な影響力の獲得も大きなテーマです。
「The Strategic Influencer: A Modern Playbook for Gaining Cross-Functional Buy-In(戦略的インフルエンサー:全社的な合意を得る最新プレイブック)」では、部門横断的な合意形成の手法が示されています。
また、「Quiet Influence: Building Strong SME Relationships as an Introvert(静かな影響力:内向的な人が築く専門家との強い信頼関係)」では、外向的な振る舞いを無理強いすることなく、内向的な強みを活かして専門家(SME)と関係を築く手法が提案されるなど、多様な個性を活かしたリーダーシップの形が模索されています。
さらに、「UNMUTE Yourself: Activate Your V.O.I.C.E., Value, and Vitality at Work(声を出せ:職場でV.O.I.C.E.・価値・活力を引き出す)」や、台本なしのプレッシャー下でのコミュニケーションを扱う「Words that Win: Communicate to Inspire, Motivate, and Lead(勝てる言葉:鼓舞し・動機づけ・リードするコミュニケーション)」など、自己不信を克服し、自信と影響力のある自分らしい「本物の声」を発するためのセッションも充実しています。
ニューロサイエンスと「内面状態(Internal State)」の自己管理
自己の神経系や脳の働きを理解し、プレッシャー下でも最適なパフォーマンスを発揮するための「セルフマネジメント」が、不可欠なリーダーシップ・スキルとして位置づけられています。 「The Leadership Superpower No One’s Teaching, But Everyone Needs Now(誰も教えないが今みんなに必要なリーダーシップの超能力)」では、プレッシャーの中でリーダーの内面状態がチームの雰囲気を左右するという視点から、その場で気持ちをリセットし冷静さを保つ「神経系の調整」が扱われます。
また、「Neuroscience of Communication: Boost Clarity, Empathy, and Engagement(コミュニケーションのニューロサイエンス:明確さ・共感・エンゲージメントを高める)」では、神経可塑性や脳の認知スタイルに基づいてコミュニケーションを調整し、心理的に安全な環境を構築するアプローチが紹介されています。
新設されたトラックから見える示唆
以上のように、新設されたPersonal Leadership Capabilitiesトラックのセッションを見ていくと、個人のリーダーシップの源泉は「人間らしさ」の純度を高めていくことにあるという認識が広がっているように感じます。
スキルや知識の獲得がAIによってコモディティ化(均質化)していく中、自己の感情や神経系をコントロールする深いセルフマネジメント力、多様な価値観を統合する本物の声、他者と共生するエンゲージメントの技が、より一層求められるようになるという示唆がここからは窺えます。テクノロジーの進化を背景に、逆説的に「人間の内面(Being)」への探求が深まっていると言えるでしょう。
終わりに
以上、ここまでトラック別にトレンドを紹介してきました。紙幅の関係から、紹介しきれなかったセッションもまだまだありますし、本稿では扱わなかった基調講演やEXPOなど、その他にも見所がたくさんあります。
ヒューマンバリューからは今年は4名のメンバーが参加します。世界各国から集う10,000名の参加者の方々と、人の学習と成長について共に学ぶ約1週間の旅路が今から楽しみです。カンファレンス終了後に、またあらためて今年の動向について報告できればと思います。