ATD(The Association for Talent Development)

ASTD2012概要

関連するキーワード

ASTDについて

ASTDは、1943年に設立された非営利団体で、世界中の企業や政府等の組織における職場学習と、従業員と経営者の機能性の向上を支援することをミッションとした、訓練・開発・パフォーマンスに関する、世界第一の会員制組織である。米国ヴァージニア州アレクサンドリアに本部を置き、現在100以上の国々に会員を有している。
ASTDは国際的な企業と産業の訓練資源に対して比類ないアクセスをもち、その事業は、世界の最高水準にあると認められている。
ASTDは、トレーナーやトレーニング・マネジャーたちに専門的な開発材料やサービスを提供し、職場における学習促進を援助し、世界中の政府・企業等、各種組織に属する従業員や役員たちのコンピタンス・パフォーマンス・充足感を高める手助けをすることを使命としている。

ASTD2012

ASTD2012 International Conference & EXPOは、5月6日から9日(プレコンファレンス・ワークショップ:5月5日)の期間、米国コロラド州デンバー、コロラド・コンベンション・センターにて開催された。
今回は統一テーマとして、「LEARN SOMETHING NEW , PERFORM SOMETHING EXTRAORDINARY(新しいことを学び、傑出した成果を生み出す)」を掲げ、コンファレンスでは、延べ登録数で約360のセッションと3つの基調講演が行われ、同時にエキスポも開催された。

参加人数は9,000名で、そのうち2,100名が米国以外からの参加者と伝えられた。

ASTD2012の参加国・参加者数

今年の参加国数と参加者数は以下の通りである。

・参加者について
  トータル:約9,000名

・国別参加者数TOP5(米国を除く)
  1. 韓 国:384名
  2. カナダ:188名
  3. 中 国:175名
  4. 日 本:146名
  5. ブラジル:110名

ASTD2012の主要テーマ

2012年のカテゴリーは、テーマで分類した「コンテント・トラック」と、業界で分類した「インダストリー・トラック」の大きく2つのトラックで構成されていた。

【コンテント・トラック】(8カテゴリー)

1. Career Development
  キャリア開発
2. Designing and Facilitating learning
  デザイニング&ファシリテーティング・ラーニング:学習をデザインし促進する
3. Global Human Resource Development
  グローバル・ヒューマン・リソース・ディベロップメント:グローバル人材開発
4. Human Capital
  ヒューマン・キャピタル
5. Leadership Development
  リーダーシップ開発
6. Learning Technologies
  ラーニング・テクノロジー
7. Measurement, Evaluation, ROI
  測定、評価、ROI
8. Trends
  トレンド

【インダストリー・トラック】(3カテゴリー)

1. Higher Education
  ハイヤー・エデュケーション:高等教育
2. Government
  ガバメント:行政
3. Sales Enablement
  セールス・イネーブルメント:セールスの有効化

ASTD2012コンファレンスの報告

ASTD2012 International Conference & EXPOは、米国コロラド州デンバーおいて、5月6日から9日までの4日間で約360のセッションが開催された。世界各国から9,000名が参加した。昨年は参加者8,500名、セッション数は300程度であったが、今年は参加者、セッション数とも増えており、昨年以上の活気が感じられた。

米国以外からの参加者は総勢2,100名で、こちらは昨年の2,500名からやや減少していた。国別にみると、昨年に引き続き、韓国の参加者が384名とトップであった。昨年の451名からはやや減少しているものの、セッションでの発表においても、サムソンやヒュンダイなどの大手企業が自社の取り組みを発表するなど、熱心な姿勢がうかがえた。

今年、特に顕著なのは、中国が参加者数を伸ばしてきたことである。参加者数は175名で、カナダの188名に次ぐ3位であった。昨年の128名から50名近く増えており、記憶にある限りでは過去最多ではないかと思われる。
日本からの参加者は146名で、全体では4位であった。昨年は震災の影響を受けて、100名強の参加者であったが、今年は数年前の水準に戻ったように見受けられた。

コンファレンスの全体的な傾向については、昨年に続いて、今年も特に明確なトレンドと呼べるものは少なかったように思われる。
しかし、テーマとしてはいくつか傾向がうかがわれたので、弊社の情報交換会で取り上げられた印象に残ったキーワードや話し合われたトピックについて、いくつか紹介したい。

1点目としては、「モバイル・ラーニング(Mラーニング)」「ソーシャル・ラーニング」が挙げられる。3年ほど前から、ASTDにおいてもソーシャル・メディアを活用したラーニングへの注目が高まっていたが、今年はその傾向がさらに高まったと思われる。ASTDのCEOのトニー・ビンガム氏も、オープニングのプレゼンテーションにおいて、モバイル・ラーニングの必要性と緊急性を参加者に訴え、プレスでの発表においても「これからASTDはよりソーシャル・ラーニングの分野に力を入れていきたい」と語るなど、ASTD側の強い意向も感じられた。またコンファレンスと併設して開催されたEXPOにおいても、出展した企業の大半がモバイル・ラーニングやソーシャル・ラーニングに関するコンテンツやサービスを取り扱っており、実践が進んでいる様子がうかがえた。

2点目は、「イノベーション」である。イノベーションについても、ここ数年ラーニングやリーダーシップの領域で注目度が高まっており、今年もその印象が強かった。特に基調講演者として招聘されたジム・コリンズ氏やジョン・カオ氏によって、クリエイティビティやイノベーションについての深い示唆を投げかけられたことが、コンファレンス内での議論にも大きく影響を与えていたと思われる。情報交換会の中でも、イノベーションは関心の高いテーマとして取り上げられた。議論の中では、「クリエイティビティ(創造性)」と「ディシプリン(規律)」、「構造」と「非構造」、「平衡系」と「非平衡系」など、対極にある2つのものをいかに統合し、イノベーションが起きるようなカオス状態をどう創り出していくかといったことが話し合われた。また、イノベーションを生み出していく上での「メンタルモデル」や「メタ認知」の重要性が探求された。

その他に、情報交換会の中で参加者の関心の高かったキーワードとしては、今年から新たなトラックとして設けられた「セールス・イネーブルメント」をはじめとして、「強みに基づいたリーダーシップ」「ラーニング・アジリティ」「リーダーシップ開発において測定できるもの・できないもの」「HPI」「アダルト・ラーニングや経験学習」などが挙げられていた。

この後の報告では、「1.基調講演」「2.リーダーシップ開発」「3.キャリア開発」「4.セールス・イネーブルメント」「5.グローバル・ヒューマン・リソース・ディベロップメント」「6.ROI」の6つのテーマごとに、それぞれの内容と傾向を紹介する。
報告は、各テーマに関するセッションに比較的多く参加した弊社メンバーがそれぞれのテーマを担当した。コンファレンスでは数多くのセッションが開催されており、すべてを網羅できているわけではないが、コンファレンスの全体観をつかむ上での参考にしていただければ幸いである。

1.基調講演

ここでは、ASTD2012における基調講演の内容をまとめている。

2日目に行われた1回目の基調講演は、全世界で1千万部を超える発刊部数を記録した『Built to Last』(邦題:『ビジョナリー・カンパニー―時代を超える生存の原則』日経BP社刊)の著者であるジム・コリンズ(Jim Collins)氏によるプレゼンテーションだった。

この講演では、自身の体験談を交えながら、第5水準のリーダーを育てていくことの重要性が述べられていた。
偉大な企業とそうでない企業の違いは、偉大なリーダーがいるかどうかであり、組織をバスに例えた時、そのバスに誰が乗るべきなのか、誰が降りるべきなのか、どこに誰を座らせるのかを見極めて、行き先を決めるのが偉大なリーダーであるということが述べられた。

また、偉大なリーダー(第5水準)と第4水準のリーダーの差となるXファクターとは、ヒューマリティー(自分自身を内省すること)であり、本当に強い意志をもち、現実をありのままに見る力、謙虚さ、不屈の精神であるとされた。また、いま一番大きな危機は第5水準のリーダーが少ないことであり、それを育てることの必要性が訴えられた。
規律とクリエイティビティがイノベーションには重要であること、運も不運も活かして投資を回収することが大切であることも強調された。最後に10個のTo Doが紹介されたが、その中で「やらないことリストを作る」「1週間に1日か2週間に1日は電子機器を切り、静かに考える時間を取るべきだ」という提言は、特に人々の関心を引いていたようであった。

3日目に行われた第2回目の基調講演は、過去20年にわたりイノベーション戦略と実践企画のアドバイザーとして、政府や民間組織の幹部の間に高い信頼を得てきた「イノベーション・シェルパ」のニックネームももつ、ジョン・カオ(John Kao)氏によるプレゼンテーションだった。

ステージに置かれたピアノの演奏が随所に挟みこまれた講演では、イノベーションがジャズの即興演奏(ジャミング)に例えられ、イノベーションを実行することは難しく、ピアノの演奏と同様にかなりの努力と練習をしなければならないと述べられた。
また、イノベーションは、規律(ディシプリン)と自由(フリーダム)が交差するところに生まれ、規律と自由の両方の真ん中でインプロバイズすることが重要であることも語られた。そのイメージとして、規律の大切さは譜面に忠実なクラシックの演奏に例えられ、規律と自由の間でインプロバイズすることはジャズの即興演奏に例えられた。

しかし、まったく自由に鍵盤を叩くのでは何も生まれないということを、実際にピアノの不協和音を使って示していた。インプロバイズの能力は、人間に本来備わっているものであるという前置きの後、簡単な実習が会場で行われた。会場の参加者がペアになり、カオ氏が話したストーリーの後に続けて、1人がストーリーの続きを即興で語り、それを聞いた相手が続きを語るというワークである。
これで会場は熱気に溢れ、予測不可能な中でインプロバイズできることを全体で体感した。また、イノベーションを生み出すためにインタラクションで良いものを創出するコミュニティ・オブ・プラクティスの大切や、それとは反対に1人で木の小屋にこもる(1人でいる時間をもつ)ことの大切さも語られた。
氏がスピーチをし、演奏するたびにどんどん拍手が大きくなっていき、聴衆に深い感動を与えていた。最後に氏が「虹の彼方に」を弾いて席を立った時には、会場全体が大きな拍手に包まれた。

最終日に行われた基調講演は、社会心理学者、教育コンサルタント、リーハイ大学心理学助教であり、「動機づけ」や「アチーブメント(目的意識)」の第一人者として知られる、ハイディ・グラント・ハルヴァーソン博士(Heidi Grant Halvorson, PhD)によるプレゼンテーションだった。

時にユーモアを交えながら、これまでハルヴァーソン氏が40年に渡る調査や実験の中で生み出した9つの戦略と行動のヒントのうち2つ(プリペアストラテジー:戦略を準備すること、インプリメンテーション:実行すること)を例に、自分のキャリアを自分で構築しながら成功していく方法が語られた。戦略の準備段階でのマインドセットには、Be good(自分が優秀だと証明する・人と比べる)とGet better(自分を改善する・自分自身と比較する)があり、我々の仕事や生活を取り巻く不確実で難しい状態に対応するには、内在的なモチベーションを高め、自分の仕事に興味をもち楽しむGetBetterのほうがうまくいくということが提示された。

さらに、ロールモデルをもった時に、BeGoodの人はその人と自分自身を比較して自信がもてず、成長と育成につながらないのに対し、GetBetterの人は自分ができるイメージを描いて成長につなげるという違いも示された。その上で、自分のマインドセットをBeGoodからGetBetterに変えていくことは簡単ではないが、練習して繰り返すことで古い習慣は消滅するため、GetBetterで思考するとどんどん良くなり、それを続けていくことで、自分もチームも必ずシフトできると励ますようなメッセージも発せられた。
また、従来のToDoリストに「いつ・どこで」やるかを加えたスーパーToDoリストを作ることで、誰でも必ず成功できるという方法も語られ、成功をビジュアライズするのではなく、実際のステップをビジュアライズしてください、というメッセージでプレゼンテーションが閉じられた。

最終日ということで、それまでの基調講演の6割程度の参加者であったが、ハルヴァーソン氏の人柄がにじむ軽快で明るい語り口に影響されたように、会場は温かな雰囲気に満ちていた。

2.Leadership Development(リーダーシップ開発)

今年も「リーダーシップ開発」のトラックでは、多くのセッションが行われた。事例を発表するセッションが多かったが、リーダーシップ開発に関する調査研究やデータの結果を発表するセッションも多かった。

調査研究のセッションで、共通して探求されていた内容としては、「リーダーシップがどのようにパフォーマンスに影響するのか」「リーダーにはどのような力が求められているのか」「リーダーを効果的に開発するにはどうすれば良いのか」といったことだった。

そうした中で、今後のリーダーシップ開発に影響を与えそうな、コンセプトのシフトとして、DDI社が「リーダーシップ開発はコンピテンシーにフォーカスしすぎた」ということを宣言したことがあげられる。
DDI社はコンピテンシーによるリーダーシップ開発で世界的に有名だが、「SU101(TU203):Lost Secrets of Effective Leadership Training(効果的なリーダーシップトレーニングの忘れられた秘訣)」のセッションでは、ウィリアム・バイハム社長自らが「何年もの間、多くのサーベイを行ってきた。リーダーシップスキルが上がっても、多くの人がリーダーの力不足を感じている。私はコンピテンシーについて、間違っていた。コンピテンシーにフォーカスしすぎた」と言い、新しく「インタラクション・エッセンシャル」というコンセプトを打ち出した。

このインタラクション・エッセンシャルは、多くのコンピテンシーに共通する要素で、最初にリーダーの基本として開発することが大切な要素であるようだ。インタラクション・エッセンシャルは具体的には、周囲のパーソナル・ニーズとプラクティカル・ニーズを満たすものであり、パーソナル・ニーズには「セルフ・エスティーム(自尊心)」「エンパシー(共感)」「インボルブメント(参加と関与)」「シェア(信頼を高めるような共有)」「サポート(エンパワーしながら支援する)」といったものがある。
インタラクション・エッセンシャルの開発の仕方についての詳細はセッションで紹介されていなかったが、DDIは大きく方向転換をしていこうとしていることが、印象的であった。

その他、ゼンガー・フォークマン社のジャック・ゼンガー氏とジョー・フォークマン氏はそれぞれ「TU202(M103):7 Reasons Why Strengths-Based Leadership Development Just Works Better(強みに基づくリーダーシップ開発が機能する7つの理由)」「TU122:11 Crucial Components of a Best-in-Class 360-degree Assessment(最高の360度評価に極めて重要な11の構成要素)」というセッションを行った。
その中で、具体的な数値を見せながら「リーダーがすばらしいと、周囲のエンゲージメントが高まり、パフォーマンスが向上する」「多くのリーダーは、弱点はあるかもしれないが、Fatal Flaw(致命的な欠点)はない」というデータを示した。また、弱みを改善するよりも、強みにフォーカスしてリーダーシップ開発したほうが、その後のパフォーマンスやエンゲージメント向上に効果的であるというデータも示し、強みにフォーカスしてリーダーシップを開発することの重要性を強調した。

また、「TU102:Great Leaders GROW(偉大な指導者はGROWを実践する)」で、ケン・ブランチャード氏は、リーダー自身の成長する力、「G:自分自身、他者、自分の業界、リーダーシップの分野についての知識を高める」「R:他の人に手を差し伸べる」「O:自分の世界を開く。仕事でも、仕事以外でも新しい経験を追求する」「W:知恵に向けて歩む。自分を厳格に分析し、率直なフィードバックを得て助言を求める」の大切さを伝えていたようだ。

さらに、今年も、リーダーシップ開発の方向性に関するパネル・ディスカッション型のセッション「M201:Developing Future Leaders: New Perspectives from Old Hands(M201:将来のリーダーを育成する:ベテランからの新たな視点)」が行われた。
前述のウィリアム・バイハム氏、ジャック・ゼンガー氏、エンゲージメントを高めるリーダーシップで有名なビバリー・ケイ氏、センター・フォー・クリエイティブ・リーダーシップのローランド・スミス氏がパネラーとして参加した。
いくつかの質問についてそれぞれのパネラーが意見を述べ、リーダーシップ開発について様々なことが探求された。たとえば未来に向けてリーダーが取り組まなければならないこととして、1.グローバルなパースペクティブ、2.バーチャルチームをマネジメントする、3.女性の活用、4.上の世代をどう残すか、といった4つの切り口が出てきた。
また、どうリーダーシップ開発をするかということについては、コーチングやメンタリングが何度も議論の中で出てきており、あらためてその重要性が確認された。

今後、こうした研究調査の深まりやコンセプトにおけるシフトが、どのようにリーダーシップ開発の具体的な実践に影響してくるのかが、注目されるところである。

また、リーダー開発プログラムの実践事例としては、たとえば「M120:Building a High-Performance Culture: The Impact of Leadership Development(高いパフォーマンスの文化を構築する:リーダーシップ開発の影響)」のBoehringer Ingelheim社(BI)の事例が紹介されていた。
BIの取り組みの特徴は、リーダーシップ開発プログラムの合間のデザインに力を入れている点で、マネジャーからの支援、相互コーチング、メンタリングの仕組みなど様々なツールや仕掛けを活用して、プログラム内容を確実に仕事の場面につなげ、ビジネスインパクトの向上に結びつけていた。

また、エバリュエーションにも特徴があり、プロジェクトの初めからエバリュエーションの戦略を具体的に立てた上でプログラムを実行し、エバリュエーションでは、ビジネスへどのようなインパクトがあったのかを明らかにし、また戦略に反映させるという循環を回している。こうしたダイナミックなプロセスにより、パフォーマンスへの効果が高いリーダーシップ開発を行っていることが印象的であった。

その他には、「TU219:Building the New Global leader at Siam Cement Group(シアム・セメント・グループにおける新しいグローバルリーダーの構築)」で、3年をかけて組織的にリーダーシップ・プロファイル作りを行ったタイの企業の取り組みが紹介されるなど、各社独自の事例が発表されていた。

昨年に引き続き、今年も「グローバルリーダー」への関心が高く、グローバルリーダーに特化したセッションもいくつか見られた。たとえば、American Management Association(AMA)による「M322:Best Practices from Around the Globe: Leadership Programs in Action(世界のベスト・プラクティス:リーダーシップ・プログラムの実践)」がある。
ここ数年、グローバルリーダーに必要な要素をデータで示しているが、今年のデータは、1位チェンジマネジメント、2位クリティカルシンキングと問題解決、3位他者に影響を与え、連携する、4位ストラテジー・デベロップメント、5位グローバル・ストラテジーの実行となっていた。今年の特徴として、昨年5位だった「他者に影響を与え、連携する」が3位に上がっている。

その他、「SU112:What the Bleep Do We Know About Global Leadership & Multicultural Effectiveness?(グローバル・リーダーシップ&多文化の有効性について私たちは一体何を知っていますか?)」というセッションで、グローバルリーダーの効果性を高める要素として、次の4つが示された。1.個性と文化の文脈の違いをアプリシエイトする、2.Beingを高める、3.多文化であることの有効性を開発する(Developing Multicultural Effectiveness)4.直面する矛盾の扱いに熟練する(Becoming Adept at managing paradox)。
パネル・ディスカッションでも、リーダーが未来に向けて取り組まなければならないこととしてグローバル化が挙がっており、今後も引き続きグローバル・リーダーシップ開発への模索と探求は続きそうである。

最後に、弊社が主催する情報交換会の中で出た議論について紹介する。DDI社の発表にも見られるように、行動特性やコンピテンシーではない、もう少しメタなリーダーシップの力が求められているのかもしれないということが議論された。「わかり合う力」「自分自身を客観的に把握していく力(内省する力)」といったものがまず基本にあり、その上で、リーダーシップを開発していくことが重要ではないかということが話された。

また、ジョン・カオ氏の基調講演やジャック・ゼンガー氏の強みに基づくリーダーシップ開発についての話題から、日々の仕事の中で強みを実践(練習)していく重要性や、組織として強みも弱みも含め、統合的に1人ひとりを受け止めていくことが大切であるということが確認された。今後、どのように、組織として弱みを受容しつつ、強みを実践できる開発環境をつくり、成長を促進できるのかが、リーダーシップ開発のポイントとなりそうである。

昨年に続き、リーダーシップ開発に関する調査研究が深まり、コンセプト面でのいくつかのシフトが起こってきている。こうした中で、来年度以降は、各企業がそれを具体的な実践としてどのように取り入れ、展開していくのかがキーとなりそうである。

3.Career Development(キャリア開発)

今年はキャリア開発というキーワードの中で、「すべての人材を育てる」という意味でのタレント・マネジメントの取り組みが紹介されていた。
たとえば、キャリア開発のカテゴリーにあった「M112:Carer Development at Case-New Holland: Growing Talent to Grow the Business:ケース・ニュー・オランダでのキャリア開発:ビジネスを育てるための才能を育てること」では、リテンションを目的としたキャリア開発の取り組みが紹介されていた。
ビジネスの現状調査から、キャリア開発の取り組みが自社のブランド構築戦略、従業員のエンゲージメント、生産性向上に効果があるという思いの元、キャリア開発への理解を高めるワークショップ、スキルトレーニング、ツールの提供、継続的なエンゲージメント数値のモニタリングなど、様々な取り組みを行っているようである。

米国で最大の年金基金であるTIAA-CREF(米教職員保険年金連合会・大学退職株式基金)のスピーカーによるセッション「W203:Growing Together: If Your Employees Aren’t Growing How Will Your Business?:共に成長する:もし従業員が成長しなければ、どうやってビジネスが成長するのですか?」でも、キャリア開発を長期的な戦略とし、組織に人を育てる文化を構築する統合的な取り組みが紹介されていた。

また、グローバル・ヒューマン・リソース・ディベロップメントのカテゴリーにあった、「TU215:Everyone has Talent: Getting 90% of Your People to Perform Like the Top 10%:誰にも才能がある:あなたの90%の人々にトップの10%のようなパフォーマンスを実行させる」では、従業員の力を最大限に発揮している企業として、トヨタ、GE、MJC(シンガポールのMeridian Junior College)が上げられており、これらの組織に共通するものは何かを調査しているセッションもあった。
その中で大事だとされていたこととして、「すべての人に才能があるというビリーブがある」「人々がどのようなことに情熱をもっており、能力をもっているかを知っている」「能力を発揮する機会がある」ということが上げられていた。

トレンドのトラックでセッションがあった、「TU100:Latest Trends in Integrated Talent Management:統合されたタレント・マネジメントの最新トレンド」では、タレント・マネジメントのモデルとして、「従業員のリクルート、内部タレントの開発、一時的な雇用、リテンション、異動、スキルのそぐわない人材を手放す、機械への置き換え(テクノロジーへのアウトソース)、従業員をよりイノベーティブ・効率的にする」という8つの枠組みが紹介されていた。この枠組みは、ASTDの提唱するタレント・マネジメントのモデルとは違う枠組みのものであり、Googleやアップル、Face BookなどのIT企業において、人材獲得に苦労している中で、どのような先進的な取り組みが行われているかが紹介されていたようである。

その他、キャリア開発のキーワードとして、「リテンションを目的としたメンタリング」が上げられるという印象をもった。グローバルに展開する組織が、効果的なメンタリングを行うために、ソーシャルネットワークの技術などを活かした取り組みが行われているようである。ラーニング・テクノロジーのカテゴリーに含まれていた、「TU221:Planning, Implementing and Measuring Social Learning and Mentoring at McDonald’s:マクドナルドの計画、インプリメンテーション、ソーシャル・ラーニングとメンタリングを測定する」というセッションの中でも、そういった取り組みが紹介されていたようである。

4.セールス・イネーブルメント(Sales Enablement)

セールス・イネーブルメントは今年新しくできたトラックである。新しくトラックを設けた背景について、プレスミーティングでASTDのCEOトニー・ビンガム氏は、
「ここ数年でセールスに関するセッションが増えてきたが、その流れを踏まえて、セールス・トレーニングではなくセールス・イネーブルメントということに力を入れている。長らく行われてきたセールス・トレーニングは、プレゼンテーションなど主に知識やスキルを高めていくということを主眼に置いていたが、セールス・イネーブルメントは早期にいかに効率的にセールスを立ち上げていくか、効果性を高めていくかということが主眼である。これは各事業会社のCEOの緊急の課題で3年前から力を入れている。これからも中立的な立場でセールス分野のコミュニティーを立ち上げて、新しいモデルや体系を検討していきたい」
と述べていた。

ここからもわかるように、セールス部門が世界中に展開し、新たな市場において立ち上げを行う必要があったり、激変する環境に対応する必要があったりする中で、単なるトレーニングを越えて、どのように組織的に取り組んでいくのか、ということが多くの企業にとっての課題になっているようだ。

こうした動向の裏づけを紹介するようなセッションがいくつか行われた。「M310:Sales Enablement: Sales Fad or the Future of Sales?(セールス・イネーブルメント:セールスの一時的な流行か未来の形なのか)」のセッションでは、ASTDのセールス分野における中心的な人物であるティム・オハイ氏がセールス・イネーブルメントについて、
「The process of aligning an organization’s selling capacity with individual selling competency to drive maximum sales effectiveness.
(組織のセールス能力と個人のセールスコンピテンシーとを整合させ、セールスの効果を最大化していくプロセス)」
と定義していた。

また、「W110:Understanding Your Internal Customer: Conversations with Sales Leaders(内部顧客を理解する:セールス・リーダーとの会話)」では、セールスについて世界中の企業に調査した結果から導き出された新しい洞察が紹介された。その中で、セールス・トレーニングとは個人に対するトレーニングに関する問題、セールス・エフェクティブネスはマネジメントに関する問題、セールス・トランスフォーメーションはカルチャーの変革に関する問題であるとし、セールスに関する取り組みのレベルが定義されていた。
世界のトップ5%のセールスは、セールス・トランスフォーメーションを行ったところであると述べていた。これまでのセールスに対する枠組みや、神話のように語られていた既成概念を乗り越えて、マーケティング、ファイナンス、テクノロジー、トレーニング&ディベロップメント、オペレーション分析、カスタマーサティスファクションなどを統合した取り組みを行うことで、高い成果が生み出されるということだ。

冒頭のトニー・ビンガム氏との発言とも整合しているが、個人にのみにフォーカスを当てたトレーニングを行っていくのではなく、組織的な戦略などとアライメントを取りながら、個人の能力を高めつつ、いかに組織全体としてそこをサポートしていけるかということがセールス・イネーブルメントのテーマのようだ。

こうした流れにおいて、セールスパーソンに求められる能力についての調査も行われているようで、「M109:Sales 101 Doesn’t Get The Job Done Anymore(セールス101は、もはや役割を満たさない)」では、競争も変化も激しい環境の中で競争優位性を生み出し、より高い成果を創出する進化系のセールスに求められる能力として

・カスタマーの内部の政治力、影響力を理解し、活用する力
・価値営業やコンサル型営業を可能にするための、ビジネスやフィナンシャルに対する理解や洞察力
・競争相手の戦略やアプローチを理解し、それに対処する能力

が挙げられていた。セールスの基本となるようなスキルの1つひとつというよりは、複雑で変化の激しい環境に対応できるためのメタ的な能力がより重要視されていることがうかがえる。

「TU109:Real Deals Drive Real Learning(実際の取引が実際のラーニングを動かす)」のIBMの事例においても、コンサル型の営業を推進するためのクライアントに対するアプローチや、ビジネスやファイナンシャルに対する能力を高めるための取り組みが紹介されていた。
また、「M210:Transforming the Sales Management Team at Oracle: A Case Study(オラクルにおけるセールスマネジメントチームの変革:ケーススタディ)」のオラクルの事例とも共通して言えることだが、世界中にまたがるセールスパーソンにより早く、より手軽に、より良いラーニングをしてもらうために、業務の中でいかに学習を生み出していくかということが重視されており、両社の取り組みの目的は異なるものの、実際の業務のタスクの中にラーニングを埋め込み、世界中を繋ぐバーチャルなシステムの中で、事前事後のフォローをしっかりと行いながら、ラーニングを定着させていくというモジュールは共通であった。

これらの事例に限らず、他のセッションでも共通していたことだが、いかにカスタマーとの接点において学習を生み出していくかということが重要視されていた。
ヘッドクオーターなどが机上で考えたコンピテンシーを落とし込んだり、クラスルームトレーニングを過剰に行うのではなく、カスタマーとの接点を多く取れるようなデザインの中で、そこでのラーニングをいかにサポートできるか、そこから得られた情報や事例をいかに全体に取り込んで、組織としての戦略や意思決定に反映していくかということが盛んに強調されていた印象がある。

ただ、今回出てきた事例は、組織としての取り組みを意識してはいるものの、トレーニングのモジュールなどの紹介がメインで、新興国での立ち上げといったところや、いかに組織の戦略などとセールスのプロセスを統合していったかという具体的な事例は紹介されていなかった。
このあたりはASTDとして方針は打ち出しているものの、まだ事例として出てきているものは多くなかったり、企業活動の根幹に関わる部分なので、具体的な事例として紹介しづらい背景があるのではないかと推測される。

全体的に見ると、セールス・イネーブルメントのトラックの中で重要視されている概念は真新しいものというより、企業が成果を生み出すために大事だと常に言われている考え方であるが、こうした基本的なプリンシプルをいかにグローバルレベルで、スピード感をもって、着実に丁寧に実行していくかということに、多くの企業が課題意識をもって取り組んでいることがうかがえる。

ASTDが今後も力を入れていくと明言しているように、米国中心ではなく真の意味でのグローバル化が進展し、大きな変革期にある中、その動向を受けて立ち上がったこの分野は、今後のセールスモデルにおけるグローバルスタンダードを形成する可能性がある上に、リーダーシップやグローバル・ヒューマン・リソース・ディベロップメントといった分野とも密接に関わるところなので、動向に注目していきたい。

5.Global Human Resource Development(グローバル・ヒューマン・リソース・ディベロップメント)

本トラックは今年のカンファレンスから新たに登場した。以下に、事前レポートで挙げた注目したい3つのセッションの事例から見受けられた変化や感じられた方向性を紹介したい。

まず、M215「ヒュンダイのコアバリュー(Four T: Core Values at Hyundai)」では、社会が工業型からナレッジ重視型へとシフトし、経営陣は創業者から2世代目へと交代するなど、同社を取り囲む環境が大きく変化している中で、クローズドで階層的な組織文化から多様でオープンな組織文化へと変える必要性が出てきたことから、変革の局面におけるイニシアチブとして、コアバリューを見直し、浸透するプロセスを展開したことが紹介されていた。
具体的な取り組みの例としては、従業員1人ひとりがバリューを大切にし、互いの連携度を高めるようなトレーニングプログラムやワークショップが継続的に実施されているとのことだった。バリューの見直しをきっかけに、組織文化をよりイノベーティブなものへと進化させる事例の1つといえるかもしれない。

また、M115「職場と文化:土台から成功したグローバル・ブランドの構築(Workplace and Culture: Building a Successful Global Brand from the Ground Up)」では、米国の大手オフィス家具メーカーであるスチールケース社の事例が紹介された。
マーケットがアジアへと拡大し、従業員の世代がベテランから若手まで幅広い層に渡るなど、同社では、文化的、世代的に多様な環境の中でビジネスを推進する必要がますます高まっている背景があった。そうした中、今まで以上にグローバルのどの拠点においても、1人ひとりが個人の働きやすさを追求し、そして、国を越えた多様な視点をもった従業員同士がコラボーレーションできるようなオフィスデザインやインフラを整える工夫をするなど、組織全体のエンゲージメントやクリエイティビティの向上につながる取り組みを行っている。

最後にSU314「サイアム・セメント・グループでの新しいグローバル・リーダーづくり(Building the New Global leader at Siam Cement Group)」を紹介したい。
タイで100年以上の歴史を誇る同社では、マーケットがASEAN全体に拡大し、競争が激化していくことが予測される中で、より付加価値のある製品やサービスへとシフトする必要性が出てきた。そうした状況下、従来のコアバリューを基にしながら、新しく「Open & Challenge」というバリューを加え、組織や人づくりをビジネス戦略にアライメントさせるようになった。そして、ビジネス戦略を実現するために、HR、OD、マネジメント、エグゼクティブが有機的に連携し、丁寧な対話のプロセスを通じて、新たなリーダーシップ・プロファイルとインターベンションを開発している。

この3つの事例を通じて見えてきたことは、複雑で変化の激しい未来を予見し、それに対応するために、個人のイニシアチブを育みつつ、オープンで協働し合えるような体制や文化をつくることに注力していることだと思う。グローバルでイノベーションを生み出す個人や組織づくりのための重要なポイントかもしれない。

6.Measurement, Evaluation,ROI(効果測定、評価、ROI)

効果測定、評価、ROIに関しては、二極化している様相がさらに鮮明になってきたように思う。まずは、伝統的なドナルド・カークパトリックの4段階モデルやジャック・フィリップスのROIモデルという基本を忠実にやっていくという流れがある。
もう1つは、よりストラテジックな評価のあり方の構築を目指そうというものだ。

前者の流れに関連したセッションとしては、「SU323:Implementing Learning Scorecards: Tracking Activity, Efficiency, and Impact(ラーニング・スコアカードの実践:行動、効率、インパクトをトラッキングする)」がある。
このセッションでは、ROIモデルを活用し、トレーニングプログラムごとのレベル1からレベル5までのスコアを一覧表にし、シニアエグゼクティブに対して、その効果をタイムリーかつ的確にレポートすることの重要性を説いていた。基本的な考えとツールを示したこのセッションはほぼ満席の状態であり、参加者の多くは、データ収集と整理が日々の重要業務であるという方々だった。
その意味では、基本を忠実に進めることへのニーズは、まだ十分ある様子がうかがえた。

一方、後者の流れに関連したセッションである「W115:Demonstrate Value: A Strategic Approach to Learning Evaluation(価値を示す:ラーニングのエバリュエーションに対する戦略的アプローチ)」では、多くの効果測定、評価、ROIに関するアウトカムが、不明確で、短期的で、トップダウン的なアプローチで行われていることを問題提起していた。
より明確なアウトカムで、(ステークホルダーと)コラボレーティブで、長期的な視点に立ったアプローチへのシフトの重要性を強調していた。具体的には、実現したいビジネスインパクトに対して、何を高めればそこに到達するのかをステークホルダーと共に考え、その上で、それを評価する適切な方法を行うことが大事であるとのことである。
その方法例としては、現場での成功事例を集め、共有するプロセスをつくることで、アウトカムの実現へと近づけていこうとするものだ。よりシステム的な視点で捉え、成果につなげるための開発ステップとして、効果測定、評価、ROIを位置づけているような印象をもった。

今後も、効果測定、評価、ROIは、基本を重んじつつも、状況の変化に応じてさらに進化していくことが予想され、その変化に注目していきたいと思う。

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