場づくりで組織を変革する(プロセス・ガーデニング)
近年、人材開発や組織変革の取り組みにおいて、人々の相互作用の中から主体的な変化を生み出し継続するための「場づくり」の重要性が高まっています。ヒューマンバリューでは、多様な人々がオープンに話し合う中で関係性を高めながら、知識やアイデア、新たなアクションが生み出されるような「場」と、取り組み全体を通して変化を育む「プロセス」に働きかける「場づくり」を「プロセス・ガーデニング」と位置づけ、人や組織の変化と成長を支援しています。
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なぜ「場づくり」が必要か
学習や成長に影響を与える要素には、大きく分けて「コンテンツ」と「場」と「プロセス」があります。「コンテンツ」は、テーマ・取り組み内容・プログラム・ワーク・手法・テキスト・スライドといった要素です。「場」は、その場で感じる雰囲気・コミュニケーションや相互作用のあり方・ホスピタリティ・レイアウト・備品といった要素です。「プロセス」は、事前の準備・働きかけ・成果を生み出すための事後フォローといった要素です。これら3要素のうち「コンテンツ」は目に見えやすい要素のために重要視されがちですが、「同じことをやっても同じことが起きない」という事象は、「場」と「プロセス」の違いによって生み出されることが多いのです。人々が集う場や空間がどのような雰囲気をもっているのか、どのような空気が流れているかによって、人々の関わり合いや相互作用、探求や学習の度合い、生み出されるアクションが大きく変わります。また、人や組織の学習や成長のプロセスをどのようにデザインするのか、起きた変化をどう育むのかによって、その後の変化の大きさや取り組みの継続の度合いは異なってきます。実現したい状態を育んでいくために、「場とプロセスのサポート」を行う「場づくり」が必要とされているのです。
変革・成長の場づくり、「プロセス・ガーデニング」
組織の変革や人々の成長のために必要な「場づくり」とは、居心地の良い場・綺麗な空間・表面的な優しさやケアだけを指すのではありません。変革のプロセスにおいて生まれる様々な障害や困難に向き合う人々の心を支え、既存の慣習や雰囲気に揺らぎを与える場をつくり、起きた事象を生かして次の一歩に繋げるプロセスを編み続ける、変化のための場づくりが必要なのです。ヒューマンバリューでは、そのような「場づくり」を「学習や成長のプロセスを育む土壌を耕し、変化の芽を大きく育てていく」という意味を込めて、「プロセス・ガーデニング」と名付けました。人や組織の変化と成長を支援する取り組みには、組織変革プロセスのファシリテーターションに加えて、変革の土壌を育み、変化の芽を育てる「プロセス・ガーデニング」の要素が欠かせないと考えています。
プロセス・ガーデニング
変化が激しく正解の見えない時代において、人や組織の学習や変化、成長を生み出すためには、外から与えられたゴールや正解に導くのではなく、人々が主体的に関わり合いながら新たな一歩を生成し続ける場やプロセスを育んでいくことが大切です。ヒューマンバリューでは、2006年にそのような生成的な場とプロセスのサポートを「プロセス・ガーデニング」と名付けました。プロセス・ガーデニングという言葉には、「学習や成長のプロセスを育む土壌を耕し、変化の芽を大きく育てていく」という意味が込められています。
プロセス・ガーデニングの実践をサポートする
組織変革や人材開発の取り組みには決まった型があるわけではなく、取り組みを行う背景や状況も様々です。ヒューマンバリューでは、様々な組織の取り組みを支援する際に、実現したい状態に向けてそれぞれの組織の現状を生かしながら働きかけていくプロセス・ガーデニングを行っています。また、組織の中の人々がプロセス・ガーデニングを実践する力を高めることで、環境変化に適応し続けられる土壌を育むサポートも行っています。
<主な取り組みやプロジェクトの例>
・プロセス・ガーデニング実践コース(プロセス・ガーデナー養成コース)の展開(オープン・コース)
・人材開発部門メンバーに対する社内プロセス・ガーデニング実践コース(プロセス・ガーデナー養成コース)の実施
・各変革プロジェクトの中でのプロセス・ガーデナーの育成
・ect…